• 宮川花子(下)をマッサージする夫・大助 (C)フジテレビ

大助・花子のすごさをあらためて聞いてみると、「どうしよう、いっぱいあるな…」と悩みながら、「とにかく愛情が深いです。こんなこと言ったら本当の親に怒られるかもしれないですけど、両親以上にお父さん、お母さんの愛情にあふれているんです」と回答。

「ある日タクシーに乗って、花子師匠と(娘の)さゆみさんは後部座席だったんですけど、たしかTシャツの話題で、さゆみさんが『神林さんは何色が好きなんですか?』と言ったので、『僕ですか?』って聞き直したんです。よくある返しじゃないですか。でも、花子師匠は『ちょっと待って。“僕ですか?”ってどういうことやねん。あんたにしか聞いてないやろ。そこは“僕はこの色が好きです”って言うのが普通やろ。ようテレビの仕事してるわ』って。言葉遣いではよく怒られます(笑)」

こうした“ファミリー”は、神林氏のように芸人以外でも、全国各地に存在するという。「後編に登場する岩手の佐藤さん夫妻は、接骨院で働く一般の方なんですけど、東日本大震災の津波で家も仕事も全て失っていたところ、情報発信しなければならないけど人手がいないということで、ラジオ放送をしてたんですよ。そこに、たまたま花子師匠がお弟子さんとやってきたので、『みんなを勇気づけたいから、ラジオに出てくれませんか?』とお願いしたのがきっかけでファミリーになったんです」と経緯を明かすが、大助・花子のこういった周囲を巻き込む力は、実にパワフルだ。

  • 35年ぶりに元日を自宅で過ごし、毎年出演していた『爆笑ヒットパレード』を見る大助・花子 (C)フジテレビ

■闘病記と言うより“奮闘記”

後編の見どころを聞くと、「闘病中は本当にお先が真っ暗で、舞台復帰なんて考えられないとも言ってたんですけど、やっぱり乗り越えるといろんな欲が出てくるんですね。また舞台に立ちたいという花子師匠の努力…いや、本人は『努力したことない』って言うので、努力と言うのは正しくないかもしれないですが、復帰に向けてのリハビリ、さらなる希望に向けての花子師匠を見てほしいです。闘病記と言うよりは、復帰に向けての“奮闘記”ですね」と笑顔を見せた。

2月19日には、NHK Eテレ『すてきにハンドメイド』(毎週木曜21:30~)で、テレビ収録の復帰を果たした花子。こちらは、3月12日の放送予定となっており、その後も講演会や、大好きなマラソン大会にも顔を見せるべく、リハビリに励んでいる。

神林氏は、今後もファミリーの“記録係”として密着撮影を続けていく――。

  • (左から)娘の宮川さゆみ、宮川花子、神林ディレクター=20年2月19日、NHK『すてきにハンドメイド』の控室にて(提供写真)