俳優の高木俊(高ははしごだか)、荒牧慶彦、寺山武志が、8月31日に都内で行われたテレビ東京の木ドラ25『テレビ演劇 サクセス荘』(毎週木曜25:00~25:30)ふりかえり上映会に登場した。

  • 左から高木俊、荒牧慶彦、寺山武志

同作は、都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」を舞台に、俳優、漫画家、占い師、料理人など個性豊かな住人の物語を描く。2.5次元舞台のパイオニア、ネルケプランニングと、『おっさんずラブ』で注目を浴びた脚本家・徳尾浩司がタッグを組み、「リハは1度だけ」「本番一発勝負」の「テレビ演劇」という新しいドラマに挑戦する。

今回登場したのは南極料理人を目指すユッキー役の高木、英国貴族を目指すサー役の荒牧、プロボウラーを目指すヒッピ役の寺山の3人。3人揃ってスクリーンの裏に立つというボケで、登場からファンを笑わせる。イベントではそれぞれが印象的なシーンを選んだが、寺山は「やばかったシーン」として、第5回「映画でサクセス」のボウリングシーンを挙げ、3回挑戦したもののなぜか毎回1本だけ残してしまうという寺山のNGシーンに会場は爆笑。荒牧は「さっき聞いたんだけど、あまりにも1本残るものだから端っこのピンを真ん中に寄せたらしい」と暴露していた。

高木は「うまくいったシーン」として、第6回「サクセス即興フェスティバル!」の一幕をチョイス。即興劇に挑んだ同回だが「伝説の少女」というテーマで、少女になりきって進めようとする荒牧を高木が「違うよ」と否定し、動揺した荒牧が思わず笑ってしまう……というシーンを紹介した。さらに荒牧は「すごいと思った人と場面」という題で、同じく第6回の寺山の即興ミュージカルを選出する。

大家族という設定で、高橋健介&定本楓馬&寺山の3人が展開する即興ミュージカルでは、寺山の「お母さんってとっても大変!」「この200円で食材買えた! Oh!」という名フレーズに会場は大盛り上がり。「天才としか言えない」と絶賛された寺山は「全部奇跡的にものごとが連なった。ミュージカルをひいたのが結構デカかったですね ミスター(高橋)とチャップ(定本)がめちゃめちゃまわしてくれた」と振り返ったものの、高橋が冒頭で複数の役を表現していたことには「全然気づかなかった。『おかしな子いるなあ』って」と反省していた。

イベント終了後コメント

・一発本番と舞台の違いは?

荒牧:舞台は稽古の積み重ねで確固たるシーンを作ってから臨むので、全く別ですね。
高木:あとは反応の有無。舞台はお客席からの笑い声があるが、今回は放送されてようやくTwtitterで知ることになりますから。
荒牧:スタッフさんにも声を出さないようにしてもらってるので、ボケても何も反応がない(笑)。
寺山:「あれ、滑ったのかな?」って落ち込みに入ると、途中で反省会が始まっちゃう(笑)。
高木:スタッフさんの笑いは入れるかどうか最初迷って、リハで試してみて「なしで大丈夫そうだね」となったんですが、今思えばなくて良かったです。
寺山:本気で滑った時にわかっちゃうので(笑)。笑いがないことで、集中しやすくなりました。あの世界にいるみたいな感覚になりました。

・"神回"と話題の第6回の感想

荒牧:正直、やった時は不安でしかなかったですけどね(笑)。
寺山:台本がきた瞬間に「マジか~」と思いました。そういうパターンあるよなって。その分、入口からテンションをあげていたんですよ。小ボケもしゅんりーさん(高木)に拾ってもらって。本当にひとつギアを入れないとやばいと思っていました。
高木:寺山くんがギアをあげているのがわかったから「大丈夫だな」と。頼れるやつがいるので、安心してやっていられました。
寺山:(即興で生まれた「お母さんってとっても大変!」という名台詞は)本当にその場でしたね。でもチームのバランスで、他の2人が展開してリズムを作ってくれたおかげです。しかもちょうど音が抜けてるところだったので、「じゃあセリフでいける?」と思って。
高木:よかったよね。
寺山:逆にしゅんりーさんはMCをやらないといけないから大変ですよね。
高木:冷静にやらないといけない部分と、自分も即興劇をやらない部分の具合が難しくて。MCがぶっとんだボケをやると誰がまとめるんだ? と難しい。バランサーみたいなポジションにはいたかなと思います。(荒牧を動揺させたシーンについては)逆にあそこは冷静な部分があって(笑)。
荒牧:俺はぶっこまれたとは思いましたね(笑)。
高木:でも、まっきーは面白くしてくれるだろうなという信頼があった。
荒牧:普通に笑っちゃったんですけど、まさかアップで抜かれてるとは思わなくて(笑)。顔を背けたからいけたかなと思ったんですけど……。

・第6回の寺山を見て爆笑していた件については?

荒牧:本当に、寺さんが好きなんですよ。他の回でも寺さんの顔を見て吹き出しちゃう。
寺山:ひどいんですよ! 僕普通に演じてるだけなのに、僕と目があって笑い始めるんですよ。
荒牧:寺さんの存在自体がツボなんですよ。
高木:なんかやらかしそうな顔してるもんね。真面目なシーンでも目が笑ってる(笑)。

・テレビで放送されることへの反響で感じていることは?

高木:単純にTwitterのフォロワー数も伸びたし、別の現場に行くと「見てるよ」と言われる。企画自体が新しいので「すごいことやってるね」と言われることが多いです。
寺山:役者仲間も、TwitterやLINEで連絡をくれます。
高木:「本当に一発撮りなの?」って、みんな知りたいみたいで(笑)。
荒牧:役者からしたら信じられないですからね。僕もなるべくリアルタイムで見てるんですが、トレンドに入っていたりしますし、それだけ感想つぶやいてくれているのかなと思います。
寺山:最近はよく共演する人たちがテレビに出る機会が多くて、嬉しいですよね。いろんな方に知ってもらうチャンスなので。
高木:舞台業界も盛り上がって、舞台のすばらしさを知ってもらえたらいいよね。

・視聴者へのメッセージ

荒牧:回を重ねるごとに熟練度がどんどんあがっていって、話としても面白くなってくるので、1週間の癒しや楽しみにしてくださったら嬉しいです。みなさんの反応が大きければ『サクセス荘 シーズン2』、もしくは別の作品もできる機会が増えてくると思うので、応援のほどよろしくお願いします。
高木:残りの回でも色々なことに挑戦しているので、その挑戦を見てもらいたい気持ちが大きいです。関係者の人たちにも、「僕ら、こんなすごいことやってるんだよ」というのを見ていただけたら。
荒牧:本当に、すごいことやってますよね。
寺山:大きなミスもそんなにないから、すごいですよね。
荒牧:台本、ポンと渡されるだけですよ!?
寺山:本当に一発撮りなので、疑いなく見ていただいて。要所要所にアドリブもあるので、僕も自分が出ていない回を見て「ここは台本なの? どうなの?」と楽しめました。皆さんにも楽しんでいただいて、それで感想をつぶやいていただき、ぜひ『サクセス荘』を一緒に盛り上げて欲しいです。