俳優の高木俊(高ははしごだか)、有澤樟太郎、定本楓馬が18日、都内で行われたテレビ東京の木ドラ25『テレビ演劇 サクセス荘』(毎週木曜25:00~25:30)の振り返り上映会に登場した。

  • 左から定本楓馬、有澤樟太郎、髙木俊

同作は、都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」を舞台に、俳優、漫画家、占い師、料理人など個性豊かな住人の物語を描く。2.5次元舞台のパイオニア、ネルケプランニングと、『おっさんずラブ』で注目を浴びた脚本家・徳尾浩司がタッグを組み、「リハは1度だけ」「本番一発勝負」の「テレビ演劇」という新しいドラマに挑戦する。

会場では第1回の振り返り上映が行われ、集まったファンからは各所で笑いが。トークではこれまでの放送から印象的なシーンを振り返る。「やばかったシーン」として第4回の「開幕! クッキングコロシアム」を挙げた高木は、セリフを忘れ「もう1度やらせていただいてもよろしいでしょうか」という懇願がそのまま流れたシーンを改めて見て、「ルール説明も進行もしなければいけなかったので、自分的に結構テンパってた部分がありました」と苦笑する。しかし、第1回で噛んでた部分をそのまま流されていた有澤は、「すごいと思った」と絶賛。「僕は噛んだことを噛んでないと思い切ってやり通して、おそるおそる聞いたらバレてた。やましい心が出てた。でもユッキーさんは、ちゃんとそこで言うかっこよさを感じました」と理由を説明した。

「うまくいったシーン」を紹介した有澤は、第2回「有罪!? 無罪!? サクセス裁判」で、自分の前のセリフがごっそり抜けていたことに動揺しつつも「探りながら探りながら」つないだと明かす。「第1回の僕だったら動揺し散らかしてセリフどころじゃなかったかもしれない。でもうまいことやった」としみじみし、その後をつないだ定本も「僕も見ての通り、めっちゃ目が泳いでた。焦っちゃって、カメラに抜かれてないけど、尋常じゃなく動いてますからね」と振り返った。

定本は「他の役者のすごいシーン」として、第1回「サクセスの夜明け」での玉城裕規が「アナゴ」というシーンを紹介し、「まずあんな世の中で、ウナギとアナゴを面白く言える人いない」と称賛し、有澤も「(玉城は)一人だけ最初からキャラ確立してた」と同意。定本は、玉城と和田(雅成)が「アナゴ」「ウナギ」と言い合っているシーンは「アドリブです」と明かし、一発撮りという特性上、OA時間と芝居を合わせなければいけないことから、『これで数分稼げる』って、本気で打ち合わせしてたから、すごいなと思って。尺調整をシビアにやってる」と感心していた。

イベントに登壇した3人の感想は?

イベント後の取材では、「ちゃんと笑ってくれてるのがよかった」(高木)、「1人で家で見てる時も面白いんだけど、どこかに『みんなどう思ってるんだろう』というのがあるので、良かった」(定本)と、ファンの笑い声に安心していたキャスト陣。有澤が噛んでしまったところではひときわ大きな笑いが起きていたが、本人も「ああいうところでも笑ってくれるんだったら良かったなと思いました」と反応を見ていたという。第1回では、高木が和田にキスを迫る、というくだりで映った定本の表情にも笑いが起きていたが、高木が「ガチで引いてんじゃないかという。あれは芝居なのかなんなのかと」とつっこむと、定本は「1回リハやってますからね。芝居なんじゃないでしょうか」とかわしていた。

これまでに共演も多い役者陣だが、今回新たにすごいと思った人を聞かれると、有澤は「隣にいて言うのもなんですけど、しゅんりーさん」と高木をべた褒め。「さっきも話題に出た第4回、割と本気ですごいなと。失敗してもめげないし、リハ終わった時に誰よりも意見出してくれるのがしゅんりーさんなんです。それも個々に言ってくれるし、尺調整もしてくれて、番組自体が成り立ってるのはしゅんりーさんの力と言っていいんじゃないかな」と力説する。

一方高木は「寺山(武志)くん。普通に演じてしまうと盛り上がりに欠ける部分を、寺山くんが起爆剤になってくれて、そのおかげで場が動く。即興劇もそうだけど、発想力・瞬発力がすごいので、彼がいると安心する」と感謝していた。

また原案・プロデュースを務めた松田誠(ネルケプランニング)は毎回収録でアドバイスをしてくれるそうで、高木は「松田さんがいなかったらもうちょっと危ない方向に行ってたかもしれない。すごくバランスをとってくれる」と語る。さらに「まだノブ(高野)のキャラクターが出来上がってない時に、『筋トレとかやったら、もっとキャラつくよね』とか、アドバイスをくれたりして、細かいところまで見てくれてる」と明かした。

有澤も「本番一発勝負なので、テストやって落ち込んだままだとできないじゃないですか。松田さんがモチベーションをうまくあげてくれるので、空気作りがすごい! 落ち込んだままじゃ絶対できない。テストで『うわ、全然あかんかった』じゃできない」とリハで相当落ち込んでいる様子。高木は「難しいな〜! ってなるよね」と同意し、定本も「難解でしたね」とうなずいていた。

17日にクランクアップを迎えた同作だが、最終日はセリフ合わせ中も甲子園で盛り上がったそうで「にぎやか。本当にいいメンバーで楽しい」(有澤)、「いいメンバーが集まりました」(高木)とキャスト陣は和気藹々。定本は「一発撮りでしかできないハプニング、奇跡、いろんなものが溢れている作品。僕たちけっこう命削りましたので、ぜひ命を削って楽しんで見ていただきたいと思います。眼球すり減るぐらい。『視力、落ちちゃったな』ってくらい」とアピールする。

高木は「テレビ演劇という新たなジャンルだと思うんですよ。僕らも挑戦しながら、試しながらやってるんですけど、荒削りな部分も楽しめる作品だと思う」と魅力を語り、有澤は「何もないところからスタートしてるので、キャラクター作りにたくさん苦戦したんですけど、久しぶりに収録行くとみんなキャラクターができあがっていて、自分も頑張らないとなって鼓舞される」という。しかし実際久しぶりの収録で「キャラクターが変わっている」と指摘されたことから、「そこもひとつ見どころに」とアピールし、高木から「プラスにした!」とつっこまれる。さらに「どんどん、皮を破ってくので!」という有澤に、「殻じゃない?」と高木。有澤は「殻を破ってく過程が見れると思いますので、そこを楽しみにしていただきたいです。最終回すごいことになっていると思います!」とメッセージを送った。