古生物学者の龍井尚久役:吹越満のコメント

『警視庁捜査一課9係』『特捜9』といった東映制作のテレビドラマでもおなじみ、ひょうひょうとした中に鋭さを備えたキャラクターが持ち味のベテラン俳優・吹越は、かつて東映の不思議コメディーシリーズ『有言実行三姉妹シュシュトリアン』(1993年)で、主役のシュシュトリアン(月子、雪子、花子)に指令を伝える「フライドチキン男」を演じたことでも知られている。吹越は『シュシュトリアン』に出演していた若手時代を回想し「あれから四半世紀……26年もたったのか」と感慨深い表情を見せた。

『シュシュトリアン』では山吹家の美人三姉妹がシュシュトリアンに変身し、酉年の平和を守るため妖怪や怪人、変人と戦っており、時には過酷ともいえるハードアクションにも挑戦していた。吹越もフライドチキン男のコスチュームを身に着けてコミカルなアクションを経験しており、若いヒーローたちに「アクションは夏になると(暑くて)大変だよ。僕もヒーローじゃないけれどコスチュームを着てアクションした経験があるけど、ヒーローはやっぱりうらやましいよな」とアドバイス&激励を送った。

龍井尚久という人物は、リュウソウ族のコウたち5人を自分の家に居候させる古生物学者という役柄で、吹越が身に着けている衣装にもかなりのこだわりがあるという。「衣裳合わせでものすごく時間をかけて決めてもらいましたけれど、みなさん気づきましたか? 僕のズボンは茶色ですから5人と色が被らない。『リュウソウチャイロ』というコンセプトです(笑)!」と、5人と並んだ際のカラーリングにまで気を配った絶妙な衣装だということをアピールしていた。

ちなみにフライドチキン男と龍井のコスチュームは、帽子、メガネ、ステッキといったパーツに共通点がある。状況に流されやすく、場合によっては味方であるシュシュトリアンを平気で裏切ってしまうフライドチキン男の軽いノリは、龍井にも受け継がれているのだろうか、あるいは、受け継がれていないだろうか。いずれにせよ、吹越が演じることによって龍井が魅力的な人物として造形されるのは間違いないだろう。

吹越は『リュウソウジャー』出演にあたっての感想を尋ねられて「子どもたちが対象だと思うと、取材でカメラを向けられても自然と笑顔になってしまう。撮影現場でも自分が素直になっているのがわかる。俺にもこんな優しいところがあったんだと驚いた」と、独特な表現で"優しい"一面をのぞかせた。また「尚久は何かに驚いたとき"ナヌ!?"って言うんです。これからは"ナヌ"を推していこうと思います」と、龍井の決めゼリフがあることを明かし、視聴者への興味をつないでいた。