• キュウレンジャーVSスペスク座談会

――画面を観ていますと、みなさんの息が白かったり、外に雪が積もっていたりしていて、寒い時期の撮影だったんだなと。撮影はいつ頃行われていたのでしょうか。

南:ちょうど今年の1月ごろでしたね。

岐洲:すごく寒くてハードな撮影でしたが、寒いといえばヴィランズのほうが大変だったんじゃないかと思います。

石垣:ヴィランズの女の子、メレやエスケイプなんて、衣裳の関係もあってかなり寒かったんじゃないかな。

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岐洲:基地での撮影がキツかったって話を聞きました。室内なので太陽の光が当たらず、冷気だけが溜まっていて外よりも寒かったって。

南:冷蔵庫みたいな感じなんだろうね~。

石垣:それだけに、ヴィランズのシーンはいっそうクールというか、殺伐とした感じがうまく出ていたね。

南:見た目以上に冷たい怖さ、凄みを感じましたよね。

石垣:ヴィランズに関して言いたいのは、やはりみんなの芝居の巧さですよ。バスコ、十蔵、メレ、エスケイプ。彼らはそれぞれ1年間にわたって自分の役をまっとうし、ヒーローに倒されて死んでいるんですよね。"死"まで演じきっているところが重要なんです。ヒーローは、その人生の最後までを演じ切ることができません。役として完結した後、別の現場で経験を重ねてきた人たちが、ふたたび甦って戻ってくる。こりゃあ、そうとうな覚悟がいると思うんです。そういう思いが、ヴィランズ一人一人の芝居に出ています。役者として"技"を持っているので、いまの自分ならこう演じられるという自信があふれていますね。バスコの細貝圭くんなんて『ゴーカイジャー』のころよりもずっと巧くなっていますから。

南:死から甦ったヴィランズなんですけれど、今回の作品ではその活躍シーンもさることながら、退場の仕方にも注目してほしいです。

――キュウレンジャーが敵と戦いながら順に名乗っていくシーンもスピーディですごくよかったですね。

南:キュウレンジャーは今回、名乗りが特殊なので注目していただきたいですね。

岐洲:最後にキュウレンジャー全員が、同じ画面に収まってシャキーン!と決める、あの画面が好きなんです。

石垣:ああいう集合カット、すごくいいよね。ギャバンもシャイダーも名乗るときは基本1人だからさ(笑)。

――十文字撃がギャバンに「蒸着」し、烏丸舟がシャイダーに「焼結」するときも、今回は敵と戦いながら、という演出になっていました。いわゆる「変身ポーズ」がそのまま格闘アクションに転用されているというのは、かなり珍しいパターンで目をひきました。

岐洲:あれ、カッコいいですよね~。

石垣:今回は、「蒸着」のモーションがそのまま、敵を倒すアクションになっているのが重要なポイントなんです。通常のアクションと違って「蒸着」の構えから入るもんだから、手数がいつもと違うわけですよ。タイミングを合わせるのがなかなか難しくて、一発でOKはなかったですけど、2回目でうまくいきました。

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岐洲:いやあ、さすがのキレでした。

南:「蒸着!」の合間に、カカト落としが入ってね(笑)。

石垣:うん、カカトは落とすよ!

岐洲:撃は格闘ワザを出すとき、技の名前を叫ぶのが特徴なんですよね。「カカト落とし!」のほかにもありました。「飛びヒザ!」とか。

石垣:そうそう。「蒸着」したギャバンが「飛びヒザ!」って言いながら飛びヒザ蹴りを食らわしていました(笑)。僕のアフレコは、いつもこういう感じで勢いがあるんです。ラッキーにもカカト落としを伝授したので、今回もやってほしかったんだけどね。

岐洲:僕もやりたかったのですが、残念ながら機会がなかったんですよ~! テレビ本編では、ラッキーがドロップキックをやる場面があったんです。そのとき、石垣さんみたいに「ドロップキーーック!」って叫ぼうとしたんですけど、わりと重い空気が漂うシーンだったので、ここで叫んだら雰囲気に合わないかなと思って、かけ声なしになったことがありました(笑)。