西の渋谷とも呼ばれている町田。私は、勝手に「カロリーの宝庫」と呼ばせてもらっている。この街は、ネオジウム磁石並みの磁力で私を引き寄せることで有名だ。いや、誤解を招くので訂正しよう。町田にあるとあるラーメン屋が、私を引き寄せるのだ。

  • 町田「ぎょうてん屋」のぎ郎

「ラーメンが今日も私を呼んでいる」。呼ばれているわけがないのだが、勝手に都合のいい事情を脳内に生み出させるほど中毒性のあるラーメン屋の名前。それは、二郎系ラーメンの「ぎょうてん屋」だ。

入り口は、誰がみても一発で何の店なのかがわかる。入り口よりも看板がデカいのは前代未聞。そして店前にズラリと「ウチの推している子たちはこちらですよ~」と言わんばかりに写真が並んでいる。ここである程度のどの子を指名するかを決めて店内に入る。

元々は家系ラーメンがルールだったらしいが、右往曲折と迷走あって「ぎ郎」が誕生したと言われている。しかし、このカオス感が中毒性を高めている。

まずは、生ビールで乾杯だ。キンキンに冷えたグラスに注がれたビールを飲んでお利口さんに待てをする。二郎系が一番好きなジャンルなのだが、何せボリュームがすごいので決まってビールを頼んだことを後悔することが多い。

それでも、ラーメンが運ばれてくるまでのドキドキ感を一緒に共有してくれる仲間欲しさにビールを注文してしまうのだ。

「お待たせしました、ぎ郎です」

ずっしりと重量感ある器の中からはもやしが「こんにちは」と顔を覗かせている。奥側には、マシマシにしたニンニクが黙ってこちらをみている。これが堪らなく好きで、3日連続で通ったこともある話をしておこう。体重も3キロくらい一時的に増え、うまさと同時に震えた。

私が好きなのは、この濃~いスープだ。家系ラーメンがルーツだからなのか、汁が甘じょっぱい。この甘くてしょっぱい優しさの沼にはまっているのだ。

ジュースかな? というくらいに飲み干してしまう。危険だ。

オーダーする際に「麺固め・味濃いめ・脂普通・ニンニク」を伝えたこともあり、麺はかみごたえがある。太麺ラバーズなので、これが一番好きな噛み心地だ。

お店推奨の野菜と麺をひっくり返す「天地返し」をすれば、野菜にもしっかりとスープの味が染み込む。ちょっとだけ野菜の天辺には、タレがかかっているので最初にその部分を食べてから一気に野菜をスープの海にタイタニックさせるのだ。

気づいたら野菜より先に麺がなくなっているなんていうことも多々ある。

チャーシューは、シンプルにも分厚く柔らかい。味がしっかりとしみ込んでいるのがわかる色合いだ。

ボリューミーなので、ビールで一旦リセットしようと思うと余計に腹を圧迫することになるのでこちらも慎重だ。

いつも「カロリーはアルコールで流しコロボックル~」と笑顔で酒を飲んでいるが、二郎系だけは顔つきが真剣になることが多い。

そんな時は、生卵に救済を求める。50円で生卵を注文しすき焼きのように麺をつけて食べる。すると、味が一気にマイルドに変化し無事味変が完了したことをお知らせできる。

最後は隠しアイテムの酢でスープを調整して食べ終えるというのが個人的「ぎょうてん屋ルーティーン」だ。

最後に女性限定らしいが、杏仁豆腐も選択できたのでデザートでお口直しをして女子力高く店を出る。決まってこの日は誰にも会わない。だって、このニンニクの香りは自分だけでしばらく独占したいから。

酒村ゆっけ(さかむらゆっけ)

ネオ無職を全うする飲兵衛(酒好き)でありながら文字を書くひと。好物は、角ハイと麺類。趣味は映画と本を見て読むこと。

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