ハイレベルな戦いが期待できる分、次のステップとして求められるのが、各局のバラエティで活躍できる王者の誕生。初代王者・ギャロップ、第2代王者・ガクテンソク、第3代王者・ツートライブはいずれも漫才だけでなく、ネタ以外の平場もこなす実力者だが、現時点では「各局のバラエティで活躍している」という印象は薄い。

それを象徴していたのが9日放送の『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジ系)。「ボムマジ爆発 言いにくいフレーズ、誰かが噛んだら全員ビリビリ&大爆発!恐怖の連帯責任ドッキリゲーム」に歴代王者が集結したが、バラエティではゴールデン帯でまとめて扱われるという現状を感じさせられた。

『THE SECOND』のネタ時間は『M-1グランプリ』の4分より2分長い6分。それでも劇場で披露する漫才より短いが、他の賞レースより印象的なボケやツッコミを盛り込みやすく、持ち味の語り口やキャラクターを伝えやすい。そろそろ王者となるコンビには、優勝後に出演するバラエティで名刺代わりになるようなボケやツッコミ、キャラクターなどを盛り込んだ戦略的なネタを見せてもいいころではないか。

また、MC・東野幸治、ハイパーゼネラルマネージャー・有田哲平、スペシャルサポーター・博多華丸・大吉のコメントにも進化が求められる。他の賞レースはトップ芸人が審査員を務め、そのコメントが大会の注目や権威を高めているが、『THE SECOND』の審査員はその点で多くを期待できない一般人。東野、有田、華丸・大吉には称賛だけでなく、技術的な指摘やおじさん芸人の魅力を伝えるひと言などでX(Twitter)のトレンド入りをするくらいのコメントがほしいところだ。

「賞レース最長」の4時間40分生放送

そしてもう1つ特筆すべきは放送時間。今年の放送時間は18時30分~23時10分の4時間40分であり、これはお笑い賞レース最長となる。

直近の放送時間を振り返ると、『M-1グランプリ2025』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が3時間40分、『キングオブコント2025』(TBS系)が3時間26分、『女芸人No.1決定戦 THE W2025』(日テレ系)が2時間24分、『R-1グランプリ2026』(カンテレ・フジ系)が2時間24分、『ダブルインパクト~漫才&コント 二刀流No.1決定戦』(日本テレビ・読売テレビ系)が3時間4分。

しかも今年『THE SECOND』は放送時間を30分拡大させた。第1回~第3回の時点で賞レース最長だっただけに、さらに拡大したことがどんな影響を及ぼすのか。たとえば「漫才をじっくり楽しむお笑い好きに向けた番組」という印象が濃くなりすぎないための工夫が必要かもしれない。

これまで総合演出を務めてきた日置祐貴が退社したことで、大会そのものを不安視する声もあるが、後任の角山僚祐は第1回から関わってきた上に、フジには『THE MANZAI』『ENGEIグランドスラム』などを手がけてきたノウハウがあるだけに問題ないように見える。

これまで「審査員を務めた」という男女2人から話を聞いたことがあるが、どちらも「審査は楽しかった」「芸人の思いもスタッフの愛も伝わってきた」「審査して一番好きな賞レースになった」などのポジティブな印象を語っていた。

地道に信頼を得ていく様子はいかにも『THE SECOND』らしいが、いかにその層を広げていくのか。賛否の声が飛び交いやすいお笑い賞レースの中でもネガティブな要素が少なく、安心して見られる大会であることは確かだ。