マイホームは人生最大のお買い物、これはみんなが一致することだろう。結婚してお金を貯め、子供を授かって広い家が必要。こう考えてマイホーム購入を検討する20、30代の若手サラリーマンもいるようだ。

地方と違い、東京23区、特に田園調布から成城の国分寺崖線上にかけての不動産値段は桁違いで、軽く1億を超える。1億なら地方では超がつくほどの豪邸が建つ。

しかし、地方だけでなく、田園調布や成城などの高級住宅街でも住民の高齢化や空き家空き地の増加が目立つように思う。周辺を歩いていても以前より活気がなく、売れ残っているような土地や家(もちろん高すぎて若者が手を出せないもあるが)が目立つ。

  • 空き家の増加が招く問題とは?

人口減少による空き家問題

東京都内の空き家率も10%ともいわれる。日本の人口減少を考えると、今後都会でも土地の値段が安くなることが予想されるが、空き家空き地の拡大が収まることはないだろう。こう考えると、"よし、もう少し時間が経てば都内に広い家が買える!"と思う人もいるかもしれないが、こういった状況はある問題を誘発しているのだ。

外国人による日本の不動産購入

それは、外国企業や外国人による建物や土地などの不動産購入だ。日本に住む外国人労働者の数も増え、マンションやアパートを購入する外国人も増加している。今後の日本経済のためにも、労働力としてもっと外国人を受け入れる必要がある日本としては、それは自然の流れともいれる。当然ながら、民主国家日本では不動産を購入する権利は外国人にも最大限保障されるべきだろう。

だが、近年の外国人による不動産購入の状況をみてくると、え! と驚く状況がみられるのだ。例えば、自然が豊かな北海道では広大な畑や水源、ニセコや登別などリゾート地にあるスキー場やゴルフ場、温泉施設などを中国人が爆買いする状況が続き、そこに新たなリゾート施設や太陽光発電所などを建設する計画があるという。

また、自衛隊基地の近くに不動産を購入する動きもみられるが、これは場合によっては、日本の安全保障に関わる問題に発展する恐れがある。

一方、韓国との国境の島長崎県対馬では近年、韓国人による不動産購入の動きが活発化している。韓国第2の都市釜山と対馬は50キロほどしか離れておらず、夜になると釜山の夜景が対馬から見える。韓国人からすると船ですぐいける日本であり、別荘や事業開拓などを目的に土地を買う人が増えている。

似たような状況は、佐渡島や沖縄の離島などいわゆる国境離島でも顕著になっていると考えられるが、人口減少と相まって、不動産の相続や売買、権利などの状況が不透明になっているケースが増えているという。

地元経済の活性化のためにと、中国人富裕層向けのサービスを強化している地元の不動産会社もある。そして、中国人観光客の中には、温泉地やスキー場、観光施設を訪れるパッケージツアーに参加しているにもかかわらず、あえて自由時間に地元の不動産会社を訪問する人も少なくない。

現在はコロナ禍で中国人観光客の数は激減しているが、投資として期待できる土地や建物への問い合わせは勢いを失っていない。今後、コロナ禍が終息していき、外国人観光客の訪日が再び活気づけば、中国人による不動産購入もますます増えることだろう。