本日は上野の一軒をご紹介。アクセスは、JR「上野」駅のペデストリアンデッキを越えた先すぐ。東京メトロ日比谷線「上野」駅2番出口が最も近い。「八」の字を丸囲みしたマークが目印の、「みはち」という小さな立ち食いそば屋である。

  • 「かき揚げ天そば」(440円)

オススメは「かき揚げ天」と「かつ丼」

ガラス戸の自動ドアには営業時間の張り紙があり、7時から14時と比較的短いこともあって、上野駅に縁のない人は立ち寄る機会は少ないかもしれない。軒先に食券機。交通系ICカード利用可。上部に「一押し」と銘打たれたPOPが掲示されていて、「かき揚げ天」と「かつ丼」がプッシュされていた。かつ丼も久しく食べていないので惹かれたのだが、立ち食いそばの連載ということで、さすがに「かき揚げ天そば」(440円)のチケットを購入。

ちなみに他のメニューは、春菊天やちくわ天、月見などのそば・うどんに加え、カレーや丼のセットメニュー、たまご・納豆などとハーフそばがセットになった朝定食メニューなどが見られた。米はあきたこまちを使用しているとか。食券機の脇には外国語対応メニューもあり、土地柄外国人観光客も多く訪れるのかもしれない。

時間は、午前10時過ぎ。店内には先客が2名。立ち食いのカウンター、スタンドテーブルがメインで、一部にスツールが設置されている。右手奥が厨房になっており、こちらに食券を提出。水を汲んで、隅角上に設置されたテレビを見ながら待つ。

麺・ツユ・タネのバランスが秀逸な一杯

この時間、店員さんはワンオペだったが、1分少々で完成。実直なルックスのかき揚げ天そばだ。天ぷらは無論揚げ置きだが、上手に管理されているのかカラッとサクサク。玉ねぎなど野菜の甘みが強く際立っていて、ダシがしっかり効いたツユで崩してもまた美味い。そば麺は、つなぎ多めの、これぞ立ち食いそばといった趣。丼はやや小ぶりで、もう一声ボリュームが欲しいところだが、麺・ツユ・タネのバランスがよく、さすが一押しメニューだなと感じた。

  • JR「上野」駅のペデストリアンデッキを越えた先すぐにある「みはち」

入れ違いで、外国人らしき二人組の男性。日本観光に来て立ち食いそばに立ち寄るのは、我々が東南アジアの屋台やアメリカのダイナーに行ってみたくなるのと同じ気持ちだろうか。その旅のさらなる充実を願いつつ、店を後にした。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。