8月も後半。何歳になっても8月が終わると夏が終わる、と思ってしまうのは学生時代の名残か。一歩外に出れば、変わらず太陽がジリジリと照りつけている。今日は蒲田に向かう。安いものから高いものまで、おいしいご飯がたくさん揃う街だ。こんな季節、恋しくなるのは冷たくて口当たりの良いランチ。かねてから気になっていた「うどん038」に入ることにした。

  • 「ジャンボとり天ぶっかけ」(590円)

飲食店が立ち並ぶ蒲田の人気店

JR京浜東北線「蒲田」駅西口を出て、すぐ右手にまっすぐ進むこと2分。ラーメン屋や居酒屋などが数えきれないほど肩を寄せ合っているエリア。中でもこの「うどん038」は、自家製麺の讃岐うどんを出す店として人気店のひとつだ。

外には「うどんは飲みもの」なんて看板も見える。のれんをくぐると、入口脇に食券機。冷やしうどん、温かいうどんに分かれている。冷たいのは、おろしや温玉、肉とろろなど、温かいのは、きつねやかき揚げ、イカ天などと豊富なラインナップ。今回初訪問ということで、店の一番人気という「ジャンボとり天ぶっかけ」(590円)をプッシュした。ぶっかけなので、もちろん冷たいうどんである。

店内は、入って左側が厨房と立ち食いカウンター。右手に2人用テーブルが3脚とそれぞれにスツールがセットされている。10人入ればパンパンだろう。有線から流行のアイドルソングっぽい曲が流れており、午前10時半頃、店員2名体制。先客は1名のみ。こちらでは券売機ボタンを押せばオーダーは通っているようで、特に食券を渡す必要はない。出入口付近の冷水機から水をくみ、待つこと2分ほどで完成。

ビッグサイズのとり天に脱帽!

まずはなんといってもとり天のサイズ! 別皿で提供され、トンカツのように細長くカットされている。試しに丼に乗せてみたが、完全に器を覆い隠してしまうくらいの大きさだった。まずは一口。熱々でジューシーな鶏肉の旨味がひろがる。やや衣は多めだが、やわらかくて食べやすい。提供時間のスピードから揚げ置きのはずだが、この時間は常に天ぷらを揚げていたようで、たまたま揚げたてを食べることができたのかもしれない。

  • JR京浜東北線「蒲田」駅西口にある「うどん038」

うどんは、ツルツルシコシコの正統派讃岐うどん。透き通ったあごだしのツユは、うどんにもとり天にもよく合う。卓上には自家製ソースやしょうが、辛味噌などの調味料、さらに揚げ玉も入れ放題なので、少しずつ味を変えて楽しむのがベスト。すっかり満腹になった。

同店は、平日25時まで営業しているらしい。飲んだ後のシメに「うどん」という選択肢、なんとなくラーメンより罪悪感がなくて、心惹かれるものがある。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。