前回に引き続き、蒲田である。引き続きというよりも、そのままその後。冷たいうどんを食べた後は、温かいそばでしょ! ということでJR「蒲田」駅前を散策。東口を出て、駅前のロータリーを渡った先。「蒲田東口 中央通り」の年季の入ったアーチをくぐり、2ブロックほど進んだ先にある「ゆで太郎 蒲田中央通り店」である。

  • 「温玉とろろ」(470円)

業界首位の有名チェーン「ゆで太郎」

そう、今回は皆さんご存知の「ゆで太郎」である。店舗は北海道から福岡まで(と言っても関西や中国・四国地方にはない)。関東では「富士そば」と並ぶ有名チェーンのひとつで、都内には実に75店舗(2018年8月現在)。都内では富士そばの100店舗超えに及ばないものの、全国では約200店舗を誇り、これは業界首位らしい。目印の青い看板は見た人も多いだろう。

出入口外に食券機が2台。時間はランチタイム少し前の11時半。既にじっとりと汗ばんでいたが、ここは初志貫徹。温かいそばを選ぶ。チョイスしたのは「温玉とろろ」(470円)だ。ちなみに「ゆで太郎」は「信越食品」傘下と「ゆで太郎システム」傘下の2パターンの店舗があり、当店は前者。それぞれでメニューが異なるなどの差異があるようなので、気にしてみると面白い。

店内に入ると、正面に受渡口のカウンター。こちらで食券を渡す。手前に立ち食い用のスタンドテーブル、右手側も客席になっていて、こちらには着席カウンターとスタンド、返却口がある。冷水タンクは2箇所に。徐々に混み始める時間帯か。相客は6~7人。

『三たて』のこだわり抜いた特徴

火照った体に冷水2杯を流し込んでいる間に、自分のそばが呼ばれる。とろろと温玉の白に、刻み海苔の黒。上品なルックスの一杯だ。まずは熱々のそばをすする。美味い。やはりゆで太郎の魅力は、麺そのものだ。

  • JR「蒲田」の東口に立地する「ゆで太郎 蒲田中央通り店」

「挽きたて、打ち立て、茹でたて」の「三たて」をモットーにしているだけあって、サッと湯通しするだけの茹で麺とはひと味もふた味も違う。細切りで口当たりもよく、しっかりツユを絡めながら胃にスルスルと入っていく。とろろはツユをまろやかに。刻み海苔は少量でも風味をプラス。温玉を先につぶしてしまうとこれらの味が若干濁ってしまうので、順番に味わいたいところだ。

真夏の昼時に食べるそばか? とも思ったが、これはこれで満足。帰り際の冷水がいつもの何倍もうまい。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。