今、毎日のようにワイドショーを賑わせているニュースといえば、セクシャルハラスメント。セクハラをきっかけに、地位や信頼を失ってしまった著名人は数知れない。しかし、これは決してひと事でなく、私たちの『職場』でも起こりうること。この連載では、日本最大級の社労士事務所「大槻経営労務管理事務所」の薄井崇仁氏に解説してもらい、『現代のセクハラ』に迫る。第一回は「働く女性500人に聞く『セクハラを受けたことある?』」。

働く女性500人への『セクハラ調査』

第一回は、働く女性500人にアンケートを実施し、セクハラの現状について調査してみた。「職場でセクハラを受けたことはありますか?」の質問に対し、40%以上の人が「はい」と答えていることからも、セクハラはごくごく身近に起こりうることがお分かりいただけるのではないだろうか。

Q1.職場でセクハラを受けたことはありますか?
はい…43.8%
いいえ…56.2%

  • 職場でセクハラを受けたことはありますか?

Q2.それはどのようなセクハラでしたか?
性的な冗談やからかい…62.1%
性的な写真やサイトを見せられたり、不愉快な視線を送られた…7.8%
性的な内容を含むメール、電話、手紙などを受け取った…11.4%
仕事とは無関係にしつこく食事に誘われた…34.2%
身体を触られた…37.4%
性的な関係を強要された…13.7%
その他(自由回答)…5.0%

  • どのようなセクハラでしたか?

もっとも多いのは、62.1%の「性的な冗談やからかい」。本人はセクハラのつもりではなくても、周囲に不快な思いをさせてしまっているというケースも多いはず。

Q3.そのセクハラ行為をしてきたのは誰でしたか?
会社の幹部…16.9%
直属の上司…50.7%
他部署の管理職…16.4%
同僚…23.3%
部下…3.2%
他部署の者…21.5%
取引先など外部の者…15.1%

  • そのセクハラ行為をしてきたのは誰でしたか?

「直属の上司」が50.7%で、もっとも多い。部下という立場上、なかなか指摘することもできないので、上司のセクハラが増えていると考えられる。「お客様」「患者」「クライアント」など外部の人間によるセクハラも多かった。

Q4.セクハラを受けたことに対し、何らかの対処を行いましたか?
友人や家族に相談した…27.4%
セクハラを行った本人に指摘した…20.5%
会社の相談窓口や上司などに報告した…23.7%
労働基準監督署など第三者機関に相談した…4.6%
何もしなかった…43.8%

  • セクハラを受けたことに対し、何らかの対処を行いましたか?

「セクハラを行った本人に指摘した」はわずか20.5%で、もっとも大多数となったのが43.8%の「何もしなかった」であった。不快な思いをしつつも、何もアクションを起こすことができない人が多いことがわかる。

Q5.セクハラ行為を受けたものの、何もしなかった理由はなぜですか?
職場で気まずくなるから…47.9%
報復などが怖かったから…22.9%
何をしても意味がないと思ったから…39.6%
そのときはセクハラだという認識がなかったから…21.9%
その他(自由回答)…5.2%

  • セクハラ行為を受けたものの、何もしなかった理由はなぜですか?

「何もしなかった」理由については、やはり「職場で気まずくなるから」が47.9%でもっとも多い結果となった。さらに次いで多かったのが39.6%で「何をしても意味がないと思ったから」。組織においてセクハラへの対処が、まだまだ整っていないことがわかる。

これらの結果からセクハラの現状がお分かりいただけたのではないだろうか。次回からは日本最大級の社労士事務所「大槻経営労務管理事務所」の薄井崇仁氏に、『現代のセクハラ』について、その現状や対処法などについて解説してもらう。

調査時期: 2018年8月20日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 女性500名
調査方法: インターネットログイン式アンケート