昔ながらの老舗から新進気鋭のニューウェーブまで、訪れれば"食い倒れ"たくなること必至のグルメ店がひしめく食の都・大阪。2025年の大阪万博を控え、街の魅力も食文化も更なるパワーアップを遂げています。ここでは、出張のビジネスマンを必ずや虜にする、"地元民が教えるホンマにええ店"をお届け!


心斎橋から一駅隣の「長堀橋駅」のすぐ近く。6号出口(※2021年9月30日まで閉鎖中)を出てすぐのところにある細長い建物。こちらが、知る人ぞ知る人気の焼鳥店「ひらぬまん」だ。

  • おまかせ5串盛り合わせ。右から、心、白レバー、ふりそで、せせり、ささ身わさび。内容は変更の場合あり

  • 細長い建物。暖簾はなぜかRAMONES

コンパクトな店内ゆえに、意気投合する客も多い

店名は店主の平沼さんの苗字に"ん"をつけたもので、脱サラして焼鳥店で修業し、4年近く前にこの店を開いた。店内はカウンターのみで、5~6人も入ればお隣さんと肩を触れ合うようなコンパクトさだが、逆に親しみがわき、店で知り合って飲み友達に発展するお客さんも多いそうだ。メニューは焼鳥をはじめ、揚物など一品料理も揃い、サラリーマンの懐に優しいリーズナブルさ。

  • 補助椅子もあり

新鮮な鶏肉はレア状で食べるのが一番!

それでは、肝心の料理をいただきましょう。生ビール(1杯税別450円)はサッポロ黒ラベル。料理が来るまでの間に喉を潤していると、まずは生レバー(1人前税別480円)が。プリプリながら、口の中でとろりと溶けてゆく食感は、新鮮さゆえの証。ごま油と塩で絶妙に味付けされているので、何もかけずとも立派な酒のアテになる。

  • 生レバー。ごま油と塩加減が絶妙

焼鳥はおまかせ5串盛り合わせ(税別850円)で注文。備長炭とラオスの白檀の火力の異なる2種の炭で焼くため、香ばしさもひとしお。炭火焼きのおいしさと鳥取をはじめ国産鶏の旨味を感じるためには塩がおすすめだ。

まずは、心(1本税込180円)。噛むと弾けるような弾力を感じられるが、それでいて柔らかい。少しレア状の焼き加減も上々だ。

  • 心。ぷりっ、ふわっの食感はお見事

続いて白レバー(1本税込180円)。表面に軽く火を通す程度なので、香ばしさの後から絶妙なレア加減のトロリとした食感が押し寄せる。

  • 白レバ。1人で5本、6本と注文する客もいるほど

ふりそで(1本税別180円)、せせり(1本税別180円)は程よい弾力が身の締まり具合を感じさせ、ささ身わさび(1本税別180円)はレアな焼き加減で口の中でとろけるよう。梅肉をつけると旨味も倍増する。

そして極め付けが、うずらの卵(1本税別150円)

  • 名物うずらの卵。これ目当てに来る客も多い

見ての通り生のうずら卵に串を打ち、そのまま炭火でじっくりあぶって中まで火を通す。もちろんそのまま殻ごとかぶりつく。店主曰く「エビフライの尻尾が食べられたら大丈夫」 なるほど。確かに殻の硬さが気になるかと思いきや、しっかりと火が通っているので、しゃりしゃりと音を立てながら口の中で消えてゆく。

締めに最適なタンメン(1人前税別500円)や焼きおにぎり(1人前税別350円)など魅力的なメニューもあるが、思いのほかお腹がいっぱいになったので今回は諦めよう。焼鳥は断然タレ派、卵の殻は食べない派の筆者だが、これまでの常識をくつがえされたような気がする……。大阪にお立ち寄りの際は、ぜひ「ひらぬまん」で焼鳥をアテに一杯いかがだろうか。

●information
「鶏処 ひらぬまん」
大阪府大阪市中央区島之内1-21-27
18~23時30分
日曜日