出張に行くとはめをはずしてネオン街に繰り出す……。そんな諸兄も多いと思うが、見るも無残、散財させられ苦い思い出しか残らないなんてこともざら。そんなモヤモヤした気持ちを残して出張を終えるより、日頃のモヤモヤした悩みを解消して帰る方が有意義なのはもはや語るまでもないだろう。そんな時は「ダイニングバー ダンク」を訪れてみてはいかがだろうか?

  • 角ばった蹄鉄のようなカウンターは、まるで比登美劇場。ボックス席もある

「ダイニングバー ダンク」は、ホワイティ梅田M9出口すぐの場所にあり、ビルの3階まで階段を上ると目に入る「ありがとう」の文字が、なんだか嬉しい気持ちにさせてくれる。そして気持ちも高らかに扉を開けると、店主の井上比登美さんが満面の笑みで出迎えてくれる。

  • 1階に看板あり。階段で3階へ

  • ドアには感謝の気持ちを込めた言葉が

北海道から沖縄まで、日本全国から客が集まる

「ダイニングバー ダンク」は、北海道から沖縄まで全国からさまざまなお客さんが集まる人気店。その秘密は、比登美さんの人生相談のようなトークにある。恋も仕事もさまざまな悩みに対し、時には優しく、時には厳しく、歯に衣着せぬ言葉でアドバイスを送る。まるで"説法"のような話に、日頃のモヤモヤなどどこ吹く風、心も晴れ晴れとした気持ちで送り帰してくれるのだ。店の壁には大きな日本地図が掲示されており、お客さんがやって来た土地にシールをポチッと貼る。日本全国に貼られたシールの数が、その人気ぶりを物語っている。

  • 店主の井上比登美さん。店のコースターは広島カープを心から愛するマスターの似顔絵

  • 大手チェーン店の店舗案内かと思うシールの多さに驚き

トークだけにあらず、マスター渾身の料理も絶品!

そして、「ダイニングバー ダンク」のお目当ては比登美さんのトークだけにあらず。フランスはリヨンで修業したマスター(顔出しNG、尻出しOK)の料理にもファンが多い。まずは一番人気のDANKオリジナルサラダ(レギュラー税抜980円)。写真だとわかりづらいが、え? と驚く大ボリューム。たっぷりの野菜にポテサラやアボカド、生ハムなどがてんこ盛り。野菜は一晩水に浸けて元気にし、注文が通ってからカットするのでシャッキシャキ! 人参をベースにした酵素ドレッシングも絶妙だ。ボリュームをちょっと落とした準レギュラー(税抜780円)もある。

  • 一番人気のDANKオリジナルサラダ(レギュラー税抜980円)

続いて「ぜひ食べてや!」とすすめられたのが、キャベツに乗ったトンペイ焼き(1人前税抜880円)。トンペイとは焼いた豚肉を卵で包み、ソースをかけた大阪のソウルフード。西成出身の比登美さんがイチオシする、西成の地ソース・ヒシ梅ソースが味の決め手だ。卵は倉敷のあっぱれ卵、トンペイの下にはキャベツがぎっしりと敷かれ、野菜もたっぷり摂取できるのだ。

  • ふわふわの卵で、カリッと焼いた豚バラを包んだ、キャベツに乗ったトンペイ焼き

トンペイに舌鼓を打っていると、隣のお客さんのおいしそうな料理が目に入ったので写真を撮らせてと懇願、快諾してくれた上にきっちりとお裾分けまでいただいた。そう、比登美さんを慕って集まるお客さんの朗らかな人柄もこの店の居心地のいいところ。いただいた、名物のカレー土手焼き(1人前税抜650円)は、バゲットにつけて食べると酒が進む進む。

  • どて焼きの味噌の代わりにカレーを入れた、名物のカレー土手焼き

そろそろアルコールもまわって来たので、フランス仕込み!! 悶絶炒飯(1人前税抜1,200円)でしめることに。フランスで修行したマスターが作るのなら、ソースやフォンドボーなどを巧みに使ったさぞかし"おフランス"な炒飯が出てくるのかと思いきや、「バリバリ中華なんか~いっ!」と突っ込みたくなる、パラパラのチャーハンが。どうやらマスターは料理の鉄人で有名な中華の店で修業した経験もあるとか。う~ん。懐が深い…。

  • フランス仕込み!! 悶絶炒飯。プリプリの大きなエビとシャキシャキのレタスが絶妙

おいしい酒と料理がたくさんあって、出張中の寂しい夜をハートフルな夜に変えてくれる、そんな「ダイニングバー ダンク」にぜひどうぞ。ちなみに、ハゲ割もあります(笑)

●information
「ダイニングバー ダンク」
大阪府大阪市北区小松原町1-1 小松原ビル3F
06-6131-1330
18~翌2時(ラスオーダー翌1時30分)
年末年始、お盆