東京2020はさまざまなスポーツをお子さんとともに楽しめるまたとないチャンスです。そこで、子どもの運動能力向上に詳しいスポーツトレーナー・遠山健太が各競技に精通した専門家とともにナビゲート! 全33競技の特徴や魅力を知って、今から東京2020を楽しみましょう。今回は「ビーチバレーボール」! 競技解説は、ビーチバレーボールなどのトレーニング・コンディショニング指導を行う高島公平さんです。

  • 「ビーチバレーボール」の魅力とは?

ビーチバレーボールの特徴

ビーチバレーボールは、元々ビーチレジャーの一つとして楽しまれてきたものです。それが徐々に形を変え、1930年代に現在の2人制のビーチバレーボールが誕生したと言われています。1996年のアトランタオリンピックで正式種目となり、日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では人気のスポーツです。

コートの大きさは室内のバレーボール(片面9m×9m)と比べて少し狭い、片面8m×8mです。ネットの高さは男子が2.43m、女子が2.24mと、室内の場合と同じ高さでプレーします。 風や太陽など自然環境に左右される競技のため、1、2セットは両チームの得点合計が7の倍数となったとき、3セット目は5の倍数となったときにコートチェンジを行います。

コートのすみずみまで見通しつつ、お互いをフォローしながら砂の上で懸命にプレーする2人の姿、自然環境を読み取ってボールをコントロールする選手の動きに、初めてビーチバレーボールを観る方々は驚くはずです。

ビーチバレーボールを観戦するときのポイント

力強いスパイクやブロックでシャットアウトするプレーは言うまでもなく迫力があります。それだけでなく、相手のいない場所やライン際ギリギリを狙ったショットなど巧みなプレーも、ビーチバレーボールの見どころの一つです。また、攻めの場面だけでなく、砂まみれになりながらも必死でボールを拾うレシーブの場面も間違いなく観客を熱く興奮させてくれます。

太陽の光や風の強弱、風向き、突然の降雨など、ビーチバレーは自然環境に大きく影響されます。そのためコートチェンジが頻繁に行われるため、コート上は一定の状態が続くことはありません。その少しの変化で流れが変わり、形勢逆転となることもあります。3回以内に相手コートへ返球しないといけないルールの中で、瞬時に自然環境を読み取り、相手チームの動きや相手コートの状況を把握し、攻めと守りを繰り返していくので一瞬も目を離すことができません。

室内のバレーのコートとあまり変わらない広さに2人しかいないため、選手にはスパイク・レシーブ・トスなどのバレーボールに必要な技術がすべて要求されます。その技術面の高さだけでなく、試合中はチームスタッフが関わることができないため、戦術やタイムアウトをとるタイミングなどを2人で判断し、試合の流れを作っていくことになります。2人がどんなコミュニケーションをとっているのか、そこに注目して観ることも観戦を楽しむポイントだと思います。

東京2020でのチームジャパンの展望

現在、日本代表ペアは男女ともに決定していません。5月に日本代表チーム決定戦が開催され、その大会で優勝したペアが日本代表ペアとして内定を得ます。また、6月に開催予定のコンチネンタルカップでのオリンピック出場枠獲得というチャンスも残っています。

男子ペアは、2016年のリオデジャネイロ五輪で出場を逃し、女子ペアは2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪と、2大会連続で出場を逃しています。男女揃って出場できたのは、初めて正式種目に加わった1996年のアトランタ五輪と2008年の北京五輪の2大会だけです。

近年、日本のペアもワールドツアーへの参加が多くなっており、その中で確実に結果を残しつつあります。実際、アジア選手権2020では女子ペアが銅メダルを獲得しています。東京2020において、男子ペアの目標はベスト8、女子ペアの目標はメダル獲得・入賞としています。この目標に向かって選手たちはさらなるレベルアップのために互いを高め合いながら、代表内定と出場枠獲得のため邁進しています。

日本ではまだまだビーチバレーを観戦したことがない方も多くいると思いますが、東京2020で会場やテレビの前で日本代表ペアを応援して、ビーチバレーボールに興味を持っていただければと思います。

遠山健太からの運動子育てアドバイス

ビーチバレーボールができる環境は限られているので、大人でもなかなか体験できる機会はないでしょう。ただ、夏に海水浴に行くこともあると思いますので、ボールを使って子どもとトスやレシーブの練習をしてみてください。通常の公園で実施するのに比べ、浜風が強い分、ボールがどこへ行くかわからないので難易度が増します。また、砂浜では下半身にかかる負荷が高まり、運動量が増えます。転んだとしても砂の上なので大きなケガにつながらないのも良いところです。海にはぜひボールを持参して、海水浴を楽しんでください。

競技解説:高島公平

理学療法士、JARTA認定トレーナー(SSrank)。とよはしにし整形リハクリニックに所属し、さまざまな世代に対して院内でのリハビリテーション業務に従事している。また、ビーチバレーボール、フットサル、ラクロス、サッカーなどの種目において、JARTA認定トレーナーとして、チームやパーソナルでのトレーニング・コンディショニング指導も行っている。

ナビゲーター:遠山 健太

リトルアスリートクラブ代表。トップアスリートのトレーニングに携わる一方で、ジュニアアスリートの発掘・育成や、子どもの運動教室「リトルアスリートクラブ」のプログラム開発・運営など、子どもの運動能力を育むことに熱心に取り組む。自身、2児の父であり、子どもとともにめぐった公園での運動や子育て経験を生かし、パークマイスター(公園遊びに詳しく、子どもの発育を考えて指導ができるスポーツトレーナー)としても活動している。著書は『スポーツ子育て論』(アスキー新書)、『運動できる子、できない子は6歳までに決まる!』(PHP研究所)、『ママだからできる運動神経がどんどんよくなる子育ての本』(学研プラス)など多数