毎月の収支を手軽に管理できる「家計簿アプリ」。最近はその種類が増え、ユニークなアプリも目立つようになってきました。その中でも、利用者数が日本最大級を誇る「Zaim」は、オーソドックスな機能と独自サービスを兼ねそろえた家計簿アプリとして知られています。今回は、そんなZaimの機能や家計改善への役立て方などについてまとめてみました。

「Zaim」はどんな家計簿アプリ?

ダウンロード数が700万を超えるZaimは、画面や操作性がシンプルながら、豊富な機能を揃えた家計簿アプリです。現金の支出は、手入力できるほか、スマートフォンのカメラからレシートを撮影すれば、購入した品物や金額、お店の情報を自動的に読み取ってくれます。さらに、レシートを撮影したお店の特売情報が表示される、大変便利な機能もあります。

また、現金以外の情報は、銀行口座や証券口座、電子マネー、クレジットカードなどと連携させれば、口座残高や入出金などを自動的に取得してくれます。現金も電子決済もまとめて管理でき、家計の状況は棒グラフや円グラフでわかりやすく表示されますので、節約ポイントを見つけるのに非常に役立つでしょう。家計簿アプリの機能がバランス良く取り入れられているため、現金派やクレジットカード派など使う人を選ぶことなく、また、毎月の家計簿だけにとどまらず資産管理まで行いたい場合にも、便利なアプリです。

「Zaim」ならではのユニークな機能

独自サービスが魅力的なのもZaimの特徴です。たとえば、「わたしの給付金」は、地方自治体の公式情報と連携したもので、住んでいる地域や世帯構成、家計簿の記録から「もらえる可能性がある給付金や手当・控除」を割り出してくれます。給付金や手当は、居住地によって異なるため、把握するのが意外と手間になりますよね。しかし、このサービスを利用すれば、「受給できるはずの給付金を見逃してしまった」という事態を防ぐことができるのです。

ちなみに、「わたしの給付金」は「高齢者」「子育て」など、住んでいる地域の種類別の給付金一覧までは無料で抽出ができます。プロフィールや世帯構成などから、受けられる可能性がある地方自治体の給付金を自動抽出するには、月額300円(税込)の「プレミアム会員」になる必要があります。

また、「わたしの医療費」というサービスも提供されています。この機能は、病院代や、ドラッグストアで買った一般市販薬の中から控除の対象となる代金を抽出し、還付される金額の試算をしてくれるというものです。ここまでは無料で利用できますが、プレミアム会員になると、さらに、確定申告でそのまま使える医療費集計フォームのエクセルファイルを自動取得することができます。

その他にも、加入済み保険の保障を「見える化」し、自分と似たユーザーとの比較ができる「わたしの保険」、返済計画や前倒返済時の節約分が把握できる「わたしのローン」など、マネーライフに役立つさまざまな独自機能があります。

家計改善にどのように役立つか

Zaimには、日々の家計管理に活用できる機能が他にもあります。ひとつ目が、予算を設定できることです。月ごとの総額、あるいはカテゴリ別に予算を決められ、月、週、日など期間ごとに予算残高が表示されます。これなら、自分がどのくらいのペースでお金を使っているかが把握できますし、「今月は洋服を買い過ぎた」「今週は飲み会が多く食費がかさんだので、来週以降気を付けよう」と、カテゴリごとのお金の使い方も振り返ることができます。

もうひとつが、家計の「バランス診断」です。これは、収入やプロフィール、世帯構成、住宅費用等の固定費を設定すると、自分自身に最適な支出バランスを提案してくれる機能です。たとえば、同じくらいの収入だとしても、夫婦共働きで子どもがいる世帯と、独身の世帯では、お金の掛けどころが異なってきます。そうした世帯構成の違いなどを考慮し、現実的で無理のない家計のバランスを提案してくれるのです。ただ節約をするだけではなく、「この項目はもう少しお金をかけても良い」といった発見があれば、より楽しく家計のやりくりができそうですよね。

「Zaim」が向いているのはどんなタイプの人?

多様な機能が揃うZaimですが、では、どのような人に向いているアプリなのでしょうか。Zaimは、様々なサービスがありながら、シンプルさや使いやすさも魅力のひとつ。そのため、「まずはわかりやすいアプリから始めてみたい」という家計簿アプリ初心者に向いていると言えます。また、レシート読み取り機能の精度が高いため、「仕事が忙しいので手入力の暇はないけど、収支管理はしたい」というビジネスパーソンにもオススメです。家族間で家計簿の共有もできるので、共働き家庭の家計管理ツールとして取り入れてもいいですね。

家計の分析だけでなく、給付金や医療費など「お金の制度について知る」ことまでできるのは、Zaimの大きな強みのひとつでしょう。楽しみながらアプリを活用できれば、お金と向き合うことがより身近になりそうですね。ぜひ、Zaimで提供されているサービスを使いこなし、家計管理に役立ててみてください。

筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。