家計の見直しには、まずは、自分がどうお金を使っているか把握することが必要です。今話題の「家計簿アプリ」は、収支を手間なく記録するのに便利なツールですが、自分に合ったアプリを使うことで、さらに家計簿を続けやすくなります。さて、さまざまなタイプの家計簿アプリがある中で、手入力にこだわったシンプルなタイプの代表格が「おカネレコ」です。今回は、家計簿アプリおカネレコの機能などについてまとめてみました。

「おカネレコ」はどんな家計簿アプリ?

現在、たくさんの種類がある家計簿アプリ。最近では、金融機関やクレジットカードなど外部サービスと連携させることにより、口座残高や利用履歴を自動収集する機能など、「手間をかけない」ことに主眼を置いたアプリが多く登場しています。

それとは対照的に、おカネレコは手入力をメインとした家計簿アプリで、情報を自動収集するための登録がなく、ダウンロードしてすぐに使い始めることができます。そのため、個人情報の登録や金融機関との連携はどうしても不安、初期設定が難しくて使いこなせないという人でも、つまずくことはありません。20~40代の女性を中心に支持を集めている家計簿アプリ、というのも納得です。

おカネレコの基本的な使い方は、アプリを起動したら、電卓型の入力画面から金額と項目を入れるだけ。無駄な操作が一切排除されていることで、入力時の煩わしさを感じることがないのは嬉しいポイントでしょう。「家計簿アプリさえ記録が面倒」という理由から続けられなかった人にも好評のアプリとなっています。

「おカネレコ」の独自機能とは

おカネレコは、『手入力』と『続けやすさ』にこだわった工夫がいくつも備わっています。特に、項目の設定を自分が好きなようにカスタマイズできるのは便利な機能です。たとえば、シンプルに「食費」「日用雑貨費」などとしてもいいですし、自分がよく行くお店の名前でカテゴリ分けしたほうが使いやすければ、そのように設定することもできます。

その他にも、自分が使いやすいようにさまざまな設定が可能です。たとえば、週の始まりの曜日や、1カ月の集計締日を好きな日に設定できます。締め日が変更できないと、1カ月の収支を確認するのに不便さを感じることがありますが、おカネレコなら、会社の給料日に合わせて「25日」や「末日」など自分で区切りを付けられますので、非常に便利です。ちなみに、締め日が土日祝日と重なった場合の対応も設定できます。

さらに、指定した期間、毎月指定日に、繰り返しの出費や収入を自動的に追加できる機能もあります。家賃や保険料など、毎月の固定費を設定しておけば入力の手間が省けますね。おカネレコは、「かゆい所に手が届く」サービスの豊富さから、ユーザーへの気配りが感じられる家計簿アプリです。

なお、おカネレコは基本的に無料で使えるアプリですが、1回480円(税込)の課金を行う、またはクラウド会員(月額400円~年額3,000円)になることで、レシート読み取り機能や、データのエクセルファイル出力機能など有料サービスが受けられます。

家計改善にどう活用する?

おカネレコは、手入力での記録を続けることで、家計と向き合う機会が得られるアプリです。また、簡単に入力できる操作性だけでなく、記録した収支をさまざまな形で表示させ、目的に沿った視点から家計の見直しをすることができます。過去の入力を一覧で見られる「リスト」のほか、項目ごとの支出が確認できる「円グラフ」、期間ごとの支出が比較できる「棒グラフ」、そして、一日ごとの支出がわかる「カレンダー」などをアプリが自動で生成してくれるため、自分がどのようにお金を使っているかが一目で判断できます。

自分の資産全体を把握し管理することももちろん大切です。しかし、しっかり貯蓄をして資産を増やしていくためには、支出を分析することが大切な一歩と言えます。おカネレコで支出の記録をつける習慣を身につけたら、データを見直すことで、無駄使いや節約ポイントをしっかり洗い出してみましょう。

「おカネレコ」が向いているタイプはこんな人!

おカネレコは、とにかく頻繁に入力することで、家計簿を習慣づけ、節約意識を高めたいという人に向いているアプリでしょう。自動で家計簿をつけて家計の見直しを重視したいタイプがいる一方、入力がないとアプリを開かなくなってしまい、挫折につながるタイプの人もいるようです。手入力の手間がありながら、無駄な操作を挟まず、記録自体は数秒で終わるのがおカネレコの特徴ですので、「適度に入力があったほうが続く」と感じる人には最適な家計簿アプリなのではないでしょうか。「忙しいので入力に時間をかけたくないけど、難しい設定があるアプリも使いたくない」というサラリーマンにもおすすめです。

何かと「自動」機能が注目されがちな家計簿アプリ。手間がないほど使い勝手が良さそうに思えますが、人によってはそれが家計簿の継続を妨げる要素になることもあります。おカネレコは、アプリとしての利便性もありながら、紙の家計簿の良さも兼ね備えた家計簿アプリといったところでしょうか。家計簿は、まずは続けることが大切です。「他の家計簿は難しい」と感じているならぜひ試してみてください。

筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。