「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第64回のテーマは「嫉妬する人しない人」です。

これまでのお話はこちら

前回から続いての「息子のお父さん差別問題」についてです。

息子が変わらないなら、親のほうが受け止め方を変えてみてはどうだろう……と考えてみました。

パートナーが、息子からの愛情表現を熱烈にされている私に対して、嫉妬しまくる時期がありました。でも、私が努力してどうにかできる問題じゃないことで嫉妬されても、正直困りました。

お父さんが嫉妬するから、私が息子に冷たくするっていうのも、かなり無理があります。そんなことしたくないですし。なので、お父さんが私に嫉妬せず、息子の一挙一動に落胆したりせずに、どーんと構えてくれたらいいんじゃないかな? と思いました。

と言いつつ、こちらの立場からそういうことを言うのも無神経かな~と。もしも、自分が相手の立場だったらどうだろう? と考えてみました。う~ん。寂しいけどまあ、しょうがないな~と思うような気がします。そこで、ふと気が付いたのですが、そもそも私はあまり「嫉妬」しないような気がします。

連載31回「夫婦って面白い」でもパートナーの「僻みっぽさ」について指摘したエピソードがあるのですが、私は僻んだり嫉妬したりあまりしないようなのです。

最近自分の経験を振り返って考えてみたところ、どうも「他人との比較をしない」ということみたいです。たとえば、誰かがとても素敵なものを持っていたり、素敵なところに行ったという話を聞いても「素敵だなあ」と思い、自分も行きたかったら、自分もそれができるように努力すればいい、という考え方をしているな……と気が付きました。

「素敵なもの」とか「欲しいと思うもの」などの、対象と自分との距離や気持ちだけに興味があり、他の人とその対象がどうであれ、「それは自分には関係ない」と思っている。よく言えば、嫉妬心がなくてよいのですが、他人の行動に特に関心がないとも言えるかもしれません。

これに関しては、昔から人間関係、仕事全てに対してそういうところがあり、他人との競争心がモチベーションになるタイプの人からは、どうも「本気で物事に取り組まない」と感じられるらしく、厳しい評価をもらうことがありました。

「自分よりも評価されている人を見て、悔しくないの?」と言われても、自分がどう評価されているかと、他人がどう評価されているかに関係があるとは思わないんですよね。自分は自分で努力して、自分なりに評価されたらいいと思ってしまいます。とはいえ、たとえば他人のアイデアを剽窃するタイプの人が評価されてたら、「なんであんなのが……」などの憤りを感じるとは思いますけども、それは嫉妬とは……違う気持ちかなと思ってます。

なので、たぶん自分が「息子がお父さんばっかり好きで、邪険にされている」という状況になっても、「なぜ邪険にするのだろう」「自分よりもお父さんが好きな理由」などを考えて、自分なりのちょうどいい距離感で付き合うような気がします。

そもそも私は息子のお父さんへの仕打ちは、愛情表現の裏返しだと思っていて、お父さんのことが嫌いなわけでもなんでもないので、大人のほうがアプローチを変えてあげたらいい感じになるのでは……? とついつい、考えてしまいます。なので、パートナーに「あなたも実は他人のことは気にならないタイプなのだから、私との比較をやめてみてはどうだろう」と言ってみました。以前僻みっぽい考え方をしていたのも、指摘したらだいぶ改善したし、いいかなと思ったのですが……。そう簡単にはいきませんでした。

こういうことをパートナーに言うのは、自分が「自責タイプ」で「自分が努力すればいい」と考える傾向が強いからなんですよね。あまり他人を羨んだりしないのも、この考えが基本だからだと思います。

一見、いい考え方のように思うのですが、これをやりすぎると「なんでもかんでも自分のせい」「自分の努力が足りない」となって、物事をどんどん抱え込みます。実際は相手がいたり、対象があることすらも、だんだんその相手を置いてけぼりにしてしまうのです。これはこれで「独りよがり」になりますし、気が付いたら自分が疲弊しきって「喉が渇いてないから私は幸せ!」と言いながら、川の水を飲んでる人みたいになっちゃいます。なので、自分もなるべくそういう思考をやりすぎないようにしています。他人に「こういう考え方をして、努力すればきっと報われるよ」というのも傲慢なんだろうな……と、思って反省しました。

今回の問題でいうと「差をつけて、比較で愛情表現」をやっているのは、あくまでも「息子」なんですよね。そこを無視して、大人だけの対応の問題だと思いすぎるのもよくない。

そして、その問題について「母親」として自分が責任を感じすぎるのもよくないのだろうなと思い、最近は「2人の問題だから、2人で解決して」というスタンスを取ることにしました。息子にも「あんまりヒドイことして、お父さんが怒っても助けないし、間に入らないからね」と言っています。

この問題は、そう簡単に改善しなさそうなのですが、気長に見守っていきたいと思っています。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。