ブームは去ったかのようにも感じる「仮想通貨」ですが、その普及は世界中で着実に進んでおり、今後もさまざまなシーンでの活用が期待されています。本稿では、「仮想通貨に興味はあるけれど、なにからどう手を付ければいいかわからない」というような方向けに、仮想通貨に関連するさまざまな話題をご紹介。仮想通貨を2014年より保有してきた筆者の経験から、なかなか人には聞きにくい仮想通貨の基礎知識や歴史、未来像などもわかりやすくお伝えします。

ブロックチェーンと仮想通貨はますます身近な存在に

本来、「改ざんが極めて難しい画期的な仕組み」として注目されるべきブロックチェーンと、そのブロックチェーンを活用したアプリケーションのひとつである仮想通貨ですが、日本ではまだまだ「なにか難しいもの」「怪しいもの」という印象が強いようです。

「一部の人だけに関係する話で、自分には関係ないこと」と考えている人も多いでしょう。しかし、ブロックチェーンや仮想通貨は、徐々に生活のなかに浸透し、身近な存在になり始めています。

ブロックチェーンがカーライフを変える

自動車にもブロックチェーンの技術は導入され始めています。韓国の自動車メーカー・ヒュンダイモーターは、電気自動車とスマートフォンを接続する仕組みとしてブロックチェーンの活用を目指しているようです。

「改ざんが極めて難しい仕組み」であるブロックチェーンは、不正アクセスを防ぐ意味でも有効な技術でしょう。同社は、ミラーを回転させる、アクセルをかける、ストップする、ブレーキをかける、速度制限、エネルギー活用の効率化機能などでのブロックチェーン活用を目指しています。

また、ゼネラルモーターズとBMWは、ブロックチェーンを活用することで自動運転車両のデータをシェアできる仕組みを検討しているようです。一社だけではなく複数社で運転データを共有し、データを組み合わせた新しい価値を作るという側面で計画が進められています。これが実現すると、ユーザーは走行距離計やメンテナンス状況などを簡単に確認することができるようになります。

将来的には、自動車は単なる移動手段や趣味のものではなく、オンラインにもつながるデバイスとなっていくでしょう。AIやブロックチェーンの導入によってビッグデータが活用され、移動中の過ごし方が変わる。車に乗っていながらにして、仮想通貨などでキャッシュレスに支払いを済ませられる。そんな未来がすぐそこまで来ています。

ブロックチェーンが仲介者不要の太陽光発電・電力売買を可能にする

スウェーデン家具大手・IKEAのリサーチラボ「スペース10」は、ブロックチェーンを活用した太陽光発電・電力売買システムを考案しました。

世界中で温室効果ガス削減の取り組みが進むなか、スペース10は、「ソーラー・ヴィラ」というプロジェクトを立ち上げています。同プロジェクトは、ブロックチェーンを活用して近所の電力売買を透明性のある形で直接行うことを可能にし、仲介者・第三者不要なシステムを実現しようとしています。

スペース10は、「このプロジェクトの概念は、昔でいう自給自足の原理だ。多く田んぼを持ち、隣人が生産する米を買っているため、その地域の米はそこで共有して他から買う必要はない。輸送のためのエネルギーやコスト、商社の介入の必要性もない。同じ原理で、村の一部の人々はより多くの太陽電池パネルを設置することによって、または自世帯での消費エネルギーを削減することによって、過剰なエネルギーを隣人に分配することができる」と語っています。

ブロックチェーンは、エネルギー資源を有効活用するためのエコな分散型取引プラットフォームを実現するでしょう。電力の売買には、仮想通貨が利用される可能性もあります。

アップルウォッチやフェイスブックメッセンジャーアプリで仮想通貨の受け取り・送金が可能に

自動車や電力売買だけでなく、もっと身近なものにもブロックチェーンや仮想通貨は浸透してきています。アップル社の人気商品であるアップルウォッチで、QRコードを利用したビットコインの受け取りが可能になるようです。ビットコインは取引量の増加によって送金スピードが遅くなるという問題を抱えていますが、アップルウォッチで簡単かつスピーディーな受け取りが可能になれば、ビットコインや仮想通貨はより一層身近になるでしょう。

また、フェイスブックが運営するメッセンジャーアプリ「ワッツアップ」で、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)の送金ができるようになりました。今は対応仮想通貨の種類が少ないですが、今後は増えていく可能性があります。仮想通貨の入金・送金、ウォレット機能の利用が可能になるとのことです。

普段利用しているアプリで仮想通貨が使えるようになるのはうれしいですね。今後もさまざまな分野でブロックチェーンや仮想通貨は活用されていくでしょう。

次回は、「仮想通貨は法定通貨を滅ぼすのか?」というテーマについてご紹介します。

執筆者プロフィール : 中島 宏明(なかじま ひろあき)

1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。
現在は、SAKURA United Solutions Group(ベンチャー企業や中小企業の支援家・士業集団)、しごとのプロ出版株式会社で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。


オフィシャルブログも運営中。