今年4月に酒税法が改正され、より多彩なビールを楽しめるようになった。それによって、ますます人気が高まっているのが『クラフトビール』。流行に敏感な人、お酒に造詣が深い人、そしてデキるビジネスマンがこぞって注文している「クラフトビール」の魅力とは何なのか。今回は、「デキる男は『注ぎ方』にこだわる」をテーマに、クラフトビールの醸造所が併設したダイニング「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」の鈴木雄介さんにお話を伺った。

  • 東京・代官山「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」の鈴木雄介さん

ビールは注ぎ方で味が変わる

クラフトビールは、瓶で売られていたり、お店で提供されたりすることも多い。もちろん、屋外などでワイルドにそのままゴクゴクと飲むのもアリだが、お店や自宅ではやはりグラスに注いで飲むのがデキる男の流儀。ということで、ここではプロに教えてもらったクラフトビールの注ぎ方について紹介していきたい。

「え、注ぎ方によって味って変わるの?」と思っている人、きっと多いはず(不覚にも、僕もそう思っていた……)。思い出してほしい。フツ―のチェーン店の居酒屋さんで飲むビールと、高級なバーやダイニングで飲むビールとでは、同じ銘柄であっても「味がぜんぜん違う!」と感じた経験はないだろうか。

鈴木さんは「ビールの注ぎ方次第で味わいが変わります!」と断言。「ビールの苦味は泡に移るため、泡を立てずに注げば液体の苦味がシャープになります。逆に、泡を立てて注ぐと液体の苦味がまろやかになるんですよ」とのこと。そんなカラクリがあったなんて驚きだ。次項では、クラフトビールのオススメの注ぎ方を紹介したい。

注ぎ方1「プロ流クラフトビールの注ぎ方」

まずは、「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」で実践しているクラフトビールの注ぎ方を見ていこう。口広重厚型を使用した場合の注ぎ方がこちら。

1.グラスを水平近くまで傾け、ビールの注ぎ口をグラスに入れ、グラスに流れを沿わせながら泡が立たないように静かに注ぎ込む。
2.グラスの3/4ほどの量を注いだら、ゆっくりとグラスを立てていき、さらにビールを注ぎ込んで完成。

泡を立てずに注いでいくことで、クラフトビールの苦味がシャープに味わえるのが魅力だ。

注ぎ方2「王道の3度注ぎ」

家庭でビールを注ぐときは「3度注ぎ」もオススメとのこと。ドイツやチェコ伝来の注ぎ方で、あえてビールを泡立てながら3回に分けて注ぐのがポイントだ。

1.高めの位置からビールを注ぎ、グラスを泡で一杯にする。そのまま待機。
2.ビールと泡が1:1になったら、泡がグラスから1cm程度盛り上がるまで注ぎ足す。
3.泡がグラスと水平になったら再度ビールを注ぎ足し、泡が2cm程度盛り上がったら完成。

しっかり泡を立てて注ぐことで、クラフトビールの苦味がマイルドになる。

クラフトビールを注ぐときの注意点

ビールと聞くと、ついキンキンに冷えた一杯を飲みたくなるのが心情。しかし、クラフトビールの種類によっては、冷蔵庫から取り出して5分ほど待機してから、常温のグラスに注ぐのがオススメだという。

その理由は「クラフトビールは、とても香りが豊かなビールなのですが、冷やしすぎると香り成分が発揮できず、十分に香りを楽しめなくなってしまいます。同じ冷えた状態でも、キンキンというのは避けるほうがオススメですね」

最終回の次回は、『デキる男は「店」にこだわる』をテーマに、美味なクラフトビールが飲める一軒を紹介したい。