結婚すると、自分ひとりで判断できたこれまでとは違い、お金のことをどう考えたらいいのか戸惑う方も多いのではないでしょうか。

そこで、結婚後のお金の使い方についてマイナビニュース会員約500名を対象にアンケートを実施。結婚歴3年未満の方から30年以上の大先輩まで、新婚時代のお金の使い方について調査をしました。

そこからわかる結婚生活のリアルや、注意しておきたいポイントについて、ファイナンシャルプランナーが解説します。第4回の今回は「結婚後の貯蓄」について考えていきましょう。

■何のために貯蓄する? 目標の決め方を解説

貯蓄は「した方がいいもの」「しなくちゃいけないもの」という漠然とした認識を持っている人も多いのではないでしょうか。けれど、貯蓄目標は具体的な方が達成しやすくなります。

「貯蓄の目標額を決める際、何を想定したか?」というアンケート結果では、「特に考えていなかった」という回答が2位にランクイン。ですが、多くの人はこれからの生活をイメージして、貯蓄額を決めているようです。

  • 貯金の目標額を決める際、何を想定しましたか? あてはまるものをすべてお選びください(複数選択可)

そこで、具体的な目標を立てるためにおすすめしたいのが、「ライフプラン表」をつくることです。手書きでもExcelでも構いません。まずはざっくりでいいので、アウトプットしてみましょう。

横軸に自分たちの年齢を書き、

家は賃貸と持ち家どちらが良いか?
子どもを望むなら何歳くらいか?
転職や起業など働き方を変えたい気持ちはあるか?
何歳まで働くのか?

など、2人で話し合ってみましょう。漠然と話をするよりも、年齢という軸があることで、より具体的にイメージしやすくなります。

ライフプランは計画通りに人生を歩むために作るのではなく、家族で自分たちの理想の未来を共有するためにあります。お互いの理想を理解しやすくするためのツールとして、ぜひ活用してみてください。

■毎月の貯蓄額はどうやって決める?

"何のために"が具体的になったら、毎月の貯蓄額を3STEPで具体的にしていきましょう。

【STEP1】必要なお金を仮決めする

まずはライフプラン表に書きだしたものから、貯蓄が必要なものをピックアップし、必要なお金を仮決めします。

結婚したばかりのタイミングでは、なかなかイメージしづらいのは当然のことです。今の自分たちの暮らしにかかっているお金をベースに、平均データも参考にしながら"仮に"決めることを意識してください。

【STEP2】もらえるお金をチェックする

必要なお金はすべてを自分たちで貯めなくていい場合もあります。

たとえば、老後の生活費を貯める場合、公的年金で受け取れるお金も含めて考えましょう。 ねんきんネットでは、将来の年金受取額を簡単にシミュレーションすることができます。

また、住宅取得や子どもの教育資金など、親からの資金援助を受けられるご家庭もあるかもしれません。すでに貯蓄などで用意している場合も忘れず含めてくださいね。必要なお金のうち、公的制度などでもらえるお金がどれくらいあるかを計算しましょう。

【STEP3】毎月の貯蓄額を計算する

必要なお金から公的制度や親からの援助などで受け取れるお金を差し引くと、必要な貯蓄額がわかります。あとは、必要な時期から逆算し、毎月いくら貯蓄すれば希望する額を貯められるかを計算します。

"何のために"と"いくら"を具体的にすると、貯蓄目標が達成しやすくなりますよ。

■結婚したらまずはコレ! 先取り貯蓄を習慣化

独身時代に先取り貯蓄をしていなかった場合、結婚したらすぐに先取り貯蓄をはじめましょう。

ですが、ライフプラン表を作って、必要な額を計算して、つみたてNISAやiDeCoも勉強して……といったように、貯蓄の仕組みを完璧に作ってから貯蓄をはじめようとすると、あっという間に時間が経ってしまいます。

貯蓄の仕組みを作ることも正しい知識を得ることも、もちろん大切ですが最初から完璧を目指さず、実際に行動しながら完成度を高めていきましょう。

変化が多い時期だからこそ、具体的に目標を設定しながらも柔軟に対応ができるようにしたいですね。

【アンケート概要】
アンケート名:夫婦のお金管理について
調査対象者:マイナビニュース会員の20代~50代の既婚男女
調査期間:2022年2月4日~7日
有効回答数:504