結婚すると、自分ひとりで判断できたこれまでとは違い、お金のことをどう考えたらいいのか戸惑う人も多いのではないでしょうか。

そこで、結婚後のお金の使い方についてマイナビニュース会員約500名を対象にアンケートを実施。結婚歴3年未満の人から30年以上の大先輩まで、新婚時代のお金の使い方について調査をしました。

そこからわかる結婚生活のリアルや、注意しておきたいポイントについて、ファイナンシャルプランナーが解説します。第6回の今回は「公的な制度」について考えていきましょう。

■公的制度を活用できている?

「新婚当時、結婚や新生活スタート時に使える公的な制度を知っていましたか?」と尋ねると、76.4%もの人が「いいえ」と回答。

  • 新婚当時、結婚や新生活スタート時に使える公的な制度を知っていましたか?

私たちの暮らしを守る「公的制度」は、実にさまざまなものがあります。自ら積極的に情報を取りにいかなければ、制度を利用する資格はあるのに、知らずに利用できないということも……。

結婚に限らず、出産や退職といった大きなライフイベントがあるときや、経済的な不安があるときには、まず利用できる公的制度はないかを確認する習慣をつけておきましょう。

■結婚したらもらえるお金「結婚新生活支援事業費補助金」

結婚新生活支援事業費補助金とは、これから夫婦として新生活をスタートさせようとする世帯を対象にしたもの。結婚に伴う新生活のスタートアップにかかる家賃や引っ越し費用などを支援してくれる制度です。

対象は、次の要件を満たす世帯となります。

・夫婦の所得を合わせて400万円未満(世帯収入約540万円未満に相当)(※)
・夫婦ともに婚姻日における年齢が39歳以下の世帯
・その他、お住まいの市区町村が定める要件を満たす世帯
※ 奨学金を返還している世帯は、奨学金の年間返済額を所得から控除

すべての世帯が対象となるわけではありませんが、条件を満たせば、最大60万円の補助金を受け取れます。

ただし、お住まいの自治体が結婚新生活支援事業を行っていない場合もあります。また、自治体によって事業名称や対象世帯、補助上限額等の内容が異なる場合があるので、自身が住んでいる自治体のウェブサイト等で詳細をご確認ください。

■他にもある! 結婚・出産でもらえるお金

●失業給付金

結婚を機に離職をした場合、結婚後も働く意思があるのであれば、受給資格者は雇用保険の失業給付金を受給できます。

自己都合による退職であれば、通常2カ月間の給付制限がありますが、結婚に伴う引っ越し等で離職した場合は、特定理由離職者として給付制限がなくなります。待機期間7日間の後、すぐに受給可能です。

妊娠・出産・育児等の理由で働くことができなくなったときには、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができます。ただし、延長できる期間は最長で3年間となっています。

●出産手当金

出産のために会社を休み、給与の支払いが受けられなかった場合、勤務先の健康保険から出産手当金が支給されます。

出産日以前42日(双子以上の多胎であれば出産日以前98日)から出産の翌日以後56日までの範囲に会社を休んだ健康保険加入者が対象となり、この期間内に会社を休んだ日数分が支給対象となります。標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。

●出産育児一時金

出生児1児につき42万円(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は40.8万)が支給されます。また、多胎児を出産したときは胎児数分だけ、勤務先の健康保険もしくは国民健康保険から支給されます。

●育児休業給付金

雇用保険の被保険者の方が、1歳(両親が取得する場合は1歳2カ月。保育所に入所できないなどの場合には最長2歳)に満たない子を養育するための育児休業をした場合に、一定の要件を満たすと育児休業給付金が支給されます。

支給額は、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6カ月経過後は50%)相当額となります。


どんな公的制度を自分たちが使えるのか知っておくことは、安心にもつながります。難しく感じがちな公的制度ですが、まずはアンテナを張って、情報を集めることからはじめてみてくださいね。

※2022年4月2日時点の情報です

【アンケート概要】
アンケート名:夫婦のお金管理について
調査対象者:マイナビニュース会員の20代~50代の既婚男女
調査期間:2022年2月4日~7日
有効回答数:504