ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第14回は「#シカゴピザ」。

  • 熱々! とろ~り! 「#シカゴピザ」

    「Love&Cheese!!」の「シカゴピザ」(税込2,700円)

アメリカ発! 熱々、とろ~り! のチーズがたっぷり!

「シカゴピザ」とは名前の通り、アメリカのシカゴ周辺で生まれたユニークなピザ。最大の特徴がピザ生地の形で、平らに広がった一般的な生地ではなく、高さがあって深型タルト状の生地。現地ではその風貌から、「Deep dish Pizza/ディープディッシュ(深皿)ピザ」や「Staffed Pizza/スタッフド(詰める)ピザ」とも呼ばれているという。

Instagramで「#シカゴピザ」を検索してみると、なんと42万6,000件も投稿されている(11月現在)。ほとんどが上の写真のように、生地から中のチーズがとろ~りとあふれている画像で、「チーズ好き必見!」「チーズに溺れそう!」「SNSで話題のシカゴピザをようやく食べられた!」と興奮気味なコメントが目立つ。

投稿しているのはほとんど女性で、元来のチーズ好き女子から、インスタ映えする料理を追いかける今どきな女性まで、幅広い年代の女性の間で話題になっているようだ。またお隣・韓国にもシカゴピザの店があるようで、投稿の位置情報に韓国の店を入れているものまであった。もしかしたら世界的にシカゴピザがきているのかもしれない。

他に「meat & cheese Ark新宿東口店」の位置情報を入れているものも多く見られる。「Meat & Cheese ARK」は東京・新宿に2店舗を展開しているシカゴピザの提供店。「ARK Lounge 新宿西口店」の店長・眞子貴弘氏によると、「2017年10月の東口店のオープン以来、新宿で初めてシカゴピザを提供している店だと自負しております」とのこと。

ある日、フォロワー数の多い有名グルメブロガーが来店し、ピザ生地からチーズがとろ~り! と流れ出る様子をSNSに投稿したところ、グルメブロガーが続々と来店するようになり、メディアなどでも取り上げられ、一気にシカゴピザの人気が拡大したのだという。

「シカゴピザの見た目はもちろんですが、アメリカらしく、豪快なボリュームたっぷりの料理なので、撮影後も皆さん楽しくシェアされながら召し上がって盛り上がって行かれます。オープン当初はシカゴピザの認知度が低く、1日6個程度の注文でしたが、今は毎日約30個の注文が入るほどの看板メニューとなりました」とその人気ぶりを話す。

どんどん進化! ! 赤や黒のピザ生地まで登場!

  • 「Meat & Cheese ARK」の「赤生地のシカゴピザ」(税別2,500円)

同店が特に話題になっている理由はその色。赤く色鮮やかな「赤生地のシカゴピザ」が人気なのだ(2店舗で提供)。トマトペーストを生地に練りこみ、発酵に2時間、生地の成形に3時間、合計5時間もかけて作ることで、もちもちとした食感を実現しているのだという。中には、ミートソース、ベシャメルソース(ホワイトソース)、ミックスチーズ、カマンベールチーズが入っており、総重量450gとボリューム満点だ。

  • チーズ以外にミートソースなどもたっぷり使われている

Instagramで検索していると、赤色シカゴピザだけでなく、生地が黒いものまで存在するようだ。他に"変わり系シカゴピザ"としては、ピザ生地の端の部分にローストビーフを円を描くように載せた"肉シカゴピザ"というものまで存在する。「#肉シカゴピザ」の投稿だけで100件以上もあった。色鮮やかなカラフル系から、肉シカゴピザまで登場し、今どんどん進化しているようだ。

関東では他にシュラスコ食べ放題の「梵BONE新宿店」、魚介イタリアンの「Umiバル新宿店」、黒いシカゴピザを提供する東京・渋谷「Untitled」などで提供されているそう。関西では「肉とチーズがうまい店 梅田店」「肉ろばた 肉の寿司 Carne 梅田店」でも提供されているようだ。

地方でもブレイク! 季節限定シカゴピザまで!

一方、名古屋と仙台で展開しているチーズ料理専門店「Love&Cheese!!」のリン・クルー 事業戦略部 企画開発室 室長 土橋英紀氏によると、シカゴピザの人気は関東だけには止まらないという。

「名古屋でシカゴピザが流行りはじめたのは今年の初めぐらいで、弊社では今年3月に店をオープンしました。仙台では今年の夏ぐらいまでシカゴピザを取り扱っているお店自体がなかったので、今年9月に仙台店をオープンして、いま大変好評をいただいているところです」(土橋氏)とのこと。

「ピザからチーズが滝のように流れる!!」と、ムービージェニックなメニューとして、仙台店ではお客の8割が注文し、そのほとんどが動画撮影をしていくという。

「Love&Cheese!!」ではチーズ専門店だからこそ、定番のシカゴピザの中の具材はほとんどチーズのみにしているが、名古屋店では12月1日から冬のシカゴピザとして具だくさんな「牡蠣とほうれん草のシカゴピザ」(税込2,860円)も提供する(2月末まで)。

  • 「Love&Cheese!!名古屋店」の「牡蠣とほうれん草のシカゴピザ」(税込2,860円)

牡蠣やほうれん草など具だくさんながら、やはりカットするとチーズが外に流れ出てくる。このような具だくさん系のシカゴピザも少なくないようで、Instagramをのぞいてみると、サラダ系ピザのようにフレッシュな野菜がのっているものまで発見できた。カレー味のスパイシー・シカゴピザまであるようだ。

ここ数年、冬になるとチーズトレンドがやってくる。チーズ鍋、チースフォンデュ、チーズダッカルビ、肉にかけるラクレットチーズ、そして今年の本命はシカゴピザ! お客の目の前でカットすることで、チーズがとろ~り! と外に流れ出る様子や、ピザを持ち上げてチーズがのび~る様子を楽しむ新しいエンターテイメント料理。ぜひ今冬に仲間と試してみてはいかがだろうか?