歴史的な一年が終わり、新しい年が始まりました。2020年は、一年の世相を漢字一字で表現する「今年の漢字」に「密」が選ばれるなど、新型コロナウイルスの猛威がとにかく印象に残る一年でした。

そんな新型コロナウイルスの存在は、ビジネスの世界にもさまざまな変化をもたらしました。テレワークの普及もその一つです。政府が全都道府県に緊急事態宣言を発令した2020年4月以降、実際にテレワークを経験した人が急速に増えました。読者の中にもテレワーク元年となった方が多いのではないでしょうか。

働き方にも大きな変化が生まれました。テレワーク以外にも、人との接触機会を減らすことや、ソーシャルディスタンスを保つことなど「新しい生活様式」が求められています。対面コミュニケーションの機会が減り、デジタルツールを活用したオンライン会議、そしてビジネスメールがより一層、活躍の場を広げています。

2021年はビジネスメールのコミュニケーション能力アップで、ライバルに差をつけましょう。本コラムでは、「新しい生活様式」のもとで成果を出すためのメールの使い方をお伝えします。

多くの企業で求められる「コミュニケーション能力」

ビジネスで特に重要度が高いと捉えられている能力。それが「コミュニケーション能力」です。実際、一般社団法人日本経済団体連合会が2018年11月に発表した「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」では、選考にあたって特に重視した点として「コミュニケーション能力」が16年連続で1位となっています。

「コミュニケーション能力」には、大きく以下の2つの要素があります。

  • 伝える力
  • 聞く力

伝える力とは、自分が伝えたいことを相手に「正確に」、「誤解なく」伝える能力です。伝言ゲームのように単に相手に用件を伝えるだけでは、ビジネスでは不十分。伝えた後の成果こそが求められますので、より「効果的に」伝えるスキルも必要です。

聞く力も、単に相手が発信した情報を受け取るだけでは同じく不十分。そこから相手が伝えたい真意や意図を理解するスキルが求められるのです。それでは、なぜこんなにも「コミュニケーション能力」が求められるのでしょうか。

コミュニケーションを取るには、何らかの目的があります。例えば「報連相」という言葉もあるように、ビジネスを円滑に進める上で報告・連絡・相談は不可欠。さらに、依頼や指示、ときには説得、命令など、相手を動かすことによって仕事を前に進めることもあります。

また、コミュニケーションには人間関係構築の目的もあります。良好な人間関係を築くために、エチケットやマナーは欠かせません。初対面の人であれば、挨拶から始まり、徐々に関係を深めていきます。知り合いや社内の方であれば、ちょっとした雑談によって距離を縮めていくということもありますよね。

これらは、ほんの一例です。コミュニケーションはビジネスで成果を出すために、実に多くの役割を担っています。だからこそ、多くの企業で「コミュニケーション能力」が求められるのです。

非対面でコミュニケーションが高難度に

「新しい生活様式」によって、コミュニケーションの難度は高くなりました。対面コミュニケーションでは、さまざまな非言語コミュニケーションが「伝える」と「聞く」、この2つの能力を補完してくれていました。話し手は相手の反応を見ることで「正確に」「効果的に」伝わっているのかが感じられ、聞き手は相手の表情や声のトーンからその意図をうかがうこともできました。

非対面が多くなり「顔を見れば分かる」「行動を見れば分かる」といった機会が減ったことで、「報連相」の難度も高くなりました。人間関係を構築する上で大切なエチケットやマナーも言葉で表現する必要がありますし、これからはメールで雑談をするといったスキルも必要とされる時代なのかもしれません。だからこそ、ビジネスメールのスキルを高めることに大きな価値があります。

基本を学ぶことが、ビジネスメール向上の第一歩

挨拶や名刺交換に始まる対面コミュニケーションのマナーについては、多くの方が学んだ記憶があると思います。電話応対についても、初めはどなたかに教わったのではないでしょうか。

ところがビジネスメールについては、実は学んだことがないという方が大半です。一般社団法人日本ビジネスメール協会が2020年6月に発表した「ビジネスメール実態調査2020」の結果を見ても、会社でビジネスメールの研修がある企業は1割未満だと分かります。

  • 会社でビジネスメールの研修がある企業は1割未満

基本を学んだ対面コミュニケーションであれば、それを繰り返し行うことでも、少なからず能力の向上が期待できます。プレゼンや商談であれば、トレーニングの一環としてロールプレイングを実施している企業もあるでしょう。いわゆる量稽古によって鍛えることができるのです。

一方、ビジネスメールは違います。そもそも学んでいない、自己流で書いているという方が圧倒的。届いたメールを見れば、それを書いたのが教育を受けた人か、受けていない人かはすぐに分かります。基本を理解していなければ、どれだけ量稽古を重ねても、その能力が向上することはありません。むしろ増えていくメールの処理に追われ、それがストレスの要因にもなるでしょう。

まずは基本を学ぶことが第一歩です。年齢もキャリアも関係ありません。多くの方が自己流のメールを書いている中で、メールを学ぶことがライバルに差をつけることにつながります。増え続けるメールにも効率的に対応できれば、残業時間の削減も期待できるなど、ビジネスメールを学ぶメリットは数多くあります。

新型コロナウイルスの影響により、テレワークの普及、そしてコミュニケーションの非対面化が急速に進みました。これは決して一時的な動きではありません。働き方改革にも影響を及ぼし、この流れは今後も加速すると予想されます。

ビジネスメールを使って円滑なコミュニケーションを取る。この能力は、今後ますます大きな武器となり得ます。急速なビジネス環境の変化に準備不足の方も多い今、1日でも早くビジネスメールを学ぶことが、今後の成果に必ずや良い影響をもたらしてくれるでしょう。

読者の皆さんにとって、2021年が「コミュニケーション能力」向上の一年となりますことを願っております。