秋冬の食卓に欠かせない鍋料理。シーンを長年牽引し続けるミツカンが10月31日、本社を構える愛知県半田市で新企画「MIM食堂」を初開催した。なんと、わずか100円で新作の鍋つゆを使ったメニュー3品を食べ比べできるという。ほほう。

ということでさっそく、食欲に駆られるがままに会場を訪問。全メニューを実食しつつ、開発の裏側にも迫ってみた!

オープン前から行列! ミツカン「MIM食堂」開催

愛知県半田市のミツカン本社で開催された「MIM食堂 ~〆鍋編~ in ミツカン本社」。2026年秋冬の「〆鍋」新商品3品を一度に体験できる試食企画で、「白菜のゆず塩鍋」、「じゃがバターラーメン」、「つゆだく丼」の3品が提供された。この3品すべてを楽しめる試食チケットセット、そのお値段は破格の「100円」なり!

オープン前から行列ができる大盛況ぶりで、会場では試食のほか、食べ比べた後にお気に入りの一杯へ投票できるコーナーや、開発者と直接言葉を交わせるブースなども設けられていた。

そもそも、なぜミツカンがこのような体験型の食堂を立ち上げたのか。仕掛け人のひとりであるミツカンミュージアム(MIM)の植月さんに話を伺った。

「私たちは普段、MIMでお客様をご案内していますが、これまでは館内の設備上、試飲用ドリンクの提供にとどまっていたんです。でも、食品メーカーの博物館ということもあり、『せっかくなら試食をしてみたい』『食べるコンテンツが欲しい』というご要望をたくさんいただいていました。そこで今回は社員食堂を利用し、新商品の味わいを直接体験していただける場として『MIM食堂』を立ち上げたんです」(植月さん)

  • ミツカンミュージアムの植月さん

    ミツカンミュージアムの植月さん

初日の大反響について植月さんに尋ねてみると……。

「初めての試みだったので、全然お客さんが来なかったらどうしよう……という不安もありました(笑)。でも、事前のSNSでの告知も10万回近く表示され、保存数も1000件を超えるなど桁違いの反響があって。早い方だと開場の1時間前から並んでくださっていました。スーパーで買う前に味を試せるという点が、お客様に響いたのかもしれません」(植月さん)

提供スタイルにも工夫が凝らされている。「最初は王道に鍋3品でいく案もありましたが、それだと飽きちゃうかなと。ラーメンや丼など趣向を変えることで、鍋つゆの幅広いポテンシャルを楽しんでもらえる仕立てにしました」と植月さん。「これをきっかけに〆鍋シリーズを好きになっていただきつつ、ぜひMIMにも足を運んでミツカンのファンになっていただけたら嬉しいですね」と語った。

100円のボリュームじゃない! 新作鍋つゆを使った3品を食べ比べてみた

ここでいよいよ実食へ。いざ、実物を前にしてみると……

すごいボリューム! これが本当に100円でいいのだろうか。

こちらは「白菜のゆず塩鍋(〆まで美味しい ゆず塩鍋つゆ ストレート)」。器にちょっと顔を近づけただけでも、フレッシュなゆずの香りが広がる!

スープをひと口すすると、魚介だしのじんわりとした旨みと、上品な柑橘の清涼感が口いっぱいに押し寄せてくる。鶏肉ももちろん美味しいが、白菜やネギがウマい! 野菜はどれもつゆをたっぷり吸っており、噛んだ瞬間にゆずの風味と出汁の旨味がジュワッと溢れ出す。酸味が立ちすぎず、だしの深みとのバランスが絶妙で、いくらでも食べられそうだ……!

続いて、「じゃがバターラーメン(〆まで美味しい 鶏うま塩鍋つゆ ストレート)」。具材にはコーンやじゃがいも、そしてバターまでトッピングされている。ひと口すすってみると……

ウマッ……!! 鶏の旨みが凝縮された塩スープに、溶け出したバターの濃厚なコクが合わさり、箸が止まらない! ベースの鶏だしがどっしりしているため、中華麺やじゃがいもとも相性抜群。炭水化物と組み合わさることで、満足感も一気に跳ね上がる!

最後は、「つゆだく丼(〆鍋 お肉がウマい コクうま牛だし醤油鍋つゆ)」。甘辛い醤油ベースのつゆが、ご飯にたっぷりとかけられている。

実際に食べてみると、コクのある牛だしが肉の旨みと絡み合って激ウマ! 牛丼を彷彿とさせる、旨味たっぷりの味わいで、つゆを吸ったご飯がたまらなくウマい……。これはきっと、子どもから大人まで幅広く満足できる味わいだろう。野菜もたくさん摂れてこんなにおいしいって、文句のつけようがないじゃん!

会場の投票コーナーでも特に多くの票を集め、来場者を唸らせていたのが「ゆず塩鍋」だ。実はこの商品、ミツカンが16年前から商品化を目指していた悲願の逸品だという。開発を担当した水口さんに、その裏側を聞いてみた。

「ゆず塩鍋は市場でも需要が高く、社内でも16年前からずっとやりたいという思いがありました。ただ、歴代の担当者がことごとく壁にぶつかり、挫折してきた歴史があるんです。やはりフレッシュで軽い香りをレトルトに残すのは本当に難しくて。レトルト殺菌時の熱で飛んでしまったり、鍋で煮込む間に飛んでしまったり……。

一番厄介だったのが、パウチ内側のフィルムにゆずの香り成分が吸着してしまうことでした。これはもう物理現象で、香りを10倍入れても全部フィルムに吸収されてしまうんです」(水口さん)

  • 「ゆず塩鍋」が一番人気となり、嬉しそうな水口さん。来場者からも、おいしさを絶賛する声や開発へのエールが寄せられたそう

    「ゆず塩鍋」が一番人気となり、嬉しそうな水口さん。来場者からも、おいしさを絶賛する声や開発へのエールが寄せられたそう

柑橘特有の現象に苦戦しながらも研究を重ね、今年ついに商品化へと漕ぎつけた。

「ゆずの香りを立たせるだけでなく、ベースには鰹や宗田鰹、鯖などの魚介出汁をしっかり効かせています。ただ、出汁が強すぎるとゆずが隠れてしまうので、0.001%単位で原料を微調整し、酸っぱすぎず、家族みんなで最後まで食べ飽きないベストなバランスを追求しました」(水口さん)

家庭で楽しむ際のおすすめ具材については、「あっさりした鶏肉はもちろんですが、実は豚肉もおすすめです。豚バラの脂っこさをゆずがさっぱり落としてくれるので、いくらでも食べられます。変わり種なら、レタスやモッツァレラチーズをくぐらせて豚肉で巻くしゃぶしゃぶ風も美味しいですよ」と解説。「〆はうどんやお茶漬けのほか、パスタにするのもおすすめです」と話してくれた。

会場で試食を楽しんでいた来場者にも話を聞いてみた。地元・愛知県内から訪れていたファミリーは、「お出かけアプリでイベントを見つけて、ドライブがてら来ました。300食限定と聞いていたので間に合うか心配でしたが、食べられてよかったです」と笑顔を浮かべる。

「ゆず塩鍋はできたての熱々で、ゆずの香りとだしの味がしっかり効いていてすごく美味しかったですね。ラーメンもバターが効いていて子どもが大喜びでした。家でもぜひ試してみたいです」(来場者)

6歳のお子さんは「ラーメンが美味しかった!」と元気よく感想を口にした。生後10カ月の赤ちゃんが美味しそうに頬張り続ける姿も印象的だった。ふたりともすごい食欲!

「MIM食堂 ~〆鍋編~ in ミツカン本社」は、初回を含め計4回開催予定。今後は11月7日、12月19日、2027年1月16日に開催される。各日11時30分~14時30分(最終入場14時)、事前予約不要。試食チケットは各日の予定数に達し次第、販売を終了する。

これからの寒い季節、ぜひ足を運んで開発陣の熱意が詰まった至高の一杯を味わってみてほしい。