Netflix映画『余命一年、男をかう』(11月5日より世界独占配信スタート)の配信直前プレミア試写会イベントが4日に都内で開催され、柴咲コウ、赤楚衛二、風間太樹監督、岡田惠和氏が登壇した。
柴咲コウ、演じた片倉唯に「共感しかなかった」
本作で柴咲が演じるのは、節約とキルト作りが趣味で、老後のためにコツコツと貯金や投資をしてきた片倉唯。ある日、がん検診で余命一年を宣告された唯は、ひょんなことからピンク髪のホスト・瀬名(赤楚衛二)と出会う。父の入院費用に困っていた瀬名がたまたま病院のロビーで見かけた唯に、お金を貸してくれないかと持ちかけたことで、普段出会わないような2人が交差して、新たな扉が開いていく。
イベントで、唯というキャラクターについて聞かれた柴咲は、「パブリックイメージというか、こういうふうに登壇させていただいて挨拶をしている柴咲コウのイメージとは、もしかしたら違うキャラクターなのかもしれないんですけど、私自身はすごく共感しかなかったというか」と話す。
続けて、「やっぱりその生活のちょっとしたことを楽しみながら、でもどこか世の中に対しての漠然とした諦めみたいなのがあったりとか。ちょっと人と距離を置いているところとか、自分の時間を楽しんでいる人みたいな、孤独が好きなところとか、結構共感ばっかりだなと思っていて」と説明。
さらに、「当然こういうふうにきらびやかな時間ばかりではなくて、いろいろものづくりをしている裏側で地道な作業だったり、人にはなかなか見せないような汗水垂らしてコツコツとやるみたいなことも積み重ねてたりもするので、自分的にはすごく自分のリアルな部分と重なるところが多いなと思いました」と、自身との共通点を語った。
また、原作では地味な地方の事務員という設定だったことに触れられると、「私にその要素がそもそもあると思うし、普段本当に何も気にせず、すっぴんで髪もボソボソで歩いてますけど、なんなら唯のほうがちゃんときれいにしてるんじゃないかぐらいなんですけど」といい、「だからそういう自分の中にはあるんですよ、もともと持っている。それが拡大していくっていうような感じがありましたね」と、役へのアプローチを振り返った。
柴咲コウ、風間太樹監督の演出で日常生活への向き合い方に変化
岡田氏の脚本や風間監督の演出について聞かれると、柴咲は「まさにそのト書きの部分というか、セリフではない部分で、日常生活の細やかな、ご飯を作っている手元だったり、お弁当にご飯を詰めているとか、そういうのを細かく切り取ってくれたんだけど」と話し、「そこに揺らめきというか、心の機微が入っていて、何にもない、何も語ってないんだけど、勝手に考えちゃうみたいな。自分の人生観みたいなものも湧き上がってきちゃったり。日常っていうものに対しての捉え方とか、いっぱい学んだなと思いました」としみじみ。
そして、「なんならちょっと生まれ変わったかも、みたいな。この作品を撮るまでとは明らかに、日常生活に対する自分の態度が、イコールそれって自分をどう感じているか、自分をどう愛しているかだと思うんですけど、すごく変わったなと思いました」と打ち明けた。
柴咲コウ、風間太樹監督との撮影を振り返る
また、今回初めてタッグを組んだ風間監督との撮影についてもトークが展開。風間監督は、柴咲とのコミュニケーションについて、物語の進行とともに唯が心を開いていく過程を、自身も体験しているようだったと説明する。柴咲に対して、役の感情について問いかけた際、「持ってるかもしれないけど、まだ見せないよね」と返されたことも明かした。
これを受け、柴咲は「その誘導には乗らないぞ、みたいな(笑)」とイタズラっぽく笑い、「確かに普通、監督だったら全部を知った上で、このキャラクターもめちゃくちゃ深掘りして、それでスタートって言って本番に臨むかと思うんですけど、そこをあえて、そこまでほじくられなかったんですよ、最初はね。で、徐々に徐々に、みたいなところを感じました」と振り返った。
柴咲コウ、『余命一年、男をかう』との出会いで生活に変化
最後の挨拶で、柴咲は「人と交わることによって変わるのが嫌な唯だったわけですよ。だからそこの部分、頑なに自分の美学を貫いてきて、なるべく周りにも迷惑かけずに。余命宣告を受けて、もうちょっと終わらせるか、みたいなところまで行ったんだけど、出会ってしまい、揺り動かされ、変化していくっていう。そこは自分も身につまされる思いがあった」と回顧。
また、作品の映像についても「ポップなんですけどね。本当に彩りも、風間監督のこだわりもあって、すごく素敵なカラーリングで、唯のお部屋の中も街並みも魅力的なんだけど、それがちょっぴり切なく感じる時もあって」と自身の印象を語った。
続けて、「ちょっとマスコミの皆さんがいる前であんまり言いたくないんですけど(笑)」と前置きしながら、「多分私、昨年自分をセルフネグレクトしてたなと思うんですよ。ちょっとしたところに出るんですけど、なんか面倒くさいなとか、自分のご飯作るのもいいや、なんでも、みたいなのが結構続いてた」と打ち明ける。
しかし、「本当にこの作品に出会ったことによってちょっとそこが見直されたし、自分をもうちょっと愛してもいいかなって思って」と、自身の変化を明かし、「本当に今は自炊もできてて、この作品のおかげだなと思っているので。あとは本当に美味しいご飯のシーンがあるので、多分お腹が空くと思います」と笑顔で作品をアピールした。
Netflix映画『余命一年、男をかう』ストーリー
節約が趣味の独身女性・片倉唯(柴咲コウ)、40歳。恋愛、結婚はコスパが悪いのでパスして生きてきた。しかし、無料で受けたがん検診で、余命宣告を受ける。余命、あと一年。唯の胸に湧いたのは恐怖ではなく、不思議な解放感――「死ぬのなら、もう節約なんて必要ない」。
そんな唯の前に現れたワケありピンク頭のホスト・瀬名(赤楚衛二)。「お金、貸してくんないかな?」。突然の申し出に、72万円で瀬名を“買う”ことに。唯にとって人生初の“無駄遣い”の冒険が始まる。



