授賞式後、マイナビニュースの取材に応じた島村氏は、プレスリリース配信の舞台裏を明かした。
エクシングでは毎年この時期、カラオケの新しい楽しみ方を提案するプレスリリースを発信。前年は楽曲のサビだけを歌える「サビカラ」を切り口にしてテレビ局から多数の問い合わせが寄せられたため、今回は別の角度から話題を作ろうと考えたという。
そこで注目したのが、短時間で歌えるサウンドロゴだった。
島村氏は、ランキング表を確認した際、名だたる有名アーティストの中に「伯方の塩」が並んでいることに「1位ではないけど、バズの卵だと感じました」と面白さを察知し、寺本氏にリリースの発信を提案した。
その判断は的中し、配信直後からテレビ局からの問い合わせが相次ぐことに。さらに、単に情報番組で紹介されるだけではなく、バラエティ番組で出演者が実際に「伯方の塩」の採点に挑戦。スタジオにカラオケ機器を持ち込み、歌ってもらう企画にも発展した。
知らない世代でもすぐ歌えることが生んだ波及効果
企業の社員たちが、自社のサウンドロゴに込めた想いを歌とパフォーマンスで表現するエクシング主催「サウンドロゴカラオケAWARD」の第1回大会では、20の企業・団体がエントリーしたが、数あるサウンドロゴの中で、なぜ「伯方の塩」がこれほどまでに支持されたのか。
寺本氏は、伯方塩業が長年にわたって大切に使い続けてきたサウンドロゴそのものの力を挙げる。短くても耳に残り、最初に音を聴けば誰でも歌えるという親しみやすさが、大きな強みになったと分析する。
さらに、もう一つの意外な理由として挙げたのが、カラオケ採点で高得点を出す難しさだ。
「難易度がすごく高くて、そこがまずカラオケのヘビーユーザーにすごく刺さった部分かなと思っています」と寺本氏。何度も高得点に挑戦したくなることが繰り返しの歌唱につながり、口コミで広がっていったという。
実際、寺本氏自身の最高得点は「68点ぐらい」。一見すると誰でも簡単に歌えそうな短いサウンドロゴだが、採点のアルゴリズムとの相性もあり、思うように得点が伸びないことが人気を後押ししたようだ。
「伯方の塩」の人気は、カラオケのヘビーユーザーだけにとどまらない。
島村氏の子どもは「伯方の塩」のCMを直接見たことがない世代だが、今回の取り組みからテレビ番組で紹介されたことをきっかけに口ずさむようになり、カラオケに行きたがるようになったという。
「今までカラオケに縁がない方や、お子さん、ヘビーではないライトユーザーの方がカラオケに足を運ぶきっかけになっている」(島村氏)と、これまでとは異なる層への波及効果を実感している。
一方、寺本氏が特に印象的だったと話すのが、スナックなどの店舗での活用だ。一定以上の点数を出した客にボトルをプレゼントするなど、「伯方の塩」を店舗の販促企画に取り入れるケースも生まれている。
「何度もお客様がチャレンジされていると聞きますので、それはまた新しい楽しみ方として定着しているのかなと思います」(寺本氏)と、歌唱回数の増加にとどまらない効果に期待を寄せた。
第2回大会には32社・団体が参戦
こうした反響を受け、2年目となる「サウンドロゴカラオケAWARD 2027」には、前回の最終参加20社を大きく上回る32社・団体がエントリーした。
寺本氏は、初回はどのような結果になるか分からない中で賛同した企業が多かったのに対し、今回は各社がブランディング施策としての効果を意識して参加していると説明。「企業様のほうで同じようにプレスリリースなどの情報発信もすごくしていただいている」と、参加企業が主体的に盛り上げる動きが広がっている。
次回は決勝ステージの会場も大きくなる予定で、寺本氏は「前回よりもちょっと大きなムーブメントがさらに起きるんじゃないかなと思います」と期待を寄せた。


