生成AIでテレビ番組の面白さを高めながら、低予算・短時間・少人数での制作を目指す――フジテレビがAIセンター、制作、技術・美術部門の連携による新たな実験に乗り出した。その成果として、31日に放送されるバラエティ特番『話シネマ』(15:30~)では、社員ディレクターが自ら生成AIを駆使し、山里亮太らのエピソードトークを映像化する。

  • (左から)加納、渡辺銀次、山里亮太、ちぇく田

    (左から)加納、渡辺銀次、山里亮太、ちぇく田

社員ディレクターが生成AIを駆使して映像制作

今回の番組は、出演者のエピソードトークをAI生成動画で可視化するという実験的なトークバラエティ。「もっと新しいコンテンツの作り方はないか?」をテーマに、フジテレビの各部署が連携して制作する実験プロジェクトだ。

面白さとクオリティーを落とさず、むしろ高めることを目指し、AIをはじめとする最新技術とスタッフの知恵を結集して、低予算・短時間・少人数での番組制作に挑戦した。

発案したのは、フジテレビのAIセンター。制作部門の第3スタジオ、技術・美術部門のテックアートデザイン局とタッグを組み、部署の垣根を越えて制作が行われた。

番組内で使用される映像の多くは、社員ディレクターが自ら動画生成AIを駆使して制作。従来の撮影手法では表現が難しかったシーンにも挑戦し、実写ドラマにも引けを取らない映像クオリティーを目指した。

さらに、最新のバーチャルプロダクションを活用した美術演出や、可能な限りのスタジオ技術の無人化など、様々な制作工程の効率化にも挑戦。そこで生まれた時間やリソースを、番組内容をより面白くするための演出に還元しているという。

フジテレビでは今回の取り組みを「未来の新しいテレビ番組・コンテンツの作り方の一案」と位置づけ、成功例や課題を今後の番組制作に向けた知見として蓄積していく方針だ。

山里亮太らのエピソードトークをAIで映像化

そんな制作体制で挑む『話シネマ』。出演者のエピソードトークを可視化したAI生成動画では、話者の語りに合わせて物語が展開し、景色や色合い、登場人物の表情までリアルに再現することで、まるで話し手の頭の中をのぞいているかのような没入体験を生み出す。

出演するのは、山里亮太(南海キャンディーズ)、加納(Aマッソ)、渡辺銀次(ドンデコルテ)、ちぇく田の4人。それぞれが“AIで映像化したらより面白そうな話”を持ち寄り、自慢のエピソードを披露する。

山里が語るのは、ある番組の収録中、霊媒師・イタコによって引き起こされた予想外の出来事。AI映像によって当時の状況が鮮明によみがえり、スタジオが騒然となる。

加納は若手時代に先輩から叱られた際、相方が起こした衝撃の珍事件を紹介。ちぇく田は母親との思い出を語り、AIが再現した母親の姿が驚くほど本人そっくりで、一同を驚かせる。さらに、ちぇく田自身も“AI映え”することが判明し、山里から「無課金だよね?」とイジられる一幕も。

また、渡辺は少年時代に出会った“遅刻常習犯のお坊さん”との忘れられないエピソードを披露。AIによって再現されたクセの強すぎるキャラクターに、スタジオは大盛り上がりとなる。

トークの面白さをAIによってどこまで高められるのか。そして、テレビ番組の制作工程をどこまで変えられるのか。フジテレビが部署横断で挑む“未来のテレビ”への実験に注目だ。

【編集部MEMO】
山里亮太
1977年4月14日生まれ、千葉県出身。1999年にNSC大阪校22期生として入学。2003年、しずちゃん(山崎静代)とお笑いコンビ・南海キャンディーズを結成し、ツッコミを担当。2004年の『M-1グランプリ』で準優勝を果たし、注目を集める。独特の言葉選びと鋭いツッコミを武器に、バラエティ番組のMCやラジオパーソナリティなど幅広く活躍している。

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