「僕の話があるから、1リスナーとして聞いて欲しい」――。17歳の息子からそう告げられた母親は、その夜、一人でラジオを聴いた。そこで初めて知ったのは、息子が誰にも言えずに抱えていた恋の悩みだった。17日に放送されたTOKYO FMのラジオ番組『福山雅治 福のラジオ』(毎週土曜14:00~14:55)で、以前番組に恋愛相談を寄せた男子高校生の母親から届いたメールが紹介された。
17歳息子の恋愛相談をラジオで初めて知った母親
番組中盤、愛知県の女性リスナーから届いたメールが紹介された。女性は、以前放送された10代リスナーの恋愛相談について、「取り上げられた男子高校生、息子でした」と明かした。
その男子高校生は、5月に好きな人ができ、共通の趣味について話すようになったものの、次第に距離を感じるようになったという。初めて一緒に下校した日に勇気を出して長期休暇の予定を尋ねたところ、どの日も空いていないと返事があり、福山に相談を寄せていた。
しかし、母親は息子が恋をしていたことはもちろん、悩みを抱えていたことも知らなかった。
「恋愛相談をしていたことも、淡い恋心を抱きながらうまくいかず悩んでいることも全く知りませんでした」
母親からの思いがけない報告に、福山は「ちょっと待ってよ」と反応。息子の気持ちを想像して「すごく恥ずかしいんだけど」と笑い、「母ちゃんに全部知られたっていう感じが」と、男子高校生の立場になって照れくさそうに話した。
「何も言わず聞いてほしい」息子から突然のお願い
母親によると、息子が番組にメールを送っていたことを知ったのは、放送後のことだった。
ある日、息子から「先週の『福のラジオ』聴いた?」と尋ねられ、まだ聴いていないと答えると、「僕の話があるから、1リスナーとして聴いて欲しい」と言われたという。
母親がどんな内容なのか尋ねても、息子は詳しく説明しようとしなかった。
「いろんな悩みは友達に聞いてもらっていいから、こじらせたりしてないし、自分で何とかしているから大丈夫。何も言わず聞いてほしい」
そんな息子の言葉を受け、母親はその日の夜、一人で放送を聴いた。
そこには、家では話していなかった息子の恋愛事情があった。好きな人との距離を縮めようとしたこと、思うようにいかなかったこと、福山に悩みを打ち明けていたこと。母親にとっては、初めて知る息子の姿だった。
「その日の夜私は1人で聞きました。聞いてみて、なかなか眠れませんでした」
母親の言葉に、福山も「お母さん戸惑うよ」「そうでしょう」と理解を示した。
ラジオを聴いた夜から思い返した息子の変化
放送を聴いた母親は、それまでの息子との何気ない会話を思い返した。新学期には、好きなことを共有できる子がいてうれしいと話していた息子。しかし、いつの間にか、その話題を口にしなくなっていたという。
また、夏には、街で見かける高校生が恋人と祭りに出かけている一方、自分は課題やサッカーに追われて夏休みが終わってしまったと、寂しそうに話していたこともあった。当時は何気なく聞いていた言葉が、ラジオを通じて息子の恋心を知ったことで、違う意味を持って思い出されたのかもしれない。
そして母親は、福山に相談してからの息子について、ある変化を伝えた。
「でも福山さんに話を聞いてもらった後から、息子の様子が変わり、朝の『行ってきます』の声が元気です」
息子がどのような気持ちの整理をつけたのかは分からない。それでも母親には、毎朝のあいさつから感じ取れる変化があった。
「ラジオって本当にいいですね」
母親はそう感謝を伝え、「息子にはうまくいかないことも含めて、これからたくさんの人に出会い、いろんな経験をして成長していって欲しいと思います」と願いをつづった。
福山雅治「家族がこうやってつながってるってことが僕はうれしい」
母親のメールを聞き終えた福山は、改めて男子高校生の恋愛相談を振り返った。
好きな相手と距離を縮めようと勇気を出したこと、思うような返事をもらえなかったこと。そして、その悩みをラジオに届けたことで、母親も息子の思いを知ることになった。
福山は「ラジオっていいもんだなと思いますけど」としみじみ語り、「このラジオを軸にして家族がこうやってつながってるってことが僕はうれしいな」とコメント。
さらに、「そのご家族のコミュニケーションの一助になれたということがうれしい」と喜んだ。
息子が母親に直接打ち明けることのなかった恋の悩み。それを伝えたのは、親子がともに聴いていたラジオだった。母親が一人で放送を聴いた夜を経て、いつもの「行ってきます」の声にも、少し違った響きが生まれていた。
【編集部MEMO】
『福山雅治 福のラジオ』は、福山雅治がパーソナリティを務め、TOKYO FMをキーステーションにJFN全国38局ネットで放送されているラジオ番組。リスナーからの身近な出来事や福山への質問に加え、若い世代の恋愛相談も紹介している。
