星野リゾートは10月14日、「星のや奈良監獄」(奈良県奈良市)が、世界各国及び地域で発行される『エル・デコ』が選ぶデザイン賞「ELLE DECO International Design Awards(エル・デコ インターナショナル デザイン アワード・通称EDIDA)」に関連して、日本版が独自に設けている「Japanese Social Design Project(ジャパニーズ・ソーシャル・デザイン・プロジェクト)賞」を受賞したと発表した。
優れたデザインと社会的意義を評価
ELLE DECO International Design Awards(EDIDA)は2003年に創設されたデザイン賞で、エル・デコの編集長たちが、15部門に推すデザイナーやプロダクトを選出し、結果はミラノデザインウィークの期間中に発表される。
EDIDAと関連して日本版が設けた独自の賞もあり、今回、同施設は、日本において生み出されたインテリアやプロダクトなど、デザインが優れており、かつサステナビリティやデザインの継承、教育など、社会的に良いインパクトをもたらすプロジェクトとして同賞を受賞した。歴史的建築の保存とラグジュアリーホテルへの再生を両立させたデザインと、持続可能な文化財活用の社会的意義が高く評価された。
重要文化財「旧奈良監獄」を保存・再生
同施設は、国の重要文化財「旧奈良監獄」を保存・再生した日本随一のヘリテージホテル。ホテルデザインは「星のや」ブランドを数多く手掛ける、東 環境・建築研究所 東利恵氏が担当した。
旧奈良監獄は、明治政府が国の威信をかけて建設した「明治五大監獄」の1つで、1908年に誕生した。赤レンガ造りの建築や放射状の「ハヴィランド・システム」など、当時の全貌を今に伝える貴重な遺構である。1946年には「奈良少年刑務所」に改称。更生教育の場として2017年の閉庁まで役割を果たし、閉庁直前の同年2月には重要文化財に指定された。旧奈良監獄の再生は、国と民間による共同プロジェクト。「観光の力で文化財を守る」新たな仕組みを掲げ、監獄という特異な空間の個性を美しく活かしながら、2026年ラグジュアリーホテルとして新たな歴史を刻む。
旧監獄の歴史と現代のデザインが融合
同施設は、歴史的価値を色濃く残す「保存」と現代の意図を吹き込んだ「再生」の鮮烈なコントラストを体感できる空間設計となっている。全貌を見渡す「中央看守所」は、歴史の保存を最優先としながら、繊細な照明と色彩設計で機能美を際立たせた。旧講堂を活かした「メインラウンジ」では、高さ9mの大空間にトラス構造の梁やアーチ窓が映える荘厳な佇まいを見せる。さらに、かつての独居房を繋げた客室は、赤レンガの重厚感を残しながらも寛ぎに満ちたスイートルームへ変貌を遂げている。



