「役者に向いてないと思う時が何度もあったんですよ」――。映画『正体』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』や映画『国宝』でも注目を集めた横浜流星。しかし、その俳優人生には、自分が積み重ねてきたものと芝居との間で葛藤した時期があった。10日にYouTubeチャンネル『くるまの助手席』で公開された動画に出演し、横浜がかつての苦悩と転機を振り返った。
空手では感情を抑えてきた 芝居で求められた正反対のこと
幼い頃から空手に打ち込み、精神面も鍛えてきた横浜。しかし、俳優として芝居に向き合うようになると、それまで培ってきた価値観との違いに戸惑ったという。
空手では感情を抑えることを学んできた一方、芝居では自分の感情を解放し、表現することが求められる。その違いは、横浜にとって簡単に乗り越えられるものではなかった。
横浜は当時の心境について、「今までやってきたものというか人生を否定されたような感覚にもなって」と告白。自分が大切にしてきた生き方と、新たに飛び込んだ世界で求められることがかみ合わず、葛藤していた様子を明かした。
さらに、自身の不器用さにも言及。「本当にありえないくらい不器用で何もできないんですよ」と振り返り、役を演じるうえで必要な経験や表現の引き出しが足りないと感じることもあったという。
そして、「役者に向いてないと思う時が何度もあったんですよ」と、俳優という仕事に対する迷いを率直に打ち明けた。
「他の作品をやってても帰る場所がある」
そんな横浜にとって、大きな存在となったのが映画監督の藤井道人氏だった。
横浜は藤井監督について「妥協がない人。何を引き出せるかをずっと信じてくれる」「あの人は見捨てず信じる人なので」と、その人柄を表現。自分の可能性を信じ続けてくれる存在として、深い信頼を寄せていることを明かした。さらに、藤井監督との関係を「他の作品をやってても帰る場所があるんですよ」と説明した。
さまざまな現場で異なる役柄に挑戦し、俳優として新たな経験を積み重ねていく。その一方で、自分を理解し、信じてくれる場所があることは、横浜にとって特別な意味を持っているようだ。
かつては自分が俳優に向いていないのではないかと悩んでいた横浜。藤井監督との出会いを振り返る言葉からは、苦悩を経て築かれた信頼関係の深さが伝わってきた。
【編集部MEMO】
『くるまの助手席』は、令和ロマン・くるまが車の助手席にゲストを迎えてトークを繰り広げるYouTubeチャンネル。今回ゲスト出演した横浜流星は、藤井道人監督と映画『青の帰り道』『ヴィレッジ』『正体』『汝、星のごとく』、Netflix『新聞記者』などでタッグを組んできた。横浜は『正体』で第48回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。授賞式では藤井監督と喜びを分かち合った。
