今回は前回に引き続き、1585(天正13)年の様子が描かれた。以下で、最も注目されたシーン以外の見どころを紹介していく。
まずは、大和へ入国した秀長が興福寺一乗院の坊官・盤覚(坂口涼太郎)と対面したシーンが挙げられる。秀吉から大和を任された秀長だったが、大和という地の特異性をひしひしと感じ取っていた。古くから僧や神主が力を持ち、松永久秀(竹中直人)や筒井順慶(永沼伊久也)も手を焼いていた。そんな秀長のもとへ盤覚が現れる。盤覚は賄賂として金子を持参するが秀長はこれを一蹴する。盤覚は秀長への敵意をむき出しにして去って行った。SNSでは「絵に描いたような生臭坊主だね」「百姓どもって言い方、小一郎にとってはこの上なく腹立たしいだろうな」と、クセの強い盤覚へのコメントが集まった。
秀長と末(池端杏慈)、石川清兵衛(伊藤健太郎)に出会う
次に、良い米を求めて城を勝手に抜け出した末とそれを追った秀長が庄屋の清兵衛と出会ったシーンが挙げられる。末はせっかく藤堂高虎たちに振舞った握り飯を、一口食べただけで全部残されてしまった。よほど悔しかったのか、侍女のむぎ(信川清順)が再三引き留めるのも聞かずに城下の村を訪ねる。末が村で出会った清兵衛と話していると、末の身を案じ追ってきた秀長が現れた。清兵衛の村で穫れた米を一目見た秀長は、寺に納めるため無理な稲作をしていることを一目で見抜く。検地を進めて正確な収穫量を見極めようとするが、仏罰を恐れる清兵衛はこれを拒否。寺社の持つ影響力を秀長は改めて感じる。
SNSでは「秀長みたいな大大名があんなに米に詳しかったらそりゃ清兵衛もびびるよな」「清兵衛、秀長を気遣ってるしいいやつだな。でもだまされやすそうでもある」と、清兵衛へ投稿が集まった。また、このシーンで初登場を果たした清兵衛とむぎを演じる伊藤健太郎と信川清順は、共に2024年の大河ドラマ『光る君へ』に出演している。2年ぶりの共演に大河ドラマファンの注目が集まった。
秀長、仏罰を恐れず盤覚の本性を暴く
最後に秀長が盤覚の本性を暴き、仏罰の正体を明かしたシーンが挙げられる。検地を進めようとする秀長と盤覚は対峙する。検地を進めていた小堀正次(萩原護)が賊に襲われ、さらに仏罰をちらつかせる盤覚。しかし、その眼前に難を逃れた正次と、襲った賊が姿を見せる。盤覚の行動を先読みした秀長が、密かに高虎を正次の護衛につけていたのだった。そして秀長は大和郡山城の石垣に使うため、高虎に命じて地蔵を持ち出す。激しく取り乱す盤覚だったが、その場に権別当の兼深(赤星昇一郎)が現れ盤覚を諭すことで大和の混乱は落着した。
SNSでは「地蔵を持ち出すのはさすがに罰当たりな気もするけど、それだけ覚悟が決まっているんだな」「これまで数々の難問を解決してきた小一郎を相手にするのは盤覚には厳しかったか」と、秀長と盤覚の対決が話題になった。今回、接収された地蔵は大和郡山城の石垣に転用された。実際に郡山城跡にはさかさ地蔵と呼ばれる石像が現存している。郡山城天守台北面の石垣の中に、上下逆さまの状態で組み込まれていることからさかさ地蔵と呼ばれた。
像の高さは約90cmで左手に宝珠、右手に錫杖を持っている。像には1523(大永3)年7月18日の刻銘があり、郡山城が大規模に整備される60年以上前から存在していたことが分かる。郡山城では、豊臣秀長が1585(天正13)年に入城して大規模な改修を行った際、石材不足を補うため寺院などから石材を集めた。その中には石仏、五輪塔、墓石、寺院の礎石なども含まれていた。さかさ地蔵も、そのとき石垣の材料として転用されたものと考えられている。
きょう4日に放送される第38話「和を以って、大和をなす」では、検地を進めた秀長は次に逼迫する大和の財政を立て直そうとする。しかし、豪商たちの反対に合い思うように進まない。一方、秀吉は帝から新たな氏を名乗ることを許される。




