今日の主役は、U-NEXT Pirates・朝倉康心。
2019-20シーズンに、
Piratesが悲願の初優勝を遂げたときのメンバーである。
しかし、その後チームは入れ替え規定に抵触し、
#Mリーグ 2022-23 契約更改について
— U-NEXT Pirates (@unext_pirates) June 10, 2022
U-NEXT Piratesは、小林選手・瑞原選手と契約更改、朝倉選手・石橋選手は今シーズン限りで契約満了といたします
各選手と監督のコメントはお知らせをご確認ください
来シーズンは7月上旬のドラフト会議を経て誕生する新しいパイレーツをよろしくお願いいたします
石橋、そして朝倉がチームを去った。
そこから2年後の2023-24シーズンには、
Piratesは二度目のMリーグ制覇を果たす。
しかしながら、前シーズンPiratesは8位に終わり、長年チームを引っ張ってきた「船長」小林剛が退団することになる。
「誰が指名されるのだろう」
ファンが注目する中、今年6月に行われたドラフト会議で、
木下監督が笑顔とともに名前を入力したその選手は、
朝倉だった。
Mリーグで、退団した後に「同一チームへ復帰した」のは朝倉が初めてである。
指名の理由として、
「この8年間、心技体が揃えばMVPを狙える選手だというのを疑ったことはない」
と語る木下監督。
自らの手で一度契約を切った選手を、再び呼び戻すには、並々ならぬ覚悟が必要だっただろう。
と同時に、監督から朝倉への格別とも言える信頼を感じる。
そんな監督は、朝倉がMリーグに復帰するにあたり、新しい二つ名を付けた。
それが、
仲林選手、お疲れさまでした!
— U-NEXT Pirates (@unext_pirates) September 14, 2026
ノー和了、ノー放銃の2着
満貫の聴牌も実らず
悔しいですがまずはプラスptの発進です
第二戦出場は「天馬行空🐴」
朝倉康心選手です!
監督が名づけたこの二つ名のように
自由奔放にMリーグの舞台で
闘い抜いてください!#UNEXTパイレーツ #朝倉康心 #再起 pic.twitter.com/HOwYeTvf76
「天馬行空(てんばこうくう)」である。
辞書的な意味としては、
“天馬が空を駆けるように、発想や行動が自由奔放で型にはまらないさま”
である。
ネット麻雀「天鳳」で、厳しいマークに遭いながら初代天鳳位を獲得した朝倉。
麻雀のスタイルとしても独自の手順を踏むのが特徴だが、それをMリーグでも気兼ねなく、存分に発揮してもらおうという、監督の思いが伝わってくる。
さて、辞書的な意味を先ほど紹介したが、Mリーグの配信で紹介される際には、ある特別な単語が加えられていた。
実況の日吉は、天馬行空の意味を、
“何物にもとらわれず、自由な発想を「謳歌する」さま”
と説明した。
おそらくは、「謳歌する」という単語を含んだ文章がチームから届けられていたのだろうと推測する。
なぜなら、
あさくらおうかのちゅうしょく#朝倉の朝食 pic.twitter.com/RBNgZY02VF
— 朝倉康心/ASAPIN🐴 (@asakurapinpin) September 11, 2026
「おうか」というのは、朝倉の息子の名前だからだ。
監督からの願い、そして息子への思いが、この「天馬行空」には詰まっている。
そしてシーズン初戦でも、いきなり朝倉らしい選択が飛び出した。
南3局1本場、
2着目にいる寿人が、中盤にドラの4筒をカンしてきた。
次に手番を迎えた朝倉は、
イーシャンテンから、
なんと、123筒のメンツを崩して、1筒を切ったのだ!
立体図を見てみよう。
(黄色の牌はツモ切りを表します。)
「ドラをカンしてきた寿人さんのダマテンケア、そしてテンパイしていない場合でも鳴かれないように打った」
「自分の手が役なしかつ、山に残っていなそうなところばかりが残っている状態なので、アガリがほぼないと感じていた」
と、朝倉はインタビューで語っていた。
確かに8索は3枚切れ。6索や8筒も枚数の少ない愚形待ち。仕掛けも効かないこの手ではアガるのは厳しそうだ。
かと言って、安易に9索を切ると三浦や松本の安全牌が減ってしまう。
完全にオリること決めて切る牌に1筒をチョイスしたのは、三浦や松本に対してそれなりに危険な牌を処理しておく意図もあったように思う。
朝倉は次の巡目に、
下家の寿人が切った7筒を合わせ打ち。
シビアな完全撤退だ。
寿人の手はカンした時点で、
この形のリャンシャンテンだったので、朝倉の選択を見て、
「えっ!? オリるの??」
と驚いた視聴者も多いはずだ。
これからは、こういう「オリジナルな打牌」が続々と出てくることだろう。
これは朝倉に限ったことではないが、試合後に語られる選手の思考に注目すると、より深くMリーグの観戦が出来るはずだ。
この局は、
松本のリーチに対して、
テンパイした寿人が8筒を勝負。
松本がリーチタンヤオ赤裏、8000は8300のアガリを決めた。
オーラスは、
流局で試合終了。
朝倉は、Mリーグ復帰初戦を白星で飾った。
麻雀を見るときの視点や尺度が多様化したこの時代。
朝倉の麻雀がいわば特異に映る人も多いことだろう。
朝倉が独特の選択をした際には、誰かが「良い」と褒めても、誰かが「悪い」とけなす、そんな状況がこれからもついて回るようにも思う。
けれども私は、「朝倉は自分の信じる麻雀を打ち続けるのがいい」と強く感じる。
多くのファンも、チームメイトも、そして監督もきっと同じ思いであろう。
もう一度紹介するが、
“何物にもとらわれず、自由な発想を「謳歌する」さま”
この意味を持つ「天馬行空」というキャッチフレーズは、きっとこれからも朝倉の航路を、そして打ち筋を明るく照らしてくれることだろう。
そして、何が起こっても、貴方には最強の味方がいるではないか。
きっと、笑顔で声をかけてくれるはずだ。
「パパ、カッコよかったね」と。
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