先週4月30日(木)に行われた、Mリーグセミファイナルの最終日。あと2試合を残してのチームランキングは、このようになっていた。

上位4チームが、優勝を争うファイナルシリーズへと駒を進めることが出来る。

今年度から賞金が増額され、

1位7,000万円、2位2,000万、3位1,000万、4位500万

となっている。

5位以下のチームに賞金は出ない。

もちろん賞金が全てではないが、優勝を争う卓にいられるかどうかが、物凄く大きいことは確かだ。

この日は、4位KONAMI麻雀格闘倶楽部と6位赤坂ドリブンズの直接対決となった。

2試合で185.7の差をまくるのが赤坂ドリブンズの目標。

半荘でトップをとると、もれなく+50ポイントの順位点がついてくる。

ざっくりとしたドリブンズの条件は、「連勝&格闘倶楽部に逆連対(3着か4着)を二度押し付ける」。あとは細かい点数勝負、といった感じだ。

1試合目の東4局時点で、点数状況は、

このようになっていた。

赤坂ドリブンズの渡辺太が2着目。

そして、KONAMI麻雀格闘倶楽部の滝沢和典は3着目。

ここからドリブンズの攻撃が決まって、ドリブンズがトップ。そして格闘倶楽部が3着か4着、というのは十分にあり得る状況だ。

ところで、麻雀格闘倶楽部の滝沢和典は「選手兼監督」をしている。

他のチームにも同じポジションのMリーガー(EX風林火山の二階堂亜樹、セガサミーフェニックスの茅森早香)がいる。

主に選手起用に関して担当をしているそうだ。

試合に出る選手の視点を持ちながら、チームメイトと相談しつつ出るプレイヤーを決められるのは大きなメリットだろう。今季は上記3チームとも、レギュラーシーズンを突破している。

滝沢は穏やかで視野が広く、選手兼監督としてもピッタリの存在だと思う。

そして、この大事な試合、滝沢は自らが登板をしている。

なんとしてもチームをファイナルへと導きたいところだ。

3着目で迎えたこの滝沢の親番は、いわば正念場である。

そんな滝沢の4巡目、

ここから、何を切るか。

滝沢は、

9萬に手をかけた。

手牌全体を見ると、メンツが1つにトイツが4つ。

この状態だと、メンツ手もトイツ手もリャンシャンテン(テンパイまであと2ステップ必要)だ。

上のように「トイツが多いメンツ手」というのは、リャンメンなどのいい形が相対的に少ないことが多い。

だから、トイツには手をかけず、七対子を残しつつ、メンツ手との「両にらみ」で進めるのがよいとされる。

リャンメンが多い場合や、タンヤオや役牌など動ける手役があるときは、メンツ手を優先するといいのだが、今回の滝沢の手はそうではない。

横の伸びを見て真ん中の5索はキープ。

そして七対子を視野に入れながら2枚ある8萬をまだ残しておいて、形の悪いマンズを端の9萬から丁寧にほぐす、そんな選択だ。

続いて、

4筒が重なった。

今までは「両にらみ」だったが、このように一手進んだら、

ズバッと方向性を決めていく!

メンツをクラッシュして、6萬を打った!

すぐテンパイしたときに、7萬待ちの出アガリ率を高める一打だ。

滝沢がリーチをかけて、他家が6萬をたくさん捨ててくれたら、しめたものだ。

いい待ちを作るための思い切った選択である。

また、残した5索には赤の重なりを期待する意味もあるだろう。

次の巡目では、

中を持ってきて、8筒を打つ。

待ちの候補が増えて、七対子をアガるための下地が整ってきた。

その次に、

6筒がアンコになった。

悩ましい。

七対子の受け入れを最大にするなら、6筒をツモ切る手もある。

関連牌としては、9索が1枚切れだ。

滝沢は、

5索を切った。

赤引きを見切るのと引きかえに、トイトイや四暗刻のルートを残した。

7萬は前述のように待ち頃の牌であるうえ、あまり早く河に並べたくはない。

6萬→7萬とリャンメンターツを捨てている状態になると、どうしても目立ってしまうからだ。

「いいブロックを払うくらい、親の手が整っているのか?」

と他家が警戒すれば、サクッと親を流されてしまうことにも繋がりかねない。

このあと、滝沢が切った8索を中田がチー。

それによって、

もし鳴きがなかったときには滝沢のもとに来ていたであろう、中が流れてしまった。

七対子テンパイを逃したとも言える状態だが、数巡後、

滝沢のもとに8萬がやってきた!

これで役満、四暗刻のイーシャンテンに!

滝沢は、

落ち着いた表情で打牌していた。

ぜひ、対局の映像を見てほしいのだが、滝沢は一つ一つの所作が本当に綺麗だ。

流れるようなフォームで、美しく牌を並べていく。

そして、滝沢に、

役満のテンパイが入った!

2筒を引いて、待ちは9索と4筒だ!

ここでも滝沢は、

そっと、中を河に置いた。

親の役満だ。

ツモれば四暗刻で、16000オール。

この手を決めれば、KONAMI麻雀格闘倶楽部のファイナル行きは決定的となる。

中を切った時点では、役満のテンパイを果たしても、滝沢はいつも通りにクールに麻雀を打っているように見えた。

しかし、それは私の勘違いであった。

次のツモ番で牌山に手を伸ばすとき、滝沢は、

気迫あふれる表情をしていたのだ。

自らが作り上げた、このチャンスにかける思いが痛いほど伝わってくる。

滝沢がツモったのは、

1索だった。

そのまま河へと羽ばたいていく。

だが、麻雀は一人でやるものではない。

とうとう、

格闘倶楽部にとってライバル、ドリブンズの太に、

テンパイが入った!

マンズの1-4-7と6が待ちの多面張。

太はリーチを打った。

ドリブンズと格闘倶楽部の、運命をかけためくり合いが始まった――

その刹那、

「ツモ」

決着の刻は突然訪れた。

滝沢が9索をツモった!

四暗刻だ!!

太は悔しそうに滝沢のツモ牌を見つめていた。

勝者が居れば、敗者もまた存在する。

切ないコントラストだ。

「16000オール」

カメラが映し出した滝沢は、

安堵の表情を浮かべていた。

選手兼監督として、大仕事を成し遂げた滝沢。

このアガリが決め手となって、滝沢はこの半荘トップを獲得し、KONAMI麻雀格闘倶楽部はファイナル進出を決めた。

さぁ、昨年9月から始まった今シーズンのMリーグも、5月4日(月)~15日(金)の2週間で、

優勝チームが決まることとなる。

ファイナルへ持ち越すポイントは画像の「半分」となる。おおげさではなく、どのチームが優勝するか全くわからない大接戦だ。

全国のみなさんと一緒に楽しんでいきたい。

牌のゆくえに運命を託す者たちの真剣勝負を。

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