あれほど楽しみにしていた桜は、今年もすぐに散ってしまった。

一方で、Mリーグの熱狂は今が盛りだ。

今週の試合が始まる時点でのチームランキングがこちら。

注目したいのは、3位にいるTEAM雷電だ。

実は、先週月曜日の時点で、雷電は、他チームからやや離された6位だった。

それが、先週に大爆発。

8試合して、1着4回、2着4回。

全連対で、347ポイントものプラスを叩き出した。

しかも、萩原、瀬戸熊、黒沢、本田、4人全員が2回ずつ均等に出ての好結果。

チームの士気も上がろうというものだ。

その中で、雷電が躍進するきっかけになったとも言える、

4月13日(月)2試合目、萩原聖人のアガリ手順を見ていこう。

俳優として、萩原を知っている方も多いだろう。

萩原はMリーグ初年度の2018-19シリーズ開幕前、TEAM雷電からドラフトでの1位指名を受けた。

それ以来ずっとMリーグで戦い続け、またMリーグの熱狂を外へと積極的に発信している。

そんな萩原に、南2局、物凄い手が入った。

情熱の、真っ赤なイーシャンテン。

ただ、切る牌が難しい。

萩原は、5萬を手放した。

いい選択だ。

この形なら、ピンズを触らない方がいい。

立体図で見てみよう(黄色の牌がツモ切り)。

6筒を切るとドラの7筒が使えなくなってしまう。

また5筒を切ると、マンズやソウズでアタマを求めることになるが、どちらも2-5の受けは5枚ずつしかない。

それなら5筒とともに5萬か5索のどちらかを持っておいて、「ピンズ以外を横に伸ばしてターツとして使う」方向性も残しておく方が、バランスとしてよいのだ。

ソウズを例に挙げると、3索、4索、6索、7索の14枚引きでテンパイするようにしておくとテンパイするチャンスが広がる。

ただ、この中には、3索や7索という微妙なツモも含まれるのも忘れてはいけない。

だからこそ、「5萬と5索の横伸びを両方残す6筒切り」は、形の悪いテンパイになりやすいので避けるべき、とも言える。

まとめると、5筒切りは、5萬と5索の横伸びが全部消えてしまうのでイマイチ。6筒切りは微妙テンパイ形も多くなるのでドラを使えなくしてまでやることではない、ということになる。

だから、5萬か5索のどちらかを切るのがいいわけだ。

やや難しい話にはなったが、萩原のチョイスはバッチリだった。

マンズとソウズのどちらを残すかは、全体的にソウズがたくさん切れているので、ソウズ待ちになった方が嬉しいと考え、5索を残すのがいいだろう。

河を見ると、上家と下家の9索切りが早めなので、7索あたりに色気が持てる。ツモ6索の評価が少し上がる感じだ。

という具合に、第一関門を上手くクリアーした萩原に「第二関門」が訪れる。

6巡目、萩原は、またもややこしい、3筒を持ってきたのだ。

このとき萩原は、

まるで語りかけるかのように、牌と向き合っていた。

打牌候補は、3筒、5筒、5索あたりだろう。

悩みに悩んだ末、萩原は、

5筒を打った!!

これも優秀な選択だ。

先ほどと違って、1-3-4筒受けがあるので、保険の2-5索ノベタンと合わせて、ドラ受けのピンズリャンメンが活かしやすい形になったわけである。

打5筒は、ツモ6筒以外では、どのテンパイ形になっても8枚待ち以上のリャンメンになるうえ、

ツモ4筒は、5索切りで、1-3-4-6-7筒待ちの5面張リーチが打てる。このような最強クラスの待ちが残る可能性すらあるのだ。

唯一愚形テンパイするツモ6筒も、

打5索として、345三色がある形。

どんなテンパイになってもバチバチに勝負できる手となるのが、5筒切りの長所なのだ。

他には3筒を切る手もあるが、

その場合は、半分以上のテンパイが「形の悪いテンパイ」となるのがネックだ。

例えば、6筒を引いたシャンポン待ちや8筒を持ってきたドラのカンチャン待ちは、かなり微妙なのが分かるだろう。

また、ソウズの形としては、3索引きや7索引きが愚形待ちとなる。

実は、3筒を切った方がテンパイする枚数は多い(35枚)のだが、そのうち7枚以上の待ちでテンパイするのは14枚しかない(ツモ5筒、2索、4索、5索、6索)。

※枚数は、2索と6筒が1枚ずつ見えていることを含めての計算。以下同じ。

7枚以上待ちでテンパイする確率は、35分の14で、40%となる。

つまり、「3筒を切ると、いい形のテンパイになるのは、だいたい10回中4回」ということになってしまうのだ。

対して、

5筒切りは22枚でテンパイするのだが、7枚待ち以上のテンパイになるのは20枚もある(1筒、3筒、4筒、7筒、2索、5索)。

残り2枚も、ツモ6筒のタンヤオ三色赤赤赤というダマのハネマンの手となる。

こちらは、どう転んでも満足のいくテンパイになるわけだ。

したがって、ここは絶対にアガりたいからこそ、「テンパイ枚数」より「テンパイしたときの質」を大事にする、打5筒がいいと考える。

ちなみに、打5索に関しては、

5筒を残したときに嬉しい2筒と5筒のツモ3枚より、5索を持っておいて活きる2索と5索引き5枚の方が多いので、打5索よりは打5筒としたい。

また、5索よりドラ色の5筒の方が危険なので、先に5筒を逃しておきたくもある。ほかでは対面が2索を切っているのも、5索の安全度が上がる要素だ。

さらには、先に5筒を捨てておくことで、待ちに3筒が絡んだときに他家から少し3筒が打たれやすくなる効果もある。

よって、5索を残して5筒を捨てる方がいいだろう。

難しい話になったうえ、何を切ってもそこまで大きな差はないが、萩原は、見事に正解を引き当てていく。

3筒を残したおかげで、1-3-4筒待ちの三面張テンパイになった!!

いったんダマテンとした萩原だったが、中田からのリーチを受けて、追っかけリーチ敢行!

そう、待ちも絶好なので、この手はリーチがいい。

さらには内川からもリーチが入ったが、

萩原が4筒で出アガった!

裏も乗って、リーチタンヤオピンフドラ赤赤赤裏の倍満!!

二つ目の分岐で、3筒を残していなければ、このアガリは生まれていない。

これが決め手となって、萩原はトップを獲得。

このあとの雷電の快進撃へと繋がっていくのである。

Mリーグでは、トップの選手には必ずインタビューをするのだが、

萩原は本当に話が上手く、私はどんなに疲れていても、必ず聞き入ってしまう。ぜひ、麻雀に加えて、萩原のインタビューにも注目してもらいたい。

この日、萩原は真っ先に、自分が何かと忙しい中でも試合に出してくれるチームメイトや、いつも応援してくれる雷電ユニバース(ファンのこと)への感謝を伝えていた。

きっと、雷電を通じてのかけがえのない仲間は、萩原が目をつむれば傍にいるのだろう。

そして、雷電の選手が勝ったあとのインタビューの最後では、決めゼリフに伴った勝利ポーズをするのが恒例となっている。

こちらもぜひ、リアルタイムで楽しんでいただきたい。

インタビュアー「今日も雷電の麻雀は――」

萩原「面白いんです!」

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