
マッシヴ・アタック(Massive Attack)が、エド・シーランのツアーからマックルモアが外されたことを受け、強い調子の声明を発表し、シーランを批判した。マックルモアは、ガザに暮らすパレスチナ人を支持する発言をしたことで、一部の会場オーナーから出演を拒否され、ツアーそのものの開催が危ぶまれる事態となった末に、ツアーから外された。
「どれだけ何百万ドルという金が動いていようと、どんなアーティストも、他のアーティストへの検閲を容認すべきではない」とマッシヴ・アタックはInstagramに投稿した。「私たちは、パレスチナの人々の権利を守るために自らのキャリアを危険にさらし、イスラエル国家による違法な占領、アパルトヘイト、戦争犯罪、そして現在も続くジェノサイドに反対しているすべてのアーティストと連帯する」。AP通信によると、停戦が成立したとされるなかでもイスラエル軍の作戦は続いており、ガザでのパレスチナ人の死者数は7万3000人を超えている。
マッシヴ・アタックはまた、今回の騒動に際してシーランが示した非政治的な姿勢にも異議を唱えた。シーランは「僕は自分の知名度やプラットフォームを、安全と安らぎを感じられる場所として使うことを選んでいる。対話を閉ざすのではなく、外交を保ち、会話の扉を開いておきたい」と述べていた。
「エンターテインメントが、同じ人間に対するアパルトヘイトやジェノサイドに抗うことより大きなものになることなど決してない」とバンドは述べた。「2万人を超える子どもたちが殺されている状況を前にした”中立”は、決して中立ではあり得ない……ジェノサイドが起きることを許した国家、企業、メディアによる沈黙の連鎖は、著名なアーティストや俳優たちにも同じ沈黙を強いようとしている」
マッシヴ・アタックは長年にわたり、こうした問題について一貫して声を上げ続けてきた。今年初めには、コンサートのステージ上でパレスチナ国旗を掲げたことで、メンバー2人がシンガポールへの入国を禁じられた。2024年春には、ガザでの救援活動のための資金を集めるべく、チャリティEP『Ceasefire: In Benefit of Doctors Without Borders』をリリース。昨年には、パレスチナ支持を表明したことで音楽業界の「内部からの威圧」にさらされたアーティストたちによる連帯組織を立ち上げた。ニーキャップ、フォンテインズD.C.、ブライアン・イーノ、ガービッジらがこの取り組みに賛同している。
ガービッジも声明「これは大きな転換点」
ガービッジは、マックルモアがシーランのツアーから外されたことへの反応について、イスラエルとガザをめぐる主流社会の議論における「大きな転換点」だと表現した。「これは、世界の意識が変化したことを示す、明白で否定しようのない兆候だ。アパルトヘイト国家を常態化すること、その行為を取り繕ったり正当化したりしようとすることは、もはや容認されない」とバンドはInstagramに投稿した。「エド、この件で犠牲になっているのはただひとつ、パレスチナの人々だ」
またガービッジは、「Loop Tour」から離脱したフィニアス、ルーカス・グラハム、アーロン・ロウらのサポートアクトに加え、購入済みのチケットを手放し、公演に行かないことを選んだファンたちも称賛した。「ツアーから降りるすべてのアーティスト、チケットをキャンセルするすべてのファンは、アパルトヘイトやジェノサイドへの加担に加わるのではなく、自らの良心に従うことを選んでいる」とガービッジは述べた。「この機会を生かして、BDSをさらに強化し、広げなければならない。アパルトヘイト国家で公演するためにピケラインを越えるアーティストだけでなく、現実をありのままの言葉で呼ぶことを拒む者たちに対してもだ」
昨年、ガービッジは、観客がステージに投げ込んだビーチボールにシャーリー・マンソンが悪態をついたことで批判を浴びた際、その反発を人道危機へと人々の目を向けるために利用した。「少し驚いていることがあるとすれば、2万人ものパレスチナの子どもたちが今や土の下に埋まっていることよりも、私がビーチボールに悪態をついたことのほうが、よっぽど大騒ぎになっていることね」とマンソンは当時語っていた。
シーランは、自身のツアーをめぐる今回の騒動について、これまでに一度だけ声明を出している。Instagramへの投稿で、マックルモアをツアーから外す決定を下したのは、マックルモアが契約を結んでいた会場とプロモーターだったと改めて説明した。自分の判断ではなかったとする一方で、シーランは、自身が政治については私的な立場を取ることと、マックルモアがより公の場で行動したこととの違いを明確にした。
「僕が仕事上のプラットフォームを政治のために使わないのには理由がある。僕の観客には、さまざまな背景を持つ若者、しばしば子どもたちもいるからだ」とシーランは述べた。「僕の公演に来る人たちは、そこが政治について議論する場になることを期待してはいない。自分が信じるもののために立ち上がり、声を上げるマックルモアの強い意志は尊重している。ただ、同じ目的──平和──に向かうための方法は、ひとつだけではない」
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From Rolling Stone US.