EARTH JETS所属。
日本プロ麻雀協会、
永世女流雀王…!
逢川恵夢!!
これは別日の入場シーンだが、見ていただいたとおりサービス精神が旺盛な選手だ。
ただ、それはあくまでも卓外でのこと。
いざ卓につくと、勝負どころでアタックし続ける、同卓者にとって「驚異のプレイヤー」となる。
協会女流プロの頂点、女流雀王を「5回」獲得し、永世女流雀王となった逢川は、この日、
MトーナメントのFINAL STAGEへと向かう。
ここまで残ったのは16名。
各卓2試合を戦って、上位2名が勝ち上がりとなる。
1戦目、
逢川は2着であった。
そして2戦目。
逢川は、東4局1本場を迎えるにあたって、
トップ目に立っていた。
この局、
逢川は東をポン。ホンイツでのアガリを狙っていく。
そこへ、
「リーチ」
内川の親リーチが飛んできた!
手が進まないまま、
逢川は無筋の2索を持ってくる。
これを、
まずワンプッシュ。
なんせ、通っている牌が少なすぎる。
まだまだ巡目もたくさん残っているため、自分のアガリ可能性をキープしつつ構えていく。
逢川は、
落ち着いた表情をしていた。
大舞台での経験が豊富なことが、面持ちからも伝わってくる。
数巡後、
9筒を引いてきた。
これで、自分の要らない無筋が2枚となった。
逢川は、
これも押していく!
なんせ、9筒も8索も、端寄りの牌だ。
比較的通りやすいだけでなく、使って回ることが難しくもあるため、自分の都合で通していった。
次に、
なんと4枚目の7萬を引いてきた!
これで、形のいいイーシャンテンになった!
ということで、
8索を切っていく!
麻雀を打ったことがある方は分かると思うが、リーチに無筋を切るのは怖いものだ。
逢川の麻雀を見ていると、
“自分も勝負所では押さなきゃな”
という勇気が湧いてくる。
8索に、ロンの声はかからなかった。
続けて逢川が持ってきたのは、
またもや、通っていない2筒であった。
もちろん、
勝負だ!
勝ち上がりの条件として、1戦目2着の逢川は、1試合目に3着であった内川との着順勝負をしている面もある。
つまり、これはライバルの親リーチ。
もちろん、放銃するのは痛いが、傍観しているとツモアガのときには内川が迫ってくることとなる。
先ほども同じ単語を見てもらったが、ここは「勝負所」なのである。
2巡目後に、
6筒を引いてきて、
通していく。
ここでもまだ冷静な表情を保っていることから、逢川の「ハートの大きさ」が分かろうというものだ。
そんな逢川のもとへ、
3萬がやってきた。
微妙な牌だ。
内川には通っていない。
かといってドラの西を切るのかというと、これもまた通っていない。
9萬は内川が切っていて安全だが、6777789萬は、
777萬+6789萬と見れば、ノベタン6-9萬受け。
77萬+67789萬で切ると、リャンメン5-8萬受け。
合わせて5689萬待ちなので、出来ることならこの形を崩したくない。
どうする――
逢川が選んだのは、
ドラの西だった!!
物理的に当たりにくい牌を切って、一番テンパイしやすい構えをとった!!
そんな逢川のもとへ、
またもや試練が訪れた。
4萬を引いてテンパイした逢川。
しかし、何を切るかが問題だ。
盤面を覗き込む逢川。
立体図を見ていこう。
内川に通っているのは2萬と9萬だ。
2萬を切れば、33+46+777+789萬でカン5萬待ちとなる。
また、9萬を打つと、3+234+678+777萬で、3萬待ちだ。
逢川が選んだのは、そのどちらでもなかった。
逢川は、
無筋の3萬を撃ち抜いたのだ!!!
もちろん、待ちはこの選択が一番広い。
残った677789萬の部分は、先に見てもらった5689萬待ちだ。
ただ、このとき切り出す3萬は内川への無筋。
というより、
もはや、通っていない筋を数えた方が早いくらいの状況なのだ。
ソウズとピンズは全筋通っていて、見えている枚数も踏まえると、残るはマンズの3-6萬と4-7萬だけ。
そのうちの一つを逢川は切っていったのである。
逢川が押せた理由としては、対面の内川のリーチは、「ターツ落としが入っていない、端牌切りのリーチ」だからというのがある。
選択をしていないリーチのため、出来たなりの愚形テンパイである可能性はそこそこ高くなっている。
ただ、それにしても、当たり候補となる牌そのものが少なくなった中で、3萬まで押し切る胆力は本当にスゴいと感じる。
筆者は、現物の2萬を打って、カン5萬の最大4枚待ちで受けていそうだ。
インタビューでは、まだ出尽くしていない9萬や8萬でのアガリを見たことと、愚形も十分にある内川のリーチが、固まっている7萬待ちになっている可能性を考えて勝負した、と語っていた逢川。
この3萬は通過していき、逢川の待ちはこの時点で山に4枚も眠っていた。
内川の待ちは、
カン7萬であった。
3萬を通した逢川の勝ちだ、と思われたが、
この局は3人テンパイで流局。
怒涛の押しは実らなかったが、迫力ある逢川の攻めっぷりに、私はモニターを見ながら何度ものけぞった。
残念ながら、トータルで3着となり、敗退してしまった逢川だったが、
また来シーズン、Mリーグでこの強烈な攻撃麻雀を見るのが今から楽しみになった、そんな一局であった。
(C)Mリーグ (C)AbemaTV,Inc.
































