俳優の志田こはくが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、7月19日・26日の2週にわたって放送される「就職先はさる軍団3~怒られない時代に芸を磨くということ~」。1000年以上の歴史を持つ伝統芸・猿まわしの世界に飛び込み、芸を受け継ごうと奮闘する新人たちの姿を追ったシリーズ最新作だ。

26日に放送される後編では、それぞれ異なる人生を歩んできた新人たちが、猿まわしという世界で新たな一歩を踏み出していく姿が描かれる。18歳で飛び込んだ若者もいれば、安定した仕事を辞めて挑戦する40代の新人もいる。そんな中、志田が特に心を動かされたのは、かつて人付き合いに悩みながらも、猿との出会いをきっかけに人生を変えていった女性だった――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションに臨んだ志田こはく 撮影:渡邊玲子

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションに臨んだ志田こはく 撮影:渡邊玲子

“相棒”と心通わせられず涙

2025年春、村崎太郎(65)(※崎は正しくは立つ崎)が率いる「日光さる軍団」に入社した6人の若者たち。いち早く舞台デビューする者、路上公演で経験を重ねる者がいる一方、デビューが遅れている新人もいた。“相棒”とうまく心を通わせられずに悩む樋地さん(20)。同じサルでも、先輩と組めば芸はうまくいく。自分の何がダメなのか分からず、越えられない壁に涙がこぼれる。

そんな中、怒らない指導で、どう若手を育てるべきか悩む村崎のもとを、かつての弟子2人が訪れる。厳しい指導の末に師匠とたもとを分かち、別々の道を歩んできた彼らが、約30年ぶりに同じ舞台へ。再び一緒にステージに上がった理由とは。

入社から10カ月。新人たちは、師匠の前で初めて芸を披露する「新人総見」を迎える。しかし、呼び込み太鼓を聞いた村崎は顔を曇らせた。与えられたことをこなすだけでは未来はない。自ら考え、自ら求める主体性がなければ、芸は受け継げない。新人たちに芸と向き合う覚悟を問い掛け、村崎はその場を後にする。

そして迎えた新人発表会。家族と師匠が見守る中、6人は“相棒”と共に舞台へ向かう。その真ん中に立つのは、あの日、涙を流した樋地さんだった。怒られない時代に芸を磨いてきた新人たちは、その舞台でどんな姿を見せるのか――。

  • 稽古がうまくいかず涙する樋地さん (C)フジテレビ

    稽古がうまくいかず涙する樋地さん (C)フジテレビ

「しばらくはずっと落ち込んでいましたね」

後編を振り返り、「学生時代は引きこもりだったという女性(竹原さん)が、とても印象に残りました。つらい過去がある中で、お猿さんと出会って、今は人前に立ってお客さんを楽しませている。その気持ちの強さというか、人としてすごく尊敬できるなと思いました」という志田。

誰かの存在や何かとの出会いが、自分の人生を前へと進めてくれる――その姿に共感したのは、志田自身にもかつて大きな挫折を経験した過去があるからだという。

「脚をケガしてフィギュアスケートを辞めることになってしまって……。ずっとプロを目指してやっていたので、自分の中では本当に大きな出来事でした。しばらくはずっと落ち込んでいましたね」

番組では、失敗した時も、落ち込んだ時も、“相棒”のサルが新人たちの心を支えているが、志田が挫折から立ち直るきっかけになったのは、いったい何だったのか。

「やっぱり家族が一番大きかったですね。今も家族みんなで暮らしているのですが、本当に笑いの絶えない、すごくポジティブな家族なんです」

そして、もう一つ大きな転機となったのが、芸能界で活躍する6歳上の姉・志田音々の存在だった。

「姉が楽しそうにお仕事をしている姿を隣でずっと見ていて、『私もこんな仕事がしてみたい』と思ったんです。それが、この世界に興味を持ったきっかけでした」

フィギュアスケートとは違う新たな夢を見つけ、俳優として歩み始めた志田。舞台や映像作品など活動の幅を広げながら、一つずつ経験を積み重ねてきた。

  • サルと練習に励む竹原さん (C)フジテレビ

    サルと練習に励む竹原さん (C)フジテレビ