総合海洋政策本部、国土交通省、日本財団は、2026年7月20日、東京国際クルーズターミナルにて、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日」である「海の日」を記念する「海の日記念行事2026」を開催した。
「海の日記念行事2026」開会式
「海の日記念行事2026」の開会式では、最初にあかま二郎 海洋政策担当大臣が登壇し、「海の日」が明治天皇の東北地方への巡幸に由来する史実であることを明かし、その後の現在に至るまでの経緯を紹介。そして、日本が海洋国家として、海の恩恵を今後とも享受し続けられるように、政府一丸となって、「総合的な海洋の安全保障」と「持続可能な海洋の構築」を2つの柱として、海洋政策を推進していくと力強く表明し、あらためて「海の日記念行事2026」の開会を宣言した。
続いて、主催者挨拶として、高市早苗 内閣総理大臣からのビデオメッセージが上映された。「日本成長戦略」では、「海洋」「造船」「港湾ロジスティクス」を戦略17分野に位置付けており、「官民投資ロードマップ」に基づき、「海洋ドローン」「南鳥島周辺海域におけるレアアースの資源開発」「次世代船舶」「港湾荷役機械」などの国内投資を加速させていくことに加え、「地域未来戦略」』に基づく「戦略産業クラスター計画」として、中国地方や四国地方での「造船産業クラスター」を検討し、「造船ドック」などの拠点整備を進めていくことを紹介。こうした「日本成長戦略」や「地域未来戦略」に基づく国内投資を「『強く豊かになる日本』投資枠」を活用して強力に推進していくと力を込めた。
また、日本が「誇りある海洋国家」として、「海における法の支配」を一貫して重視しており、この中核をなす基本理念として「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を紹介。今年5月に高市内閣総理大臣自身がベトナムで発表した「進化したFOIP」のビジョンのもと、地域全体の「自律性」「強靭性」を高める取組を着実に進めていくと言及。「高市内閣として、海がもたらす恩恵に感謝し、本日申し上げた『海洋政策』を着実に推進していくことで、『海洋国家・日本』を強く豊かにしていく」ことを約束した。
続いて登壇した金子恭之 国土交通大臣は、まずペルシャ湾情勢について言及。任務にあたってきた船員に感謝の意を表するとともに、国土交通省としても引き続き、船舶、船員の安全確保に万全を期すことを誓った。また、日本の繁栄にとって「海事産業は欠くことのできない存在」であるとし、ペルシャ湾情勢の緊迫によって、「我が国にとって海事産業が生命線ともいうべき重要な役割を果たしていることが、改めて国民の皆様に認識いただけたのではないか」との考えを明かした。
そして、高市内閣の成長戦略において、戦略分野として位置づけられている「造船」と「港湾ロジスティクス」について、自身が先頭に立ち、官民による大胆な成長投資を促進していくとし、それ以外の分野についても海事産業全体に官民一体となって広げていく必要を示唆。さらに、「平和で美しく豊かな海と人々の命を守るため、海上保安能力を一層強化していくことも重要な課題」であるとした。
また、日本財団の尾形武寿会長は、「海水温はどんどん高くなり、はるか太平洋沖合で発生した台風が、かつては日本に近づくにつれて勢力が落ちたのに対し、今は逆に発達しながら近づいている」と、環境破壊の問題について言及。温暖化の原因としてカーボンを挙げ、人類が火を使い始めると同時に起こった環境破壊に対し、様々な対策が施されてきたことに触れ、「次世代に今よりも悪いものを残さない」というサステナブルの概念、「今の力ではどうにもならなくても、継続的にやっていかなければならない」との見解を示し、水素燃料の普及、海藻から作られる代替プラスチックなどの技術が発展すれば、「あらためて日本という国が再生する日もそんなに遠くない」と大きな期待を寄せた。
また、「海の日」が本来の7月20日ではなく、ハッピーマンデーとして7月の第3月曜日となっていることについても言及。観光業界的に三連休は必要かもしれないが、それは工夫次第で簡単に解決する問題であるとし、海がいかに人類にとって、日本人にとって大事か、「海の日」の大切さをあらためて考えてほしいとの希望を明かした。
主催者による挨拶に続いては、「第19回 海洋立国推進功労者表彰」の表彰式を実施。「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野では、三島愼次郎氏(次世代環境船舶開発センター 顧問)、マリン・エコラベル・ジャパン協議会、佐藤愼司氏(高知工科大学 システム工学群 特任教授)、「海洋に関する顕著な功績」分野では、西岡純氏(北海道大学 低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター 教授)、熊本県立天草高等学校 科学部、吉田公一氏(元 日本舶用品検定協会 顧問)、熊本県立芦北高等学校 林業科の4名・3団体が受賞し、あかま二郎 海洋政策担当大臣より表彰状とメダルが授与された。
珍しい船の一般公開や関連企業・団体によるブース出展
「海の日記念行事2026」では、珍しい船の一般公開として、商船三井の自動車船「LAZULITE ACE」と気象庁 海洋気象観測船「凌風丸」の展示が行われた。
また、関連企業・団体が出展するブースでは、海洋・海事に関わる様々な展示が行われ、多くの来場者を集めた。
日本郵船ブースでは、機関士や船のオペレーターの仕事体験や自分だけの船がつくれるコーナーなどが設置されたほか、同社が運行する船の模型などが展示された。
国土交通省が中心となり、各社が協力して出展された「昭和100年特別展示」では、今年が昭和100年にあたることから、この100年間の海運の歴史を紐解くとともに、日本海運の現在が、船の模型とともに紹介された。
川崎汽船ブースでは、「海のおしごと大冒険」と題し、海運業の紹介や自動車線の秘密図鑑など、川崎汽船の仕事や船の紹介が行われたほか、「船長チャレンジ」として操船シミュレーター体験なども実施された。
商船三井ブースでは、同社の歴史や次世代LNG船「LNG WIND CHALLENGER」の紹介などが行われたほか、描いた絵がそのまま海の中に映し出されるインタラクティブお絵かきなどで来場者を楽しませた。
日本内航海組合総連合会ブースでは、内航海運・船員の仕事を紹介するパンフレットなどが配布されたほか、実際に練習船に乗って航海する様子をVRで体験できるコーナーが用意されていた。














