「GTOを観て教師になったんです」この20数年で何人から言われたか分からない、と反町隆史は言う。今回の連続ドラマ化の真意と、鬼塚英吉という存在への思いとは――。
28年ぶりに連ドラ復活を果たすカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『GTO』(20日スタート、毎週月曜22:00~)。2024年放送のスペシャルドラマ『GTOリバイバル』を経て、反町自らプロデューサーに連ドラ化を打診したという。その背景には、テレビドラマへの深い恩返しと、時代を超えて人の感情を揺さぶりたいという強い意志があった。
テレビの前にかじりついていたあの感覚を
今回の連ドラ化へ、反町は自ら手を挙げた。「スペシャルドラマをやった時に、これを連続ドラマにした場合にはもうちょっと違った打ち出し方ができるなっていうのは、なんとなく自分の中で感じていました」
ただし、その時点ではまだ、積極的に動く気持ちはなかったという。きっかけは、1枚の写真だった。「友人から親子3代で並んで、スペシャルドラマをテレビで見てる時の写真が届いたんです」
その光景が、反町の背中を押した。「テレビに育ててもらったっていう気持ちがすごく強くて。カンテレさんともフジテレビさんとも、共にいい時間を過ごしてきた。ドラマを通して何かしらの恩返しができたらっていうのがまずその始まりです」
かつて家族がそろってテレビの前にかじりついていた90年代のあの感覚を、もう一度呼び起こしたい。「だったらやっぱり3世代で楽しめるドラマをもう一度、っていうのは正直思いましたよね」
「あなたにとってグレートティーチャーって?」の答えをひも解いていく
50代の鬼塚英吉を、どう令和の世に出すか。スタッフとの議論の中で出た答えは、明快だった。
「アップデートはないですね」。過去の作品を振り返りながら、この人物がどういう気持ちで学校と生徒に向き合うか――そこ一択、と反町は言い切る。「難しい話はやめようよっていうところもあるし、見て感動できるっていうのが『GTO』なので」
むしろ今回の連ドラは、前回のスペシャルよりさらに昔の鬼塚に引き戻す方向だという。「遊川(和彦=脚本)さんが書いてくれたのは、当時のテーマそのまま。8割ふざけてるというか遊んでる、残りの1割、2割でちょっとカッコつけたこと言っていいんじゃないの? そこでちょっと感動できたらっていう。まさしく今回もそうなってると思います」
それでもやはり、50という年齢が新たな意味を持つ。「タブレットばっかり見てないで、ちゃんと人の顔を見て」――これは鬼塚のセリフであり、自分の実感でもある、と反町は言う。「彼には怖いものがないんですよね。先生クビになってもいいやと思ってやってる。ひと肌もふた肌も脱げる人って今の世の中にいるのかって言ったらなかなか厳しい。でも本当はたとえどんな時代であっても、それが一番大切なことなんじゃないか。それは鬼塚が言いたいことであり、僕自身のメッセージでもある」
妻・松嶋菜々子(劇中では冬月あずさ役)からは「なんでそんなにGTOにこだわるの?」と言われた。実はこれが、今回のドラマのテーマそのものになっている。
「監督に言ったら、監督が遊川さんに伝えたわけですよ。そしたら『あなたにとってグレートティーチャーって?』と最初に問いかけられることになって。要するにその答えを1話1話でひも解いていく、というのが今回のドラマのテーマになっているんです」
その「こだわりの答え」について、鬼塚のあり方を語る反町の言葉は熱を帯びた。
「よくスタッフの皆さんと話すんですけど、鬼塚って『男はつらいよ』の寅さんみたいなイメージがあるんですよ。どっかの街に行って、問題を解決して、ふっとまた去って。また違う学校に行って違う生徒がいてっていうのが、やっぱり“らしい”んですよね。あらゆる学校をふらふらしてって、そこに難しいヤツがいて、そいつらと向き合って、またクビになって、また違う街に行く。そんな鬼塚が『あなたにとってグレートティーチャーってなんなの?』と問われる。もうこれはある意味、最高の褒め言葉ですよね」
