フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で、5日に放送された「酒と涙と女たちの歌4~塙山キャバレー 存続の危機~前編」を放送する。茨城県日立市の国道沿いに小さな飲み屋が並ぶ「塙山キャバレー」の人々を追った作品で、12日には「後編」が放送される。

2020年からこの場所に通い続けてきたディレクターの映像作家・山本草介氏が、この飲み屋街が持つ不思議な力を語ってくれた――。

  • 「塙山キャバレー」盛り上がる店内 (C)フジテレビ

    「塙山キャバレー」盛り上がる店内 (C)フジテレビ

取材がうまくいかない愚痴に「悩んだってしゃあねえべ」

山本氏が塙山キャバレーを最初に訪れたのは、2020年8月。下見を経て、同年12月まで交渉を重ねたところから取材が始まった。そこから長く通い続けたことで、ママたちとの関係も少しずつ変わっていったという。

最も変化が大きいというのは、「ラブ」のママ。「最初はもうインタビューをしても、答えが返ってきませんでした。だけど、この年月のおかげなのか、ようやくお話ししてくれるようになったんです。じっくりお話してくれるようになったのは、今回の取材が初めてですね」

取材者として店に通いながら、撮影が終わるとプライベートで飲むのが定番コース。ただ、1軒だけで帰るわけにはいかない。

「1つの店に行くと“なんでうちに来ないの”という空気になってしまうので、ボトルも何軒か入れています(笑)。それで取材がうまくいかない時などは愚痴を聞いてもらってます」

そこでのママの言葉で参考になったのは、客が来ない時の気持ち。「悩んだってしゃあねえべ。暗い顔してたら余計に客が逃げちまう。テレビ見るか、寝ちまうんだよ!」と何度も笑い飛ばされたという。

立ち退きの噂「それを撮ってくれ」

今回、山本氏が再びカメラを向けるきっかけになったのは、塙山キャバレーをめぐる立ち退きの話。そこで、「ふじ」のママから「今回は、たぶん負ける。だけど、ただじゃ負けないので、それを撮ってくれ」と頼まれた。山本氏がママたちから強い信頼を受けていることがうかがえる。

それまでは、ママたちの組合の会議には入れなかったが、今回は臨時総会にもカメラが入ることになった。普段の店で見せる顔とは違う、緊張感のある場面が映し出されている。

  • 臨時総会の場面 (C)フジテレビ

    臨時総会の場面 (C)フジテレビ