思えば『正解の無いクイズ』(テレビ東京)でも印象深い事例があった。4年前に出題された「対向車との衝突を避けようとすると歩行者をはねてしまう。自動運転AIはどう判断すべきか」という問題が、今年5月の特番で再び取り上げられた。
当時、Geminiの答えは「二次被害を避けるため歩行者をはねる」だった。しかし今回は「一番被害が少なくなるよう判断する」へと変化していた。
AIを操る山本覚は、その理由をこう説明する。
「4年前は、そもそも自身を“冷徹な計算機”っていうような認識をAI自体も持っていたと思います。社会がたぶんそうだったし、AIに対して。今ほど“仲間”っていう感じじゃなかったから、その時のデータで学習するとそうだったから。だから、すごく数量的なロジックみたいなところに行っていたりとか、“人を積極的に跳ねてしまっていい”っていう思想は、やっぱりすごく間違ってることだと思うと。昔のAIと今のAIで、AI自身の倫理観みたいなものがすごく変わって、“機械”っていう風に認識していたところから、“社会の一員である”っていう認識がすごく高まった。それで回答が変わった」
AI自身もまた、“正解”を自問自答するかのように変化を続けている。ならば、AIを良い方向に導くのは、やはり人間に他ならない。
戸部田誠(てれびのスキマ)
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