テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、6月28日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00~ ほか)の第25話「変事の予兆」の視聴分析をまとめた。
安藤守就、息子・定治の内通を知る
最も注目されたのは20時28分で、注目度76.9%。安藤守就(田中哲司)が息子・定治(森優作)の内通を知るシーンだ。
小一郎(仲野太賀)の義父・安藤守就(田中哲司)が突然、織田家を追放された。その理由を探っていた小一郎は、稲葉良通(嶋尾康史)がもらした「お主ら」という一言から、守就の嫡男・定治こそが武田家と内通していたのではないかという疑念を抱く。
「定治。武田と通じたのか。どうなのじゃ!」守就が定治を厳しく問い詰めると、「はは、ははは…あはは…はあ、違う。ああー!」と定治は激しく取り乱し、自らの顔を殴り始めた。「私のせいだ! 私が! 私が!」そう言って定治は脇差を抜いた。腹を切るつもりだ。「定治殿!」「おやめくだされ!」守就の後ろに控えていた小一郎と藤堂高虎(佳久創)が素早く定治を取り押さえると「申し訳ござりませぬ」と、定治はすすり泣きながら内通を認めた。
「なぜじゃ、なぜそのような真似を!」「もう疲れたのです」息子の裏切りが信じられない父に、定治は絞り出すように語り始める。「織田についてからというもの、ずっと戦に明け暮れる日々じゃ。戦っても戦っても尽きませぬ。1つ終わったかと思えば、また次の戦場へと。親しき家来たちも次々と死んでいきました。わしもいつ死ぬか、分かりませぬ!」そんな定治の告白に守就も小一郎も言葉を失った。
「こんな…こんな地獄の先に真にすばらしき世があるのでございますか! 織田信長(小栗旬)にはそんな世を創ることなどできぬ!」定治の悲痛な叫びがその場に重く響き渡った。
「しっかり話せていれば何とかなっていたかも」
このシーンは、定治のやるせない告白に視聴者の注目が集まったと考えられる。
安藤守就にかけられた武田家と通じているという疑惑を晴らすため、小一郎は調査を開始する。守就の追放によって最も利益を得た人物が、かつて守就とともに斎藤家を離反した西美濃三人衆の1人・稲葉良通であることに着目した小一郎は良通に接触した。
すると良通は告げ口をしたことをあっさりと認め、さらに守就を挑発。一触即発となった両者だったが良通のもらした「お主ら」という一言から、小一郎たちは守就の嫡男・定治に疑いの目を向ける。そして終わりの見えない戦の日々に心身ともに疲れ果てていた定治は、武田家へ内応していた。
SNSでは「小一郎と比べて、定治は戦国乱世に適性がなかったんだね」「守就も息子の言い分が分かるんだろうな。しっかり話せていれば何とかなっていたかも」「もう完全に参っていたんだな。秀吉がいなかったら小一郎も危なかったかもしれないね」と、定治に関するコメントが集まった。
史実でも甲斐の武田勝頼と内通した罪で追放された安藤親子だが、作中とは違いその後も再起の機会を虎視眈々と狙っていた。そして本能寺の変が起き、信長が横死すると父子そろって挙兵し、良通に与えられていた守就の旧領である北方城を奪還する。しかしその後、結局は良通に敗れ守就と定治だけでなく定治の嫡男・忠四郎も討死した。
一方、良通は信長が倒れたあとは秀吉に従う。1588(天正16)年に良通は死去するが、稲葉家は江戸時代以降も臼杵藩主の外様大名として明治維新まで存続した。ちなみに西美濃三人衆の残りの1人・氏家直元は1571(元亀2)年の長島攻めの際に殿を務めたが、六角家の佐々木祐成に討ち取られた。

