いすゞ自動車と横浜市は6月から、バッテリー交換式EV塵芥車(ごみ収集車)の実証実験を横浜市内で開始した。塵芥車の走行に使用する駆動用バッテリーは、収集したごみを圧縮する架装物の動力源としても併用。この使用環境でバッテリー交換式EVの実用性と安定稼働を検証する。

  • 横浜市資源循環局神奈川事務所に設置されたステーションとバッテリー交換式EV塵芥車

    横浜市資源循環局神奈川事務所に設置されたステーションとバッテリー交換式EV塵芥車

今回の取り組みは、いすゞと横浜市が2023年10月に締結した「横浜市内の商用車部門におけるカーボンニュートラルの実現に向けた連携協定」に基づく実証実験の一環となる。

いすゞは2025年11月にコンビニエンスストア店舗配送のバッテリー交換式EVの実証実験を開始。「運ぶトラック」に続き、今回は商用車領域における「働くトラック」の脱炭素化に取り組む。

架装物への電力供給を伴うバッテリー交換式EVの実用性を検証

塵芥車は決められた時間帯に特定の地域やルートを走行するため、1日の走行距離を計画しやすい。また、ごみ収集作業は主に早朝に住宅地や生活道路で停車・発進を繰り返すため、低騒音のバッテリーEV(BEV)と親和性が高いと見込まれている。

一方で、塵芥車のEV化は、走行用の電力供給に加え、架装物にも電力を供給して稼働させるため、より多くの電力を消費するという課題がある。ごみ収集エリアをルート走行しながら、収集作業を安定して稼働させるには、短時間で電力充填ができるバッテリー交換式車両が有効な選択肢のひとつと考えられる。

  • バッテリー交換ステーションでの作動状況

    バッテリー交換ステーションでの作動状況

今回の実証では、横浜市資源循環局の神奈川事務所(横浜市神奈川区)の敷地内にバッテリー交換ステーションを設置し、バッテリー交換に対応した「エルフEV塵芥車」を2台配備して周辺地域のごみ収集業務を行う。

車両はバッテリー交換ステーションとの通信機能を搭載。車両がステーションに入庫すると自動で左右同時に充電済みバッテリーに交換される。交換は約3分で完了する。これにより、従来のバッテリー固定式BEVと比べてダウンタイム(車両の停止時間)が大幅に短縮され、収集作業の効率化につながると期待される。

実証概要(予定)

実証開始日:2026年6月
車両台数:2台
車両用途:家庭ごみ収集
実証実験エリア:横浜市内
主な役割:
・いすゞ: バッテリー交換ステーションと車両の開発・設置・管理/実証プロジェクト管理
・横浜市: 実証フィールドの提供、車両運行

今回の実証実験の開始を受けいすゞは、「さまざまなパートナーやお客さまとの共創を通じて、車両の使用用途や運行特性に応じた最適なカーボンニュートラルソリューションの提供を推進し、『商用モビリティソリューションカンパニー』として、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献してまいります」とコメントしている。