少年・少女の「不安」「葛藤」「痛み」を描くテレビ東京のドラマ『惡の華』(毎週木曜24:00~)が25日、ついに最終回を迎えた。
SNSでは、乃木坂46・中西アルノのベッドでのシーンに「やめて~!」との悲鳴が上がったのと同時に、「最終回以外は、原作を忠実に表現し、素晴らしいドラマにしてくれたスタッフ・キャストに尊敬の念しかない」と、批判が来がちな実写化ドラマにしては珍しく、その手腕を褒め称えるコメントが寄せられていた。
中学の事件以来、仲村佐和(あの)に会うことができた春日(鈴木福)。佐和が働く定食店で春日は「覚えてる?」と必死に訴えるが、佐和は「何その顔?」「何突っ立ってんの、食べなよ、美味しいから」と、取り付く島もない。
佐和の母(雛形あきこ)からは「今は2人で大人しく暮らしている。そっとしておいてあげて」と言われるが、今度は常磐(中西アルノ)が立ち上がり、「ちょっと外で話できない?」と必死に想いを伝える。
これに佐和は「いいよ」と答え、3人は浜辺に移動する。どんな風に生きていたのか、あの時突き飛ばしのたはなぜか、仲村に問いかける春日。だが佐和は「忘れた」とした言わない。そして「その子、彼女? 普通の人生を歩んでいるんだ、良かったじゃん」と、あの頃の佐和なのか、それとも本当に落ち着いてしまったのか、どちらとも取れる表情を見せる。
常磐は過去の自分と重ね、佐和の感情を理解しようと去ろうとする佐和を呼び止める。「佐和さん、あなたには春日くんと生きていく道がある」「もし、あなたたちが2人で生きていけるならそれが一番…」。
この常磐の言動に彼女の覚悟を感じた春日は、走っていって佐和を突き飛ばす。だが佐和も負けじと春日を殴り、海へと放り込む。そしていつしか、3人は海の中でそれぞれが暴れ、そこには笑い声も──。
キラキラして見えて、それでいてどこか悲しみを伴った青春の1ページ。帰りの駅で、常磐は、ついに自分が書いた小説を春日に渡す。常磐が心の中では何を思ったか分からない。だが自分なりに、春日と佐和の過去について、腑に落ちたようだった。
そして数年後──。春日がバイトから帰ってコンビニの弁当を食べようとしていると、そこに常磐が訪ねてくる。常磐はそこにノートを見つけるが、中身は白紙。春日は「まだ何も書くことは決めてない」と笑う。その後、常磐が言う。「今日泊まっていい?」と。
ベッドの上で手を握りあって横になる2人。そして常磐が「抱きしめて」と春日に告げる。そっと抱きしめる春日。そんな春日に常磐は「春日くんが育った街へ明日連れて行って」とお願いする。
翌日、春日の黒歴史が詰まった故郷を歩く2人。常磐はあの白紙のノートを思い出し、「この街にあなたが書きたいことがあるんじゃないかな」と言う。それに自分の想いを告げる春日だが、常磐の「うっせー、クソムシが。クソみたいな人生を書くの」の言葉に、佐和を思い出したのか、泣きそうな、それでいてうれしそうな笑みを浮かべる。そして春日は語り始める。その白紙のノートに書こうとしている内容を──。
X(Twitter)では、中西の「今夜泊まってもいい?」のセリフに「あかんあかーん!」などと悲鳴を上げたほか、2人でベッドで横になっている芝居にも「ぎゃあああああ!」「仮にも現役アイドルがこれはダメでしょ」「抱きしめてとか、アルノに言われたい~!!」とネタを交えつつの、阿鼻叫喚で埋め尽くされた。
このほか、「こんなに成功した実写化ドラマも珍しいんじゃないか」「あの難しい原作を最終話以外は完全に忠実に、それでいて違和感なく見せたスタッフに原作愛を感じる」「キャストそれぞれが全員、ハマり役だった。特にあのちゃん、佐和を演じてくれてありがとう」と絶賛の声が多く上がっていた。
確かに、普通のスタッフならば、同作の原作漫画をここまで忠実に表現しようとは思わないかもしれない。だが原作に込められたテーマや少年少女の葛藤、どす黒い部分から思春期ゆえの恥ずかしさを、ここまで真正面から描く困難を、しっかりと乗り越えて制作スタッフからは、真の原作愛を感じた。
原作ファンからも愛された本作。実写化映像に最も必要なのはその「原作愛」なのだと、思わず考えざるを得ない、その金字塔とも言える作品になったと思える。
このドラマは、TVer、Disney+で見逃し配信されている。
