読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『一次元の挿し木』(7月5日スタート 毎週日曜22:30~23:25・全10話)で、主人公・七瀬悠(山田涼介)の義理の妹・紫陽を演じる堀田真由。物語の重要人物を演じる上で意識したことに加え、17歳で上京して役者の道を歩み始めた当時の覚悟や、自分で選んだ道を信じる仕事観について聞いた。インタビューの最後には、進路や転職に悩む人へ、温かな関西弁でエールも送ってくれた。
『一次元の挿し木』の台本を読んだ感想「冒頭から心をつかまれる展開でした」
――2話まで台本を拝読したのですが、いろんな謎が交錯していて、全く展開が読めませんでした。堀田さんは最初に台本を読んだときはどのような印象を持ちましたか?
原作も読ませていただいたのですが、冒頭から心をつかまれる展開でした。常に「どういうことなんだろう?」というクエスチョンマークがずっと頭の中に浮かぶぐらい。登場人物も多いですし、「次は自分が狙われるんじゃないか」と、いろいろ考察しながら読み進めていました。でも、ページをめくるのが怖かったりもして。
これがドラマになったら、毎話終わるごとに「来週どうなるんだろう?」と、皆さんも考察を張り巡らせながら楽しんでいただけるんじゃないかなと思いました。私自身も台本を読んでいてすごく面白かったので、ドラマとしてどう描かれるのか、とても楽しみにしています。
――やっぱり紫陽が一番の鍵を握っているのではないかと私は予想していて……と言われても、ネタバレになりかねないので、堀田さんは返答が難しいですよね(笑)。
そうですね(笑)。
――原作も読まれて、堀田さんは結末を知っている。でも、原作未読の視聴者はどんな展開が待っているかを知らない。そして、紫陽がどのように物語に関わっていくかで、紫陽自身の知っていること、知らないことも変わってくるという、演じる側としては大変難しい作業をこなす必要があると思うのですが、紫陽というキャラクターは、どのように作り上げていったのでしょうか。
脚本にも、視聴者の方々に考察していただくための要素がたくさん仕掛けられていますし、撮影では私に限らず、出演者の皆さん、さっきまで1話を撮っていたのに次は10話というふうに、過去と現在を行ったり来たりしないといけないんですけど、その中でも紫陽という存在は、後半で本質の部分が見えてくるので、そこは計算しながら作っていきました。
台本の中には象徴的なセリフがたくさんあって、物語のために聞かせたい部分は少し立てるようにしているのですが、自分たちの人生においても、意図せず言った言葉が誰かの心に響くことがある一方で、日常で未来のことを想像して、そうした言葉をわざわざ立てて話すことはないと思うので、10話まである作品ですが、シーンごとに考えることは考えつつ、本番前には一度フラットな状態に戻しています。特に紫陽は悠とのシーンが多いので、実際に悠と向き合って言葉を交わしたときに生まれる温度感だったり、声のボリュームだったり、そういう本番でしか出ないものを、自分自身も楽しみながら演じています。
堀田真由と一緒に役名・紫陽について深掘り
――悠の回想の中に出てくる紫陽は神秘的で、どこか危うげな空気をまとっているように感じました。例えば、ビジュアルであったり、たたずまいであったり、堀田さんご自身は紫陽という人物をどんなふうに見せたいと思っていましたか? また、その点に関して、制作スタッフの方々とは何かお話をされましたか?
私は紫陽に普通の人とは違う温度感を感じさせたいと思っていて、ビジュアルの面でいうと、ほくろにはこだわりました。私は右側に特徴的なほくろが多くて、目の下は特にそうなのですが、自分が演じる役の子ども時代を演じる子役の方がいて、時代を一緒に紡いでいくときは、子役の方の目の下にほくろを描いていただいて、それを象徴的に役を作ったりしたことがあったのですが、今回はそのほくろを消しています。
ほくろは、その人が生きてきた証(あかし)や歩みみたいなものも表している気がしていて。自分にとってのチャームポイントの部分を消すことによって、人とは異なる温度感を出したいと思って、スタッフさんに「ホクロを消してみたいんですけど、どうでしょうか?」とご相談させていただきました。
お芝居についても、前後の流れも含めて、いろいろと計算しながら作っていかなければいけない作品なので、プロデューサーや監督、そして山田さんと、毎話、シーンごとに「このシーンはどのように見せましょう?」というコミュニケーションを取りながら進められていて。皆さんと共通認識を持って取り組めている、とてもいい現場だなと思っています。
――ドラマや小説の登場人物と言ってしまえばそれまでなのですが、紫陽という名前がとても印象的で。中山喬詞プロデューサーのコメントでは、堀田さん演じる紫陽について「神秘的。紫陽花の花言葉にもある、こんな表現がぴったりでした」という言葉があり、この物語を考察する上で、紫陽という名前にも何か意味があるのかなと思って、紫陽花の花言葉を調べてみました。そしたら、「家族団らん」や「移り気」など、いろんな意味があって。
紫陽花の花言葉は今初めてお聞きしましたが、役名に色が入っていると、私自身もいろいろ考えたりしますね。紫という色は、私の中では高貴な印象があって。だから、尊くて特別な存在というイメージのある紫陽にすごくぴったりなんじゃないかなと思いました。
あとは、彼女は儚くて、今にも消えてしまいそうな弱さを持った人だと思っているのですが、その弱さを自分で認めながら歩んでいる人は、逆に強いんじゃないかなと思うんです。なので、紫陽花の意味する花言葉にも重なると思うんですけど、太陽の「陽」という漢字が入っているのは、陰(いん)のマイナスより、陽のプラスを人に与えていける存在なんじゃないかなと。紫陽という名前をいただいて、そんなふうに私なりに解釈していました。
――すみません、考察にお付き合いさせてしまって。
いえいえ(笑)。


