14日に放送されたMBS・TBS系ドキュメンタリー番組『情熱大陸』(毎週日曜23:00~)では、俳優の坂東龍汰に密着。2024年放送のドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS系)で自閉スペクトラム症の青年を演じ、その繊細な演技が高く評価された坂東が、俳優を志した原点や芝居への思いを語った。
1997年にニューヨークで生まれた坂東は、3歳で北海道へ移住。18歳までシュタイナー教育を受け、高等部の卒業演劇をきっかけに俳優の道を志したという。
当時を振り返った坂東は「本番の幕が開いた時に真っ白になったんです。頭が全部忘れちゃった。覚えたセリフも」と回想。「自分の意思じゃないものがしゃべり出したんですよ」と続け、「恐怖と歓喜がぐちゃぐちゃになっている感じがあって、半端じゃないエクスタシーを感じたんですよ」と、その瞬間に受けた衝撃を明かした。
19歳の時、アルバイトで貯めた100万円を手に俳優を目指して上京。下積み時代を知る山岸健太と再会し、「真冬の家賃4万円で、風がビュービュー入ってくる家で、お金がないから暖房もつけられなかった」と当時を振り返り、「毎日原宿でスカウト待ちしてた」と懐かしそうに語った。
番組では、間宮祥太朗主演の舞台『カッコーの巣の上で』の稽古にも密着。坂東は吃音のある青年・ビリー役に挑み、稽古のない日には貸しスタジオにこもって役作りを続けた。
演出の松尾スズキ氏は「吃音症というものって、自分の体験の中から演技を絞り出せないじゃないですか。だからそこからクリエイトしていかないといけないので、結構大変だと思います」と説明。「表面をなぞるような演技をするのが一番危険なんで」と坂東の挑戦を見守った。
そんな坂東は、芝居への向き合い方についても吐露。「目の奥に闇みたいなもの、真っ黒い目になる時があって、自分でも分かってるんですよ」と語り出し、「それは間違いなく、母親の交通事故死が関係していると思うんですよ」と告白する。
「飛んできたハンマーで開いちゃった穴に、レンガを積むみたいに埋めていくんですけど、でもその穴は閉じない。だからずっと原動力になって、自分が突き動かされている感覚は幼少期からあります」と胸の内を明かした。
6月7日には『カッコーの巣の上で』が開幕。2時間40分に及ぶ舞台はスタンディングオベーションで幕を閉じた。
坂東は「芝居が大好きだっていう自分がど真ん中にいて、絶対に消えないかすかな爆発は常に起こして、それが芝居にすごい純度で込められれば俺はいいなと思って生きている」と俳優という仕事への思いを口にした。
【編集部MEMO】
坂東龍汰は、1997年5月24日生まれ、ニューヨーク生まれ、北海道出身。北海道で18年間シュタイナー教育を受け、高等部の卒業演劇をきっかけに俳優を志す。2017年に俳優デビューし、2022年公開の映画『フタリノセカイ』で映画初主演。2024年のドラマ『ライオンの隠れ家』で自閉スペクトラム症の青年役を演じ大きな話題となり、2025年には映画『爆弾』で第49回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
