今回の番組では、屋台ラーメンが人々の心を支える存在として描かれている。では、野呂自身にとって、疲れた時にホッとできる“心の拠り所”のような食べ物はあるのだろうか。返ってきた答えは意外なものだった。

「最近、『よっちゃん いか』にハマりすぎちゃってるんです(笑)」

もともと子どもの頃から好きだったというが、再び夢中になるきっかけは、『銀河の一票』の撮影現場だった。

「撮影の序盤で、コンビニに駄菓子がいっぱい置いてあることに気付いて。その時に『よっちゃん いか』を見つけたんです」

なかでも心を奪われたのは、普段あまり見かけない白いパッケージの“大きいサイズ”だった。

「見つけた瞬間のときめきがすごかったんですよ(笑)。『これは!?』と思って食べたら、もう完全にハマっちゃって」

今では毎日1袋は欠かせない存在になった。

「ドラマの撮影が終わって帰る時に食べたり、舞台の稽古場で食べたり。『今日も無事に終わったんだな』ってホッとするんです」

屋台のラーメンを求めて人々が赤ちょうちんの下へ集うように、野呂にとっての「よっちゃん いか」もまた、慌ただしい日々の中で心を整えてくれる存在なのかもしれない。

「物語に貢献したいという気持ちのほうが強いんです」

ドラマ、映画、バラエティ、そして舞台と活躍の場を広げ続けている野呂。この日も、新橋演舞場で現在上演中の舞台「熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第12弾 東京喜劇『仁義なきストライク~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』」を終えたその足で、ナレーション収録に臨んでいた。

「舞台をやっているおかげで声の強弱は出やすかったと思います。舞台って時間が決まっているので、この時間に全力を出し切ろうって気持ちになれるんですよね」

近年は俳優としての評価も高まり、出演した是枝裕和監督作品『箱の中の羊』は、カンヌ国際映画祭にも出品された。

「海外の映画祭は、役者をやっている人ならみんな憧れる場所だと思います。私ももちろんそういう気持ちはあります。ただ、役の大きさに関係なく、物語に貢献したいという気持ちのほうが強いんです。そういう積み重ねの先に、もしチャンスがあったらうれしいですよね」

今回のナレーションも、スタッフから高い評価を受けていたが、その理由について自身なりの分析を語った。

「今回のご家族って、自分の育った環境と重なる部分がすごく多かったんです。だから自然と物語に入っていきやすかったのかもしれません。もちろん、自分と全然違う人を演じたいという気持ちもあります。でも偶然にも自分と重なる役やマッチするお仕事に出会えた時は、表現の幅がより広がることもあるんだと感じました」

最後に改めて、視聴者へメッセージを送った。

「最近、親子に関する悲しいニュースを目にすることも多いじゃないですか。でも今回の『ザ・ノンフィクション』は、本当に温かいんです。何も悲しいことがなくて、ただ愛情があって、支え合っていて。日曜日にこの物語を見た方は、きっとホッとして、また次の日から頑張ろうって思えるんじゃないかなって。愛情が詰まった、本当に素敵な物語でした」

●野呂佳代
1983年10月28日生まれ、東京都出身。2006年に「第二期AKB48追加メンバーオーディション」に合格し、AKB48とSDN48のメンバーとして活躍した。12年にグループを卒業。バラエティ番組等への出演で人気を博すとともに、舞台、映画、ドラマへの出演を重ね、女優として高い評価を得ている。近年の主な出演作に映画『ハッピーメール』『怪物』『退屈なエンドロール』、ドラマ『ザ・トラベルナース』『ブラッシュアップライフ』『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』『アンメット ある脳外科医の日記』『ホットスポット』、大河ドラマ『光る君へ』など。現在放送中のドラマ『銀河の一票』にレギュラー出演中。