• 「空想ものまねショー」(C)フジテレビ

    「空想ものまねショー」(C)フジテレビ

新企画として登場するのは、「空想ものまねショー」。AIが考えた実在しない空想タレントの特徴を芸人がものまねするというもので、第2弾の出演を猛アピールしていた堀内に、みなみかわ、原田泰雅(ビスケットブラザーズ)、シモタ(シモリュウ)が4人1チームとなり、AIが提案するフレーズを覚え、衣装や小道具を選び、空想タレントを完成させていく。

この発想の種は、第1弾の収録後に若林が漏らした一言だった。前回、バーチャルヒューマンの「AI永尾柚乃」に堀内が一発ギャグを振る場面があり、そのときAIが「人間では理解できないギャグ」を繰り出した。これを見たMCのオードリー・若林正恭が「AIが考えたギャグを一流のギャガーがやる企画も面白いかも」と口にしたことがきっかけになり、より分かりやすい“ものまね”のフォーマットに落とし込んだ。

飛田氏は、この企画について「ネタもそうですが、何より裏側の人間模様が面白い」と見どころを話す。AIが考えたのか、芸人が考えたのかという境目が曖昧になる面白さに加え、芸人たちが互いにプロンプトの打ち方を教え合いながら成長していく過程が生まれたのだ。

当初、みなみかわはAIが出すものに不安を抱いていたが、堀内、原田、シモタは自信満々。現場では「1対3」のような構図から始まったが、企画が進むにつれて4人が一つになっていく。

こうした展開になることを想定していた部分もあるというが、最後は4人が本当に仲良くなり、カメラが止まったあとに「もう一回この4人で集まってバーベキューに行こう!」と、極めて人間らしい結束が生まれた。制作者が番組の成功を確信する「想定よりハネた」瞬間に立ち会い、手応えを感じた。

勝敗をつけない理由「それをやると目指すものが違ってくる」

「脳内大喜利」も「空想ものまねショー」も、得点を競い合って最優秀賞を決めるという企画にもできるが、あえて勝敗をつける形式にはしなかった。飛田氏は「それをやると、一気に目指すものが違ってくる」と、その背景を語る。

AIで生成した画像には、必ず本人がイメージしていない違和感がどこかに出てきて、そのズレを出演者同士で指摘し合うことが、この番組特有の面白さ。対決形式にすると、自分の生成に集中してしまい、他人の回答の違和感を楽しむ空気が薄れてしまうおそれがあるのだ。

前回の「脳内大喜利」は回答席がそれぞれ独立して横並びになっていたが、今回は曲線状になった一つのテーブルで互いに顔を見合わせる構図となり、より一緒に楽しむ“パーティー感”が増している。

「僕を含め、“まず楽しくなければ”、“みんなで盛りあがろうよ”という感じです」という飛田氏。お笑い賞レースが次々に生まれる時代に、あえて競技性を排したことが、『シンギュラ』らしい空気を生み出している。