芸人が頭の中でイメージした生成AI画像で、見たことのない大喜利回答が次々に飛び出す――正月から業界内外で話題を集めたフジテレビのバラエティ特番『AI実験バラエティ シンギュラ』の第2弾が、きょう14日(23:00~)に全国ネットに昇格して放送される。AIを使用して様々な実験企画を行い、テレビの新たな可能性を探るというコンセプトだ。
AIを使った番組と聞くと、最先端技術のすごさを見せる内容を想像しがちだが、企画・演出のフジテレビ・飛田将斗ディレクターが目指したのは、その先に浮かび上がるアナログな“人間の面白さ”。入社7年目の若きテレビマンが、熱い思いで制作した番組の舞台裏や展望、そして幼少期から大好きだったというフジテレビ反転攻勢への決意を語った――。
堀内健が猛アピール「もう1回出してよ!」
今年1月に放送された第1弾は、飛田氏にとって初の企画・演出番組だった。放送後の反響について、「自分を飛び越えていった感じがしました」と振り返る。
社内では役員、局長、部長、元フジテレビ関係者など、総勢20~30人ほどから連絡があったといい、テレビ賞の選考委員から「話題になっていた」と声をかけられたことも。出演した堀内健からは「“もう一回出してよ!”と何度もお声がけいただきうれしかったです(笑)」とのことだ。
一方で、飛田氏自身は「視聴率や見逃し配信の再生数をもっと取らないと」と反省があったのだそう。それでも、評判を受けて早々に第2弾が決定し、「本当にラッキーでした」という心境で動き出した。
あの名物写真を…寛大すぎる柴田理恵
前回に続いて放送されるのは、芸人が頭の中でイメージした回答を生成AIで画像や動画にして披露する「脳内大喜利」だ。この企画では、収録の1週間前に出演芸人と必ず対面で打ち合わせを行い、AIツールの操作方法を説明。そこから収録まで遊んでもらうことで、芸人の特徴を学習したAIに成長していくことも期待して本番に臨む。
打ち合わせではこのほか、NG行為を伝えるだけで、あとは「皆さんの脳みそに任せる」。その理由は、教えすぎると発想が絞られてしまうためだ。NGとして伝えるのは、著作権侵害のリスクを避けるために固有名詞を入れないこと。そして、「芸人さんの頭の中にある絵を可視化する企画なので」と、大喜利の回答そのものをAIに考えさせないこともルールにしている。
今回の「脳内大喜利」には、秋山竜次(ロバート)、川北茂澄(真空ジェシカ)、蓮見翔(ダウ90000)、長谷川雅紀(錦鯉)、誠(ヨネダ2000)が参加。興味深いのは、芸人によってのプロンプト(※生成を指示するテキスト)の特徴の違いだ。
制作陣は、収録中に彼らが記入する様子をリアルタイムで見ることができるが、秋山と川北は「めちゃくちゃ細かいんです! その細かい文言を想像できていることが、僕らの理解を超えています」と感嘆する。
一方、長谷川は非常にシンプルな文言で生成するタイプで、その余白をAIが補うことで、独特の面白さが生まれた。前回は錦鯉の中で“大喜利向き”である相方の渡辺隆が出演したが、「大喜利企画に出る印象がそこまでない人が『脳内大喜利』をやってみて面白かったら、企画として一段跳ね上がる」と長谷川にオファー。結果として、「長谷川さんにしか思いつかないような回答がたくさん飛び出して最高でした(笑)」と、期待に応えてくれた。
蓮見については、飛田氏と同世代ということもあり「AIをめちゃくちゃ使っていると思っていたんです」と、ヘビーユーザーの視点を入れたいとオファーしたが、実際には意外にもほとんど使っていなかった。それでも、初めてAIを使う感覚が逆に新鮮で、「蓮見さんならではの巧みな日本語使いがAIのプロンプトに反映されて、初めてのAIとは思えないほど素敵な回答が続々と爆誕しました」と嬉々として語る。
今回新たに登場するのは、共通の画像をAIで“魔改造”するブロック。その画像は、多くの人が一度は見たことあるであろう伝説の「柴田理恵の卒業式の写真」だ。これまでバラエティでこすられにこすられてきた名物写真に、「高校時代に放課後欠かさずやっていたことは?」というお題で、芸人たちがやりたい放題に画像を生成する。
企画趣旨を説明した上で柴田サイドに写真提供を依頼すると、寛大にも即日快諾。さらに収録後、実際に生成された回答画像を確認してもらったところ、すべて放送OKだったといい、「自分だったら絶対NGを出すような写真もいっぱいある中で、その日中にOKですと返ってきたので、本当に心が広いですよね。感謝しかないです」と頭を下げた。

